第十四章・この世は分かんないことだらけ
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第十四章・この世は分かんないことだらけ
勉強会の開始から二十分。早くも脱線する千百合さん。
「感想文って分かんない。何この〈ある男の心情を答えよ〉って」
「そこは前のページの三行目に書いてあることを咀嚼して答えを出すんだよ」
と、省吾くん。
真面目に勉強をしているようだ。
「大体さー、男の心情ってよく分かんないんだもん!分かれば苦労はないわよ」
そう言って省吾くんの方を見る千百合さん。
悔しいけど、同感。
うちも詳しく知りたいわぁ。
男子って本当によく分かんないから女子も困るのだ。
はっきりしてほしいところははっきりしてください!
とは言えず、うちは教科書を顔の前まで持ち上げて、自分の顔を隠した。
きっと真っ赤になってるはずだから。
男子も思っているのだろうか?
省吾くんも思っているのだろうか、信じているのだろうか。
ぱんつから始まる恋もあるっていうことを?
知りたい知りたい。
それでも恥ずかしいから訊けない。
「海さんは分からないところある?教えてあげるよ」
省吾くんがうちに訊いて来た。
このタイミングで!
うちは一言、
「大丈夫です」
とだけ言うと、教科書を顔に押し当てた。
「そっか」
小声で省吾くんがそう呟くのを、うちは耳にした。
勉強が疎かになってはダメでしょう。
うちは教科書を顔から離して、シャープペンシルを手に持つと、テーブルの上に置いてある真っ白なノートにペンを走らせる。
勉強勉強!
そうしたところ、また千百合さんがうちに声をかけてきた。
「ねえねえ、あなた好きな人いるの?」
その言葉にシャープペンシルの芯を折るうち。
恋バナですね?
知らんぷり知らんぷり。
というのが出来ないのが女子ですよね!
「いるかいないかで言えば、気になる人はいると思います」
そう答えるうち。
「誰よそれ?」
「さあ?」
うちは心を読まれないように、勉強の方に気を向かせた。
「ねえねえ、誰ってば?」
しつこく訊く千百合さん。
いい加減にしてほしい。
「やめなよ。勉強してるんだから海は!」
と、絹代ちゃん。
「好きな人のことを言ってくれれば、やめたげるわよ」
飄々と言う千百合さんだった。
大ヒントでも言って、はぐらかそうかしら?
「千百合さん、あなたぱんつから始まる恋っての信じます?」
堂々と言ううち。
省吾くんと絹代ちゃんが大げさな態度で反応する。
あ、またうちはバカなことを……。
途端に恥ずかしさのあまりに、耳まで真っ赤になる。
「あ…、違う。そうじゃなくて……」
「へぇー。ぱんつから始まる恋ねぇ。面白そう!」
千百合さんはこの話に乗ってこないでほしい。
でも、遅かったみたいだ。
食いついてくる千百合さん。
読者の皆さんには感謝しかありません!!




