第九十四章・いざ夏合宿へ!<中編>
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第九十四章・いざ夏合宿へ!<中編>
ようやく目的地の最寄りの駅に着くと、うちらは電車を降りた。
忘れ物がないように、入念にチェックする。
うちらが降りると、電車はその先へと出発していった。
一時間半はかかったと思う。
うちは少し眠りこけていたため、他の三人に寝顔を見られたかもしれない。
それを訊くのは恥ずかしかったので、黙っておくけれど…。
うちらは駅を出ると、すごく見晴らしのいい場所へ来たと実感した。
すごく景色のいいところだ。
日本にはまだ、こんな場所があるんやわぁ。
感心するうち。
他のメンバーも同じ気持ちになったのだろうか?
それにしても、こんなに大きな山々があるのはすごい!
雪枝先輩がスマホでいろいろと検索していた。
「えっと…、バスの時間はっと」
この先はバスなんですね。
もう一時間くらいは乗り物に乗るのかな?
「二時間待ちね。昼をまたがないと、バスは来ないよ」
雪枝先輩がスマホの画面を見ながら言った。
「マジかよ…」
野毬先輩が呆気にとられる。
「どうしよっか?歩くのはキツいよ?」
雪枝先輩はバス停で待つつもりだった。
「なら、バスが来るのを待ちましょう」
うちが賛同する。
「省吾くんもいいですよね?」
「僕は構わないよ。待って来るなら待つ派だから」
どういう派なんだろう?
そこはツッコまないようにした。
「うちもバスが来るまで待ちますから」
そう言って、大きくうなずくうち。
「ま、しょうがないか!」
野毬先輩も同意する。
「それじゃあ、お弁当タイム。ちょっと早いけど、お昼にしようか?」
雪枝先輩は自分が作ってきたお弁当を出す。
うちたちはバス停に設置してあるベンチに座ると、それぞれのお弁当を出した。
省吾くんの分は、うちが用意していた。
うちが作ってくるからと、前日にLINEで伝えておいたのだ。
二人分のお弁当を広げるうち。
「お!海、アンタの手作り?」
雪枝先輩が覗き込んできた。
「そうですよ」
「海は料理が得意だからねー」
「そんなことは…」
これでも女子ですから。
女らしさってこういうことかな?
古風かもしれないけれど、料理が出来るアピールは欠かせない。
女の子の本気を見せてあげる。
うちはサンドイッチで攻めることにしたので、バスケットの中にハムサンドと玉子サンドを入れていた。
皆が一つずつサンドイッチを取って食べた。
「美味い!」
野毬先輩が大きな声で言う。
褒めてくださって、ありがとうございます。
うちは嬉しいです。
省吾くんも満足したようだった。
「海さん、本当に美味しいよ」
「喜んでもらえて、うちは満足です」
本音を素直に言ううち。
「わたしはおにぎりと玉子焼き、それにタコさんウィンナーにチーズハンバーグね」
雪枝先輩が自分が作ったお弁当をうちらの前に出す。
こっちも気合いが入っている。
「食べていんですか?」
「もちろんよ。女は昼は淑女のように、夜は娼婦のようにだよ」
後者はいらない。
あと、例えの使い方が間違ってると、うちは思った。
「雪枝先輩もさすがです!美味しいです」
「男を落とすには胃袋からよ」
うちは女です。
ほっぺは落ちますけど、先輩には惚れません。
「ほら、野毬も食べなよ。海のは食べれて、わたしのは食べれないなんて言わないわよね?」
雪枝先輩は野毬先輩にもすすめた。
「あー、悪い。柔道部のマネージャーが俺のために作ってくれたのがあるから、そっちを先に食べたいんだ」
野毬先輩はそう言うと、大きなお弁当箱を出す。
「アンタ、何マネージャーなんかに弁当作らせちゃってんのさ!」
「いや~、幽霊部員の俺に食べて欲しいんだと」
「童貞のくせに!」
「処女に言われたくないな」
野毬先輩は雪枝先輩に彼氏がいることを知らないんだろうか?
まあ、うちも処女ですけど…。
バスが来るまで、うちたちはベンチでお弁当を食べながらくつろいでいた。
二時間後、ようやくバスが来て、片付けの終わったうちらは、荷物を持ってバスに乗り込む。
バスは山に向かって進みだした。
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