第百二十三章・久々の再会
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第百二十三章・久々の再会
うちは一坊寺くんの顔をどこかで見た気がした。
あれは小学校の時だっけ?
それとも中学の時?
思い出せなかったけれど、あの印象には覚えがある。
その時、一坊寺くんがうちの方を見て、声をかけてきた。
「あ、美羽野さんじゃないか!」
「え?」
うちは一坊寺くんと目が合った。
向こうはうちのことを知っているのでしょうか?
「美羽野さん、俺だよ。一坊寺和也。小学校の時に塾が同じだった」
え?
あの一坊寺和也くん?
うちは思い出した。
小学校六年生の時に同じ塾に通っていた、あの一坊寺くんや。
でもあの頃の一坊寺くんは、イケメンでも何でもなかった。
ただの同級生で、しかも太っていた印象だった。
本当にあの一坊寺くんなの?
でも間違いはなさそうだ。
「ああ、久しぶりです。うちのこと覚えてたんですね」
「そりゃあ覚えてるさ。あの頃から可愛いなって思っていたからね」
可愛い?!
うちが?
そんなこと言われても、うちはどうしたら良いやら。
うちは顔を赤くした。
省吾くんの前でそんなセリフを恥ずかしげもなく言うなんて、プレイボーイさんですね。
ちょっと古い言い方ですけど…。
担任の先生が、
「コラコラ、そこ二人だけで盛り上がらない!一坊寺くんの席は栗林さんの後ろの席を用意してあるから、そこに座って。あ、その前に自己紹介して」
と、割り込むように言った。
「すみません。では改めまして、一坊寺和也と言います。よろしく。趣味、特技は空手です。一応黒帯持ってますんで。それとしばらくは、前の学校での制服ですので悪しからず。美羽野さんとは同じ塾に通っていたので、知ってる子なんです。俺と美羽野海さんの間に何かあっても気にしないでくださいね」
え、ちょっと。
うちと一坊寺くんの間に何かあるワケないですよ?
でもうちのことを可愛いだなんて…。
ドキドキしてしまう。
というか、あの塾に通っていた時の一坊寺くんと、今ここにいる一坊寺くんは全然違う人に見えるから、あんなにイケメンになってるなんて、うちは聞いてませんよ?
うちは一坊寺くんを見て、顔色が変わっていくのを感じた。
「美羽野海さん、また後でね」
そう言うと、一坊寺くんは絹代ちゃんの後ろの席へと足を運んだ。
うちは戸惑う。
省吾くんはどう思うだろう?
うちはそれが気になった。
別に過去の男とかいうんじゃない。
ただ塾が一緒だったというだけ。
それにうちは、一坊寺くんには気があったワケでもないし、向こうがうちのことをどう思っているかは分からないけれど、うちは今現在、お付き合いをしてるのは省吾くん、あなただけなんですよ?
そう言いたかったけど、今はまだホームルーム中だし、変な誤解をされたら困るので、念を押して言いたかった。
でも一坊寺くんは、ちゃんと見ると、超絶カッコ良かった。
少なくとも省吾くんの数倍はカッコイイ。
あ、これは失礼なコトだ。
ごめんなさい、省吾くん…。
でも女子に人気が出るのは、火を見るよりも明らかだ。
そんな女子たちのことを考えると、うちは逆に困惑してしまう。
さっきの冷静なうちはどこへ行ったのだろう…。
とにかく、久々に会ったら太った男子がイケメンになって、現れた。
そんな状況がこれから続くのかと思うと、うちは本心で冷静さを失いそうになる。
神様、うちと省吾くんをどうか、見守ってください!
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