第九十二章・観覧車の中で…<後編>
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第九十二章・観覧車の中で…<後編>
うちは省吾くんがキスしやすいように、顔を向けてから目を閉じた。
これはうちからのサインや。
省吾くんは黙っていたけれど、観念したのか、うちの方へ顔を近付けてくる。
観覧車の中でってのがナンだけど、うちはここでファーストキスしても良いと思っていた。
ちょっとくらい進展があってもいいですよね?
うちは唇同士が触れ合うのを待った。
省吾くんの唇は、ザラッとした感触だった。
うちは今、自分が好きな人とキスをしてるのを全身で感じる。
これがキス…。
甘い。
そしてすっぱかった。
しばらくすると、省吾くんは手をうちの小さなお胸に当てた。
急に正気に戻るうち。
お胸を触られた?
うちはすぐに省吾くんの体を離した。
キスだけじゃなく、体を触るなんて…。
「省吾くん!」
うちはビックリして、省吾くんとの間合いを広げた。
そういうことはまだ早いから!
うちは省吾くんの行為に反論する。
「ダメですよ、そんなことしたら!」
まるでうちは、子供を叱るように言った。
メッ!という感じである。
「ご、ごめん…海さん」
うちの過剰ともいえる反応に、気まずさを隠せないでいる省吾くん。
まったく、男子は本当に本当にえっちですね!
そういうのはいけないと思います。
うちのキスは、ファーストキスだったので、本当にロマンチックな体験だったけれど、うちはまだ、そういう性的なことにまでは及んでほしくなかったのだ。
そうこうしているうちに、観覧車のゴンドラは地上に着く。
うちと省吾くんは一緒に降りたけれど、その後の会話は少なくなっていた。
うちはもう怒ってはいなかったけれど、省吾くんの顔をまともに見れないでいた。
今日はもう、これでデートも終わりだ。
うちたちは無言で遊園地を出た。
今日は初キッスが出来たからいいのだ。
省吾くんとうちは、だんまりを決め込んだまま、帰路につく。
今度は文芸部の合宿があるので、またその時に会いましょう。
うちは省吾くんとお別れに手を振ると、省吾くんも手を振り返してくれた。
別に嫌いになったわけじゃないですからね。
多少の強引さも、うちとしては嫌いだとは言わなかった。
うちが思ってる省吾くんと違う一面を見れただけでも良しとしましょうか?
遊園地だって面白かったし…。
そう思って家に帰るうち。
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