第八十九章・遊園地は怖いところ<前編>
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第八十九章・遊園地は怖いところ<前編>
うちと省吾くんは、夏休みのお盆明けに会うことにした。
今日は遊園地に遊びに行く予定だ。
省吾くんとうちは、入園すると、まずジェットコースターに乗ることにする。
正直、省吾くんはすごく嫌がっていた。
ジェットコースターのような絶叫マシンは省吾くんには辛いのだろうか?
それでもうちは、ウキウキして順番を待つ。
ジェットコースターに乗り込む番が来ると、うちらは先頭車両の一番前に座ることになった。
これはこれは天国に一番近い場所だ。
省吾くんは青ざめていた。
「海さん、僕、降りたいんだけど…」
「大丈夫ですよ。終われば降りられますから」
何のフォローにもなってなかった。
でもうちもドキドキしていたので、そっと隣に座る省吾くんの手を握った。
これは本当にデートっぽい。
「行きますよ。楽しいですね」
うちは動き出したジェットコースターの振動を感じながら、省吾くんに言った。
「楽しい?怖いよ」
省吾くんは腹をくくる思いでジェットコースターに臨んでいた。
とうとうジェットコースターのレールが一番高いところまで来る。
ここからは落ちるだけだ。
ゆっくりゆっくりとスピードが落ちたかと思えば、そのあとにコースターは自由落下を始める。
そして上に上がったり下りたりを繰り返した。
腹をくくった省吾くんは、意外にもうちほどの悲鳴を上げない。
うちは夢中だったので、キャーキャー言ってしまったけれど、省吾くんは言葉少なに、まるで先を予測しているかのように、ジェットコースターの向きに合わせて、体のバランスを取っていたようにも見える。
ようやくジェットコースターは元のところへ戻ってきた。
あー、楽しかった!!
うちとしては、大満足だった。
ジェットコースターを降りるうちと省吾くん。
階段を降りて、ジェットコースターから離れると、省吾くんはグッタリとしていた。
でも青い顔は元に戻っている。
「省吾くん、大丈夫でした?」
「まぁね」
「うちが誘ったばかりに…」
「いいんだよ。それに結構面白かったし。もう乗らないけど」
「結構面白かったですか!」
「まぁまぁね。ただ乗ってるだけじゃ、振り回されて恐怖なだけだけど、自分が操縦してるように思えば、なんとか平気だったよ」
「自分が操縦してるように?」
なるほど。
そういう感じで乗ってれば、意識的に怖さを半減できるんですね。
省吾くんは頭が良い。
うちは感心してしまった。
「それで、このあとどこへ行きましょうか?」
「それは決まってる」
「?」
「お化け屋敷だよ」
省吾くんのその言葉に、今度はうちが怖がる番になってしまった。
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