第四十二章・プールだって授業ですよ<後編>
読者の皆様には感謝しかありません!!
第四十二章・プールだって授業ですよ<後編>
自由時間が終わると、プールではクロールによる競泳が行われた。
うちと千百合さんは同じ順番で競うことになった。
待ってる間に体育座りしている。
その間も男子の視線が気になった。
うちらの水着姿をジロジロと見てるのを感じた。
省吾くんだけなら、うちも水着くらいと思ってたけど、やっぱり他の男子の視線を感じると、恥ずかしかった。
「男子、こっちを見てるわよね、美羽野さん」
千百合さんが話しかけてくる。
「そうですね」
「つれないわね。さっきのことで怒ってるの?」
「知りません!」
「私はあなたと仲良くなりたいのよ。でもいつかは省吾をめぐって競い合うかもだけど…」
「千百合さんは省吾くんのことが好きなんですか?」
「え?」
「好きなんですか?」
「二回繰り返さなくてもいいわよ。別にただの幼馴染よ」
「ただの幼馴染?それだけなんですか?」
「まあ、あいつは地味だし、私だって憧れの先輩はいるから、そっちの方が気になるし…」
初耳やわぁ。
それなのに省吾くんと出掛けたりするの?
「じゃあ、好きではないんですね?」
「そうね…。あいつのことは昔から知ってる。合気道を勧めたのも私だし。あ、あいつが合気道二段なのは…」
「知ってます」
「そう。あいつは自分が武道やってることも、皆には隠してるから」
「そうみたいですね。本当は結構強いのに…」
「あいつはそういう奴なのよ。だから心配で。私がついてないとダメな奴だから、あなたのような頼りない子がついてると、逆に心配は増すのよ。あ、ゴメン。私ったら、あなたのことを頼りないなんて…」
「うちは確かに頼りないです。それは分かってます。でもうちは省吾くんが好き」
「あいつのどこが好きなの?言っちゃ悪いけど、アレよ?」
そう言って、省吾くんを指さす千百合さん。
地味な男子ってことね…。
知ってる。
だけど、うちのことを好きと言ってくれたのが嬉しかったのだ。
それにうちのぱんつを初めて(?)見た男子だったから。
「うちは自分の信念に従います」
「信念とか言い出しちゃったよ、美羽野さん…」
「おかしいですか?」
「人を好きになるのに難しく考え過ぎだっての!好きな人には好きー!嫌いな奴には嫌いっ!でいいんじゃない?」
「極端ですね」
「私からすれば、友達でいましょうみたいなのが一番悪いと思ってるわ。まあ、それなら私も同類か…」
「省吾くんを理解出来るのはうちしかいないと思ってますから」
「そっか。じゃあ、ただの幼馴染が横から出てくるのも無粋なモンかな…」
「千百合さんは千百合さんで、自分の恋をすればいいんじゃないかと思いますよ。それが省吾くんなら、うちは受けて立ちますから!」
「まぁ私は、幼馴染を取られて面白くないと思ってるのかもね。私が悪かった。ここで身を引くわ」
やけに素直な答えやわぁ。
要するに省吾くんのことは好きじゃないってことかな?
「でもあなたは省吾には似合わないと思ってる。もっとふさわしい人じゃないと、私は認めない。そうね、このクロールで私に勝ったら、あなたを認めてあげてもいいわ。受ける?」
いきなりですね!
千百合さんの方が、明らかに運動神経良さそうじゃないですか。
うちは体が小さいし、負けるのがオチですよ。
でも神様、うちに勇気をください!
「受けて立ちます!」
うちはそう言った。
読者の皆様に幸あれ!!




