第二十五章・紅茶は熱い!!
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第二十五章・紅茶は熱い!!
うちが紅茶にシュガースティックの砂糖を入れて、マドラーでかき混ぜていると、省吾くんがうちに訊いて来た。
「海さんは運動とか、あまりしないの?」
「はい。うちは体が小さいし、あまり運動は好きではありません」
運動嫌いな人は、運動が苦手な人だということもある。うちはそのタイプだ。
運動やスポーツは、見るだけなら好きだという人もいるけれど、うちはスポーツも特に観ないのだ。
「うちは運動やスポーツには縁が無いし、無くても困りませんから」
そう漏らすうち。
「そっか…。僕はよくいじめられているから、悔しくって自分から始めたんだ」
省吾くんはそうなんだ。
うちは地味な省吾くんのことを、特に何も知らない。
それでもいいんだと思っていたけど、今は知りたい。
「うちもあまり目立つ女の子じゃないです。友達も少ないし…」
「そうなの?栗林さんといつも一緒にいるみたいだけど?」
栗林さんって聞くと、うちは誰かと思ったが、名字はあまり意識してないのか、絹代ちゃんのことだと分かるのに少しだけ間があった。
「でも絹代ちゃんは年が一つ上だし…」
これはクラスの、いや、学年の皆が知ってることなので、今さら隠すことでもなかった。
「栗林さんは歳はともかく、同学年だよ」
と、省吾くん。
そうやなぁ。
省吾くんの言う通りや。意識したらいけない。うちらの同級生や。
「確かにそうですね」
うちは砂糖を入れた、甘さと苦みが混じる紅茶を飲もうと、ティーカップを持ち上げた。
その途端に紅茶が揺れて、パシャッとキュロットスカートの上に少しこぼれる。
「ああっ!熱っ!!」
うちは慌ててカップをテーブルに置くと、紅茶がかぶった左の太もも辺りのキュロットを持ち上げた。
そして左足を上げて、ハンカチをポケットから出して濡れた部分を拭く。
「だ、大丈夫、海さん?」
「大丈夫です。でも濡れちゃったなぁ…」
うちは紅茶の香りが残るキュロットスカートをゴシゴシとハンカチを乱暴に当てた。
その時、心配そうにうちを見ていた省吾くんが、急に顔の向きを変えた。
「えっ?」
うちはキュロットを持ち上げて、足も上げていたため、キュロットと太ももの間から、下に穿いてた水色のぱんつが省吾くんの視界にバッチリ入っていたことに気が付く。
これは怒れない。
うちの失態やからや。
でもうちは、すぐに足を下してキュロットスカートの裾を引っ張ると、自分の太ももを隠した。
もう!うちったら…。
これで省吾くんにぱんつを見られたの、何度目だろう?
うちの自称、男子にぱんつを見られたことがなかった自慢はどこへ行ったのやら。
いいえ、違います。
うちは男子にぱんつを見られたことがなかったというだけで、省吾くんだけには何度も見られただけです。
偶然が重なっただけ。
でも省吾くんも男子や。
ああ。他の男子には見られたことはないので、省吾くんだけには見られてもいい。
うちはたぶん、そう思ってたに違いない。
でもやっぱり恥ずかしい!
うちはますます、省吾くんを意識し始めた。
というより、キュロットスカートを穿いててもぱんつを見られるとは一体、うちはどれだけ不注意なんだろう?
そこだけがよく分からない。
うちと省吾くんはそれ以上、何も話さなかった。
沈黙が苦しい…。
それもこれも、うちのぱんつが原因なんや。
まったくもう……。
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