第百章・二度目のキス
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第百章・二度目のキス
うちと省吾くんは、一緒に旅館の中庭を散策する。
緑が多くて迷宮的なデザインで、本当に和の雰囲気だった。
「そういえば省吾くん。さっき千百合さんが言ってた〝アオカン″って何です?」
二人っきりの時間に訊くのはNGなんだろうけど、うちは思い切って訊いてみた。
うちだってもう、高校生なのだ。
知識くらい持っていてもいいだろうと思う。
「アオカンね…。青いに女三つで青姦って呼ぶんだ」
「へ~。それで、どういう意味なんです?」
「屋外でそういう、性的な行為に及ぶことかな…」
なるほど。
千百合さんがうちらをからかって言ったのにも納得がいく。
「屋外での性行為ですか。分かりました」
うちは冷静に受け止めた…と見せかけて、うちの顔は真っ赤に染まる。
そんな破廉恥なマネは絶対にしないから!
千百合さんのバカ!
アホ!!
馬に蹴られて何とやら!!
うちは思いつく限りの悪口を心の中で叫んでいた。
クールダウンすると、省吾くんの方に顔を向ける。
「その…、省吾くんは、いつかうちと、そういうことをしたいんですよね?」
「えっ、青姦を?!」
「やっ、違う…。普通の性行為です!」
「ああ、セックスね」
沈黙する省吾くん。
黙り込むのはズルいです。
うちは真剣に訊いてるんです。
うちだって心の準備があるわけで…。
とは言えなかった。
だってうちらはまだ、高校一年生なんですよ?
恋愛だってまだお子様なのに、そういうことを望むのは、ただの男子の性欲ですっ!
「僕は海さんのことを大事にしたいかな?」
省吾くんはそう言ってくれた。
うちのことを大事に…。
それはとても嬉しい。
「でも遊園地デートの時、うちのお胸を触りましたよね?」
「あっ、それは…」
うちは意地悪なことを訊いてしまたのかもしれない。
そんなつもりで訊いたんじゃないんですよ?
「あれは…確かに性欲だったかも…。ゴメン」
省吾くんも男の子だったんですよね?
うちは複雑な気持ちになった。
うちが悪いのか、それとも省吾くんに非があるのか。
うちはまだ、恋というものが何なのか、分からないのかもしれない。
それは省吾くんも同じだろう。
うちは省吾くんの前に来た。
そして背を伸ばして省吾くんと優しく唇を重ねる。
これは二度目のキスだ。
鳥の鳴き声がその場に響き渡った。
しばらく時間が経つと、うちは省吾くんから離れて、クルリと回る。
背中を向けたうちは、省吾くんに言った。
「アオカンは絶対に無理ですけど、キスならOKですよっ!」
ちょっとうちは、積極的過ぎたかな?
でも今は、これで満足してくださいね。
うちは省吾くんの性欲を抑えるために、率先してキスをしたのだ。
でも逆に、省吾くんの性欲に火をつけてしまったことを、うちは分かってなかった。
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