第五十四章・カマトトとムッツリの恋愛事情
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第五十四章・カマトトとムッツリの恋愛事情
うちたちは勉強の手を止めて、一時休戦する。
勉強会が勉強にならないのは、結構普通なことなので。
小休止。
うちはお茶とお菓子を省吾くんにもらった。
ほうじ茶とクッキーだった。
千百合さんも絹代ちゃんも、一息ついた。
千百合さんが省吾くんのベッドに上がる。
そしてそのままベッドで寝てしまう。
「おい、千百合!」
省吾くんはベッドまで行き、千百合さんが被った掛布団を剥がそうとする。
「ふふ。省吾の匂い…」
千百合さんはもう、目がトロンとし始めている。
眠る気だ。
「起きろよ。匂いが付く!」
省吾くんの呼びかけも空しく、千百合さんはそのまま眠りについた。
机まで戻ってくる省吾くん。
ドシッと座ると、そのまま背伸びをした。
「あ~あ、あいつといると疲れる」
本当に疲れたようだった。
「省吾くん、ホントにご苦労ですね」
「うん。そうだね。千百合は幼馴染だからなぁ」
「今でも省吾くんのことを…」
「え?」
「あ、いいえ。何でもないです」
うちは千百合さんの本当の気持ちを知らなかった。
うちのことを省吾くんの彼女だと認めないと言っていたけれど、それに関しては本気で言ってるようだ。
省吾くん、うちと千百合さんはどちらが大切ですか?
でも省吾くんなら、どちらも同じくらい大切だと言いそう。
うちは省吾くんの優しさを知っている。
だから、そんなことは訊かないのだ。
「それにしても…」
絹代ちゃんが口を開いた。
「それにしても渡辺くん、海とは今、どうなの?」
「えっ?」
省吾くんは反応する。
「もうチューはしたの?」
いきなり何なの?
うちは驚いて、食べかけてたクッキーを落とした。
絹代ちゃん、うちと省吾くんはまだ、そういう感じじゃないって言ったよね?
「付き合ってるんだから、もっと進みなさいって言ってるの。ぱんつ見たくらいで、お互い恥じらうつもり?」
省吾くんは冷静さを失いつつあった。
まさかの女子からの質問に、簡単に答えられるはずもなかった。
省吾くんは真面目な人だから…。
うちはフォローに回ろうとしたけれど、言葉が見つからない。
「どうせいつかは、求め合うんだから、ちゃんと順を追って、することはした方がいいよ」
絹代ちゃんってば、えっち!
そんな関係にはまだなりませんってば!!
うちは顔を真っ赤にする。
そういや絹代ちゃんは年が一つ上だから、うちたちより大人なんだ。
それでもうちは、高校一年生の事情でピュアなお付き合いを望んでいた。
それはダメなの?
「僕は…、海さんのことを大切にしたい。だから…」
「まったく、これだからカマトトとムッツリの恋愛ってのは!」
それってうちと省吾くんのことですか?
それじゃあ、省吾くんは本当はうちと、その…、えっちなことを望んでるっていうの?
うちだって、そういうのは困る。
だって何の責任も取れない、ただの男子と女子なんですよ?
うちは待ってほしいと、切に願う。
男子は男子の事情があるかもしれないけれど、女子には女子の事情ってものがある。
うちはもう、この先どうすればいいのか分からなかった。
お付き合いって本当に、軽く考えてちゃいけないものなの?
でもうちは、省吾くんから、いいえ、省吾くんの気持ちから逃げてはダメだと思った。
ここで逃げたら、一生逃げ続けるかもしれない。
うちは絶対に省吾くんとのお付き合いをやめない。
そして今後のことも考えると心に誓った。
うちの恋愛はうちだけのモンや!
そして省吾くんのこともひっくるめて、うちは恋愛というものを完遂する。
そう決めたのだ。
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