第五十三章・省吾くんの部屋
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第五十三章・省吾くんの部屋
省吾くんは今日は勉強会と称して、両手に花+一輪状態になった。
そう、うちらは花なのだ。
どうして女子を花に例えるのかはよく分からなかったけれど、それはイメージだろう。
省吾くんとベッタリくっついてくるのは、千百合さんだった。
絹代ちゃんより、ましてや、うちよりもくっついている光景は、楽しいもんじゃなかった。
省吾くんのアホ!
そんなに千百合さんの放漫な胸が、省吾くんの肘辺りをユラユラしてるのがドキドキすることなのか?
小さなお胸のうちは、嫉妬する。
「勉強、分からないところあるの、海さん?」
ようやく省吾くんは、うちに話しかけてくれた。
「いいえ、大丈夫です」
省吾くんはうちより頭が良かったので、分からないところを訊いても良かったのですが、千百合さんが邪魔で、訊くに訊けない状態だった。
それにしても、省吾くんの部屋は六畳ほどあって、真ん中に勉強で使ってる小さな机があった。
それに本棚には数十冊の本が並んでおり、フローリングの床には漫画雑誌が何冊かおかれている。
それに窓際の白いベッド。
省吾くんはいつもあそこで寝ているのね。
雑誌の表紙のグラビアが気になったけれど、うちは今、男の子の部屋にいるのだ。
女子にはない新鮮さがあった。
ゴミ箱の大量のティッシュが気になる。
でも敢えて、訊くのはやめた。
それに触れてはいけない気がした。
これは女の勘である。
「ねぇ省吾。私はあなたの家に来たのは小学生以来だけどさぁ…」
千百合さんが省吾くんに訊いて来た。
「何だよ?」
「えっちな本はどこに置いてあるの?もう子供じゃないんだし、持ってるでしょ?」
直球過ぎる質問に、うちたちは凍り付いた。
それも訊いちゃいけないことでしょ!
男子がえっちな本やDVDなんかを持っていることは触れてはいけない事柄のはずだ。
省吾くんだって男の子なんだから。
うちは勢いで、
「省吾くん、ここを教えて!」
と、叫んでしまった。
「値域か。僕もそこはよく分かんないんだよね…。ゴメン」
なぜ謝るの?
「いいんです。数学はうちも苦手ですから」
逆にフォローするうち。
千百合さんがズイッと身を乗り出して、また省吾くんに訊いて来た。
「ちょっと省吾、ごまかさないでよ。さぁ、えっちな本はどこ?」
セクハラ過ぎる!
もうやめてあげて。
「省吾、エロ本が無いのなら、あのゴミ箱のティッシュは何なの?あ、ひょっとしてまさか、想像で?私も肴にされちゃったのかしら?どうなの?」
千百合さんのお下品な言葉で、男子である省吾くんはタジタジとなっていた。
「もう訊かない方がいいですよ。省吾くんはえっちな本は持ってないし、えっちな想像もしてないですよ」
またうちが、フォローしている。
男子を忖度するうちって何なの?
庇ってるんですから、省吾くんも堂々としてください。
「千百合、よしなよ。今日は勉強会でしょ?」
絹代ちゃんもフォローしてくれる。
「知りたくないの、海っち、絹代?ここは男子の部屋なのよ。未知の領域なのよ。エロい本だって絶対にどこかにあるんだから。男の子の部屋には当然あって不思議はないブツよ」
それって、男子の前で生理用品を晒すような行為だ。
異性に見られたら、恥ずかし過ぎて死ぬ!
省吾くんだって困ってるじゃないですか。
うちは恥ずかしい本が、この部屋で見つからなければいいと、本気で思った。
「ベッドの下は定番よね?でも見当たらない。どこ?」
「えっと、それは…その…」
「もう!ハッキリしないわね、省吾。エロ本出せ!」
千百合さんはドSなの?
少なくとも、うちには理解出来なかった。
えっちな本なんて、絶対に見つからなければいいのに…。
うちは省吾くんに同情する。
やっぱり千百合さんは問題児だ。
読者の皆様に幸あれ!!




