第六十一章・スタイリッシュ省吾くん!!<中編>
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第六十一章・スタイリッシュ省吾くん!!<中編>
近くにあるカフェで軽食を食べると、うちと省吾くんはため息をついた。
ランチにパンケーキを頼むと、すごい量の生クリームが載ったパンケーキ三枚分が出てくる。
これはちょっと、いろいろ載せ過ぎだし、量も半端ではなかった。
さすがにこれだけ生クリームたっぷりのパンケーキは胃にくる。
昼食にパンケーキは甘さが重いと知ったうちだった。
半分くらい省吾くんに食べてもらったけれど、それでもうちは、胃を押さえて店を出る。
支払いは省吾くんのスマホで済ませた。
どこでも使えるスマホ決済は便利なものだ。
でもお腹がもたれていたので、省吾くんが心配してくれた。
「海さん大丈夫?」
「はい。これくらいなら…」
そう答えるけれど、これくらいってどれくらい?
しばらくはこのもたれは続くだろうと思う。
うちは我慢した。
うちたちは美容室を目指して歩いた。
省吾くん大変身のためだ。
しばらく通りを歩くと、見えてきた。
『プライベート・カット・スタジオ』。
「ここですね」
うちは看板を指さす。
「本当にここで僕が髪を切るのかい?」
疑うように言う省吾くん。
「うちが切ってもらうわけではありませんが…」
「まあ、そうだけど…」
「省吾くん、今日のあなたはいつもの三倍カッコイイんですから、自信を持ってください!」
「あ、うん」
まあ、カッコイイのは服であって、省吾くんのルックスは普通の人だ。
うちも人のことは言えないけれど…。
それにしても省吾くんは、〝カッコイイ″とか〝イケてる″とか言われるのに慣れていないようだ。
まあ、今までが地味過ぎたのだから、しょうがない。
だからクラスの皆からも、男が足りないと言われる要因になっていたのだと思う。
これは省吾くんの高校デビューのためなのだ。
デビューしてくださいよ。
うちのために!
美容室に入ると、スラリとした長身の男性が迎えてくれた。
「やあどうも。美容師の唐沢俊樹です。今は彼女募集中。さて、そこの小柄な少女。ボクが君を天使に変えてしまいましょう」
「あ、うちじゃないんです。こっちの彼を…」
うちは慌てた。
まさか、うちの髪を切るという話になっていたようだ。
まあ、電話で予約したのはうちですけど…。
変な誤解をされたようだ。
うちの省吾くんの髪をお願いします。
「あ、彼氏の方なんだね。間違えました。それでは彼女さんは壁のそばのソファーで待っていてください。二時間で彼氏さんを、誰が見ても振り返るようなスタイルに変身させてあげますから」
信用出来る言葉だった。
うちはそう言われると、省吾くんを待つために、ソファーへ向かう。
赤いソファーが並んでいる壁の方は、雑誌がいくつか置いてある。
それ以外は何もなかった。
ここでは余計な物は置かない主義らしい。
そういう店なのだ。
しばらくすると、他の女性店員からコーヒーを出される。
「あ、どうも…」
うちは頭を下げた。
「砂糖とミルクはお付けしますか?」
「お願いします」
まるで喫茶店の雰囲気だ。
リラックス出来る空間っていいですね。
美容室内は冷房が効いているので、熱いコーヒーも気にはならなかった。
うちは出されたコーヒーをカフェオレにすると、それを飲みながら、適当な雑誌を開いて待っていた。
省吾くん大変身のために…。
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