第二十六章・夜道には気を付けて
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第二十六章・夜道には気を付けて
コーヒー屋さんを出ると、うちと省吾くんは、帰りの電車に乗るため駅のホームへと向かった。
さっきこぼした紅茶のせいで、ぱんつは見られるし、うちのキュロットスカートにシミが少し残った。
これくらいのシミなら洗濯機に回せば落ちるだろうけど、他人には気付かれたくない。
うちはちょっと自意識過剰になってるようだ。
うちの自覚無しの隙が生んだことなので、誰のせいにも出来ない。
省吾くんはうちのぱんつを見て、喜んでいるのだろうか?
変なコトに気が回るうちだった。
でもそれはしょうがない。
うちは女子なので、よく分かんないのだ。
ハッキリ言うと、女子のうちからしたら、省吾くんの穿いているぱんつになど全くと言っていいほど興味がない。
省吾くんの下着を見たいとは、つゆほどにも思わないのだ。
これは女子のほとんどが思っていることだろう。
それなのに男子ってば、もう!
そんなに女子のぱんつが嬉しいのですか?
ホントによく分からない。
それはまぁ、女子の下着なんて、女子が見ても可愛いとは思うこともあるけど…。
女子でさえそう思うのだから、男子にとってはもう、女の花園に足を踏み入れたような心地で見ちゃうのだろう!
男子の発想や反応は、そういうものなんだと思う。
うちはそう、決定づけた。
電車が来ると、また満員電車だった。
うちと省吾くんは、その中に体をうずめるように電車の中に乗り込む。
小柄なうちは、また満員電車に押しつぶされようとする。
そこへ省吾くんが、またうちの壁になってくれた。
ありがとうございます、省吾くん。
うちはそれだけでも嬉しかった。
これなら痴漢に遭うこともないはず。
省吾くんというナイトがいる限り!!
うちは小学生に間違われることもあるくらい小さいので、正直、悪い男性に狙われやすいこともあるかもしれない。
だからこそ、うちは安心出来るナイト様がいてくれて嬉しいのだから。
それにしても、省吾くんのような地味な男子がナイトかぁ。
少しだけクスッと笑ううち。
何と言ってもうちの地味なナイトは実は合気道の黒帯なのだ。
彼は彼なりに自分を演出しているらしい。
そこが可愛く思えた。
うちは知ってるんですよ。
合気道のほとんどは実戦では役に立たないものなんだって。
よっぽどの達人でなければ、段を持った合気道家でも他の武道には劣るということも。
前にネットの動画で解説してるのを見たことがあるんですから。
だからカッコつけなくてもいいんです。
そのままのナイト様でいてくださいね、省吾くん。
うちは守ってくれている人を支える、そんな役を演出したいと、自分に思った。
夜はもう、そこまで来ている。
省吾くんは電車を降りた後、駅からうちの家まで送ってくれた。
今日は最後までナイトの役目を負ってくれた。
そんな省吾くんを、うちは意識せざるを得なかった。
今日もありがとう、省吾くん!
こんな人だから、たかだかうちのぱんつくらい見られてもいいよ。
それで省吾くんが喜んでくれるのなら…。
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