第六十章・スタイリッシュ省吾くん!!<前編>
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第六十章・スタイリッシュ省吾くん!!<前編>
省吾くん大変身の時が来た!
試着室のカーテンが開くと、カッコイイ姿の省吾くんが立っていた。
「これでいいのかな、海さん?」
「いいです!すごくいいです!!」
いつもこれなら、尚いいのだけれど…。
でも今日の地味な恰好よりも、ずっといい。
何だ省吾くん、ちゃんと着こなせてるじゃありませんか!
うちの目に狂いはなかった。
今日の省吾くんはイケてる。
これならどこに出しても恥ずかしくない。
うちと並んで歩ける姿だ。
喜ぶうち。
いいえ、本当に嬉しいんやわぁ。
でも髪の毛がちょっとダサい。
「省吾くん、その今着ているのを買って、それから髪を切りに行きましょう」
「え、でも映画の時間が…」
「その前に美容室です!」
省吾くんはうちが選んだ服をスマホで購入すると、それを着たまま、さっき着ていた地味な服を紙袋に入れて、持ってくる。
うちはベルトだけは買ってあげた。
センスの良いデザインのバックルが付いたベルトだ。
「省吾くん、このベルトを通してください」
「あ、ありがとう」
素直にベルトをする省吾くん。
うん。カッコイイ。
「じゃあ、この辺りの有名な美容室を探してみますね」
うちはそう言うと、スマホで検索する。
ちょうどすぐ近くに、カリスマ美容師のいる美容室が見つかった。
でも予約取れるかなぁ?
うちはダメもとで電話を掛ける。
「もしもし、『プライベート・カット・スタジオ』さんですか?今日は予約取れます?あ、そうですか。では1時に。ありがとうございます。失礼します」
うちは電話を切る。
予約のキャンセルが出たので、その時間なら予約が取れた。
「省吾くん、1時に『プライベート・カット・スタジオ』に行きますよ」
「えっ?もうお昼過ぎてるよ?」
「じゃあ、軽めの食事を取りに行きましょうか。どこかのカフェで」
「いいんだけど、映画は?」
「また時間ずらしましょう。それか時間の合う作品に変更するか…それでいいでしょう?」
「うん、まあいいけど」
省吾くんはそんなに映画が観たいのかな?
映画好きかもしれないけれど、それよりこれはデートなのだ。
デートの主役は女子。
女子をエスコートするのが男子。
これは女性雑誌の受け売りなのですが、初デートとはそういうものなのだ。
それを分かってない省吾くんは、まだまだダメだと思う。
デートでは女子の立場の方が上なのだ。
女子の行きたい店を巡り、女子の好きそうな恋愛映画なんかを観て、女子の好むスイーツを一緒に食べるのがデートなのだ。
省吾くん、もっとレディーをエスコートしてくださいよね。
そう思ううちだった。
うちだってそういうデートがしたいんです!!
それが女子なのだから。
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