第八十八章・お盆休みは田舎で
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第八十八章・お盆休みは田舎で
うちはお盆になると、家族で田舎のおばあちゃんちに行くことにしていた。
毎年恒例の行事だ。
何もない田舎の古い家屋がおばあちゃんの家だった。
祖父はもう、他界している。
うちは猛暑の中で、縁側に座り、白いキャミソールワンピース姿でスイカを食べながら、田舎の景色を見ていた。
ここには省吾くんの存在はない。
たまには一人になりたい時もあるけれど、ここに来ると、しばらく省吾くんには会えないことを残念に思う気持ちになる。
スイカを食べ終えると、うちはその場に寝転がった。
縁側は気持ちがいい。
寝てると、おばあちゃんがうちのところへとやって来た。
うちはゆっくりと目を開ける。
「海」
「なぁに、おばあちゃん?」
「もう高校生でしょ。学校には慣れた?」
「もう慣れましたね。四か月も通えばもう、立派な女子高生です」
「今は女子高生じゃなくて、JKって言うんじゃないの?」
JKの呼び名が高齢者にも浸透してる…。
ならおばあちゃんはグランドマムでGMかな?
「立派なJKですよ、おばあちゃん」
「そう。お友達はいる?」
「いますよ。親友とかも」
「お付き合いしてる方は?」
「え、お付き合いしてる方?」
「そう。彼氏」
「います。同じクラスで同じ部活の人」
「よかったわねえ、彼氏さんもいて」
「そうですか?」
「ええ。おばあちゃん嬉しいわ」
「おばあちゃんが喜ぶんですか?」
「そうよ。海は人見知りするところがあるし、繊細だから、心配していたのよ」
「はぁ…」
「でも大丈夫そうで安心したわ」
「そうですか…」
うちは学校でも他に同級生で付き合い始めてる人たちがいるんじゃないかと思った。
高校デビューした人も多そうだからだ。
まあ、完全に彼女いなさそうな男子の中に省吾くんが入ってると、うちは思った。
その彼とうちは付き合ってるのだ。
省吾くんはうちの隣に立つ男子なのだ。
それを見越して付き合っている。
省吾くんにもそう思ってほしい。
うちは省吾くんのことを好きなのやから。
「おばあちゃんはおじいちゃんと、どう結婚したのですか?」
「あら、そんなこと訊くなんて珍しいじゃないの?」
「そう…かな?」
「そうねぇ…。海が結婚したら、お話ししましょうね」
「それっていつの話になるんですか?」
「あなたには幸せになってもらいたいからね」
「うちは今も十分幸せですよ」
「それが一番よ。でも恋には苦しい時もある。それもひっくるめて愛せるといいんだけどね」
恋には苦しい時もある…ですか。
そういう時もあるかもですね。
うちは爽やかな風を感じながら、おばあちゃんの話を聞いた。
人生の先輩は、うちに優しく語りかけていた。
でも肝心のおじいちゃんとの馴れ初めについては、あまり深く語らないおばあちゃんだった。
読者の皆様には感謝しかありません!!




