第二十一章・デートにしては地味ですね。
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第二十一章・デートにしては地味ですね。
日曜日の昼過ぎ。
うちは省吾くんと街へ出て、本屋巡りをする約束をした。
最寄りの駅で待ち合わせ。
街へ出るには電車で八駅。
結構遠くだ。
うちは早過ぎる夏服のシャツと、ぱんつが見えないキュロットスカートで、駅前にいる。
コーヒー屋さんのいい香りが鼻の先に漂っている。
駅に現れた相変わらずの省吾くんの服装は、Tシャツにしわのよったジーンズ姿だった。
やっぱり省吾くんは地味な男子やわぁ。
「待った、海さん?」
「一分遅刻ですよぉ」
駅の時計を見ると、時間が午後一時一分を指している。
時間にルーズな人は好きじゃないけれど、特別に許そう。
「じゃあ、行きましょう」
うちは定期券をたすき掛けにしている鞄から出すと、先導するように改札口へと足を向けた。
省吾くんは切符を買うために切符の自動販売機の前に行く。
その間、うちは改札を通り、通路の端っこで待っていた。
省吾くんも買った切符で改札を通ると、うちの前に来た。
「行こうか」
「はい」
うちと省吾くんは街へ行く電車に乗るために、ホームへと移動する。
結構人が多い。
そうそう。誤解のないように言っておくと、これは別にデートじゃない。
一緒に文芸部という部活のための正当な活動をしているだけなのだ。
勘違いは禁物ですよ?
うちは人ごみの中を、省吾くんと一緒に移動して、列を見つけると、そこの最後尾に一緒に並ぶ。
これはデートじゃない。
これはデートじゃない。
その時、人ごみの多さでうちが他人にあちこちからぶつかられているところに、省吾くんがうちの壁になってくれていることに気付いた。
守ってくれてるんやぁ。
うちは心がドキッとした。
省吾くんはうちよりも頭一つ分背が高いし、うちはこじんまりとした体形なので、省吾くんがうちを庇うように人ごみの前になってくれていることが、少しカッコよく思えた。
アレ?
今うちは、初めて省吾くんのことを、ぱんつ以外のことで好きになり始めている?
そう思っていたところに、うちらの乗る予定の電車が来たので、電車のドアが開くと、うちらは満員電車に乗って、おしくらまんじゅうの中、電車が出発するガタンという感じを体感した。
街へレッツゴーや。
それにしても、地味な部活の活動やなぁ。
本をめぐって街に出るなんて…。
これが本当のデートなら、もっと違うところに行ったのに。
わがままやな、うち。
そう思いながらも、電車はガタンゴトンと揺れながら、うちらを街へと運んで行った。
読者の皆様には感謝しかないです!!




