第二十章・ブルマーって何?
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第二十章・ブルマーって何?
その日の夜、雪枝先輩からうちに電話が来た。
お風呂上りに部屋でスマホを取ったので、ちょうどよかった。
「はい、海です」
『あー、今日は何だかゴメンね。騒がせちゃって』
何で雪枝先輩が謝るのか…。
「いえ、うちこそ」
『野毬のことは嫌いにならないでね。あいつヲタクだけど、根はいい奴だし、アレで自分を持ってるっていうか、モテないけど、どこか男気がある奴だからさ』
「はい。うちもそう思いました」
うちが早とちりをしただけなんや。
人間失格やわ~。
「それより雪枝先輩、ぱんつから始まる恋のことなんですけど、あまり他人には…」
『あー、ゴメン。内緒にしたかったんだよね?わたしも悪かったわ。でも野毬も言ってたけど、ある意味哲学的だよねだってさ。ぱんつに哲学なんてウケるよね?』
ぱんつに哲学……。
「男子に言われるのはちょっと…」
キモいと思う。
『そう言いなさんなって』
「でも、ちょっとキモいです」
『あはははは!海からしてみればそうかもね!渡辺くんも困惑してたしね』
「今日は省吾くん、どうでした?」
『ことのいきさつは話しちゃったけど、そんな悪い感じでもなかったよ。渡辺くんも照れてたけど』
「え、全部話したんですか?」
『文芸部の今年のテーマ…には、さすがに出来ないけどね。何ってったってぱんつだからね』
「そんなのはテーマにしなくていいです」
『あははは!怒んないで怒んないで。テーマには出来ないって言ってんじゃん』
「冗談ならやめてくださいよぉ。もうっ!」
『ゴメンって。渡辺くんもいい子じゃん!あんたが気になるのも、結構うなずけるわ。彼、冴えないけれど、野毬よりはマシだし、純粋でいい子だよ。ちょっとムッツリだけどね』
ムッツリは女子には嫌われちゃうのだろうか?
まあ、堂々とえっちな人の方が、自信満々で清々しいのは分かるけど…。
「雪枝先輩、うちはぱんつを彼に見られたんですよォ?」
『うん?知ってるけど…』
「ぱんつから始まる恋は、うちと省吾くんだけの話にしてほしいんです」
『アンタそう言うけど、自称今まで男子にぱんつを見られたことがないって自負してたのは、アンタでしょ?』
「返上します。撤回します。取り消します」
『ならもう、ぱんつは男子に見られないようにしちゃわないとだね』
「出来るならとっくにやってます」
『まあ、ブルマーでも下に穿いてれば、ぱんつ見られる心配もなくなるだろうけど…さすがに古いか』
「え?ブルマーって何ですか?」
うちはブルマーなる物が何なのかはまったく知らなかった。
『昔はブルマーっていう、ぱんつの上に穿くものがあったらしいのよ。もう廃止になっちゃってるけど。お母さんのアルバム見せてもらいなよ。たぶん載ってるだろうからさ』
「はぁ…」
『昔の体操着の一つらしいわ。今は短パンでしょ?昔はそのブルマーていうぱんつに似た形の黒いのを穿いていたみたいよ』
「へー、そうなんですか。それどこで売ってるのかな?」
『いや、今は誰も穿かないから、そういうの。ブルセラって今もあるのかな?いや、死語だし、こっちの話だから気にしないで』
「そうですか。うちはよく分かりませんけど…」
『しっかりしろ!アンタももう、JKなんだから』
「そうですね。うちもJKでした」
『まあ、スカートの下に短パンでも穿いておけば、ぱんつ見られることもないんだから』
「暑いですけどね、下に短パン穿いてると…」
『ぱんつ見られない細工をするのもリスクを伴うってことでさ』
「はい。そうします。それでぱんつ見られなくなるのなら!」
『わたしはたとえぱんつが見えても、我を通して何も下に穿いたりはしないけどね!』
「雪枝先輩はそうですよね…」
『あ、ちょっとバカにした?』
「いいえ!雪枝先輩は肝が据わってると思います」
『はははは!そうかもね。或いはそうじゃないかもね。じゃあもう切るわ』
「はい!今日は本当にすみませんでした」
『いいって。じゃあね!』
プツンと電話が切れた。
そろそろ休もう。
うちはもう、省吾くん以外の誰にもぱんつは見せまいと誓った。
見られてもいいのは省吾くん、あなただけですよ!
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