第八十七章・夏休みの過ごし方は、小説書きから。
読者の皆様に幸あれ!!
第八十七章・夏休みの過ごし方は、小説書きから。
夏祭りから三日が過ぎ、うちは省吾くんとの馴れ初めから順に、小説を書いていた。
これがうちの『ぱんつから始まる恋』がお題の小説だ。
こんなのを小説にして書き残す羽目になるとは思ってもみなかった。
まるでうちの手記や。
まあ、人が読んでも、うちのことだとは分からないように、工夫はするけど。
うちのこととは言い過ぎや。
うちと省吾くんの二人のことや。
登場人物の名前も変えておく。
うちはミドリで省吾くんはモトムや。
そしてこの小説には雪枝先輩も出てくる。
雪枝先輩の名前はどうしようかなぁ?
うちはそこでシャープペンシルを置く。
やめましょう。
この小説はもっと別の形で書いた方が無難です。
現実に囚われてはダメ。
非現実的な形で構想を練り直そうと、うちは思った。
それより夏休みも後半に入る。
海にでも行きたいわぁ。
うちの名前が〝海″なので、こんがらがる時がある。
それは他の人も同じで、うちも聞き間違えることがよくあるので、海には行かないのであるけれど…。
こう暑いと部屋のクーラーも一日中フル稼働させてしまう。
納涼の素晴らしさが身に染みて分かる。
その時、スマホのLINE無料電話が鳴った。
うちはベッドの上のスマホを手に取ると、電話に出る。
「はい、海です」
電話は雪枝先輩からだった。
『ああ、海?』
「はい」
『お盆のあとで、文芸部の活動の一環として、夏合宿を開くんだけど、行くよね?』
「合宿ですか?」
『ええ。何か予定あった?』
「ないですけど、いきなりですね」
『ちょっとしたツテで温泉宿を借りられることになったんで、一緒に行こうかって話してたの』
「温泉宿…」
『安心して。混浴じゃないから』
「混浴だったら行きませんよ。冗談じゃありません!」
『それは行くってことでいいのね?』
「はい。行きます」
『じゃあ、日時は決まったらまた連絡するから』
「よろしくお願いします」
『じゃーねー』
電話はそこで切れた。
夏合宿ですか…。
もちろん省吾くんも参加するんですよね?
温泉宿も楽しみ!
うちは合宿に向けて、心構えをした。
合宿なんて初めてだからだ。
そしてまた、小説書きに戻るうちだった。
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