第九十八章・千百合さんの挑発
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第九十八章・千百合さんの挑発
「私、体格の良い男性って好きなんです。野毬さんは私の好みかも!」
挑発的な態度を取る千百合さんは、野毬先輩に体を近付けた。
千百合さんって太めの男性が好きなのでしょうか?
他人の好みは分からないものです。
でも罠かも…。
うちは警戒してしまった。
「ち、千百合さん。仕事に戻ったらどうです?」
「え?でも私は、この部屋の担当だから、お食事の時間とかお風呂の時間とかを確認する必要があっるのよ」
「それなら早くしてください。うちたちは部活の一環でこの宿に来てるわけですから…」
「はーい。分かりました。お食事は何時頃がよろしいんでしょうか?」
「お食事?野毬先輩、お願いします」
うちは副部長である野毬先輩に訊いた。
「それじゃ、夕方の七時半はどう?遅すぎるかな?」
野毬先輩は千百合さんに言う。
「出来れば七時頃がいいんですが…。こちらとしても大体夕方の五時から七時の間にお食事をしてもらってるのが普通なんですよ」
そう千百合さんは、野毬先輩に言った。
そういうのは先に言ってもらわないと、聞く意味がないと思う。
うちは心の中でそう思ったけれど、グッと飲み込んで、野毬先輩に任せた。
「じゃあ、七時でいいよ」
野毬先輩はすぐさま答えた。
「分かりました。では七時にお持ちしますね。では」
そう言ってから、千百合さんは部屋を出て行った。
「野毬先輩、千百合さんは冗談が好きで…」
うちがフォローして、どうなるんだろう。
「分かってるよ。あの子は悪い子じゃない。ただ文芸部を引っ張り回したいだけなんだよね?」
先輩は分かってらっしゃる。
この人はあくまで冷静なのだと、うちは気付いた。
でも文芸部を引っ張り回したいというのは解せない。
千百合さんは一体何がしたいんだろう?
うちには分からなかった。
再びパソコンの画面に目を戻すうち。
「雪枝先輩は七時前に起こせばいいんですよね?」
うちはタイプを打ちながら、野毬先輩に訊く。
「そうだな…。秋島は何と言ってた?」
「ご飯の時に起こしてくれと…」
「そうか。じゃあ六時五十分に起こせばいいよ。どうせ隣の部屋で夕食を用意するだろうし」
「そうですね。ご飯は男子と女子、部屋が別々になりますからね」
うちはそう言うと、集中してタイプを続けることにした。
夕方七時まで、あと四時間くらい。
いい物が出来上がりますように。
読者の皆様に幸あれ!!




