第六章・こんなに長い帰り道<後編>
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第六章・こんなに長い帰り道<後編>
うちが省吾くんと歩いていると、いきなり前から来た、三人組の不良さんたちがやって来た。
省吾くんもそれに気付いたようだ。
「海さん、別の道に行こうか」
「え?」
方向転換する省吾くんをうちは追った。
「どうしたんですか、省吾くん?」
「あの三人組は、ここら辺では有名な不良たちなんだ。前に僕も…」
と、その時、三人組の不良たちが省吾くんに気付いたのか、走って追いかけてきた。
あっという間に囲まれるうちたち。
「オウオウオウ、てめーは確か、前に俺たちにナメたマネしてくれた奴だな!ここで会ったが百年目!てか百年も経ってないが、また会えるとは偶然だぜ」
「いやいや、っていうのは冗談で、そのダサい制服から天拝高校の生徒だってことは分かってたからな。この辺で張り込んでいたのさ」
「キッチリ礼をさせてもらうからな。覚悟しろよ、このへなちょこ野郎!」
相手は背も高く、筋肉質な体形で、肌も浅黒くて怖い感じだったけど、言ってることがうちには、何だかちぐはぐに聞こえた。
「やめようよ、こんなところで…。ほら、今日は僕、友達と一緒だしさ」
省吾くんはうちを庇うように前に出る。
「おいおい、こいつ友達とか言って、女子と一緒だぜェ?」
「こんな奴でも女の友達なんか出来るのかよ」
「イカ臭いマネしてんじゃねーか、オイ?」
こういう人たちってホント下品。
程度が知れるわ。
「省吾くん、行きましょう」
うちは省吾くんの制服の袖をつまんで、軽く引っ張った。
「おっと、逃がさないよ。彼女さんもここにいて、今からコイツが地べたに沈むのを目の前で見てろよ」
どんな事情があるにせよ、相手は本気だ。
こんなゴツい三人が相手じゃ、省吾くん殺されちゃう!
何とかしないと…。
「どうしたよ、ヒーロー?」
「女子の前じゃ本気出せないか?」
「彼女にぱんつでも見せてもらえば、興奮して全力が出せるか?いや、その前に鼻血ブーかもな」
さいてー!!
省吾くんはそんな人じゃないわ!
うちのぱんつを見たことは事実だけど…。
「もうやめてください」
怖かったけど、うちは勇気を出して言った。
「アラアラ!この女子、足が震えているよ。ビビッてんのか?」
「怖いのに無理しちゃって!」
「でもよく見たらお人形さんみたいにこじんまりしてて、可愛らしいじゃんか。なぁ、俺たちと遊ばねェ?ちょっとだけぱんつ見せてよォ!」
やっぱり怖い……。
うちはすくんだ足を隠すように省吾くんの後ろへと回ってしまった。
「省吾くん、うち怖い…」
「そうだね。ここで少しだけ待っててくれないか、海さん?」
「え?」
「僕が話を付けるからさ」
「でもそうしたら、省吾くん…」
「信じてよ。ちょっとだけ自転車を見ててくれない?」
そう言う彼は、自転車をその場に停めると、三人組の不良たち相手に手招きして、路地裏へと入っていった。
* * *
数分後、戻ってきたのは省吾くんだけだった。
制服が汚れている。
何があったの?
「省吾くん、大丈夫?」
「ああ。ちょっとだけもみ合いになっただけだよ」
うちは省吾くんの体を見回す。
ケガを負っているようには見えない。
「あの人たちは?」
「ああ、穏便に帰ってもらったよ。心配はない」
まさかカツアゲされて、お金を出したとか?
でもお金で済むことなら……。
「本当に大丈夫なんですか?」
「大丈夫だよ、海さん。さぁ帰ろう」
「は、はい」
うちは預かってた自転車を省吾くんに渡すと、うちたちはまた、一緒に帰り始めた。
「怖い思いをさせてゴメン」
「そんな…。うちこそ……」
「心配もかけたね」
「省吾くんに何かあるよりいいです」
そんな会話を続けながら、丁字路に差し掛かる。
「僕はこっちだから」
そう言うと、省吾くんは突き当りを右に進む。
うちは逆の道だ。
「それじゃあ、ここで。また明日学校でお会いしましょう」
「うん」
うちと省吾くんはそこで、お互い逆の方向へと帰っていった。
省吾くんは本当に大丈夫なのだろうか……。
うちはそれだけが心配だった。
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