その(悪役)令嬢、ヒロインルートにつき
薄いレースのカーテンが付いた、純白の天蓋付きベッド。
自らの肖像画が飾られ、華美な印象の調度品が数多置かれた、豪奢かつ広々とした部屋。
その部屋に住むのは、アリサ・レア=プルム・フォッテ。
言わずと知れた悪役令嬢である――。
「……待って。誰?」
私、アリサなんて知らない。
部屋と同じく豪奢なデザインのドレッサーを覗いた令嬢――アリサは、少女と大人の狭間にある美しい顔を見つめながら呟いた。
アリサ・レア=プルム・フォッテ、十八歳。
淡い金髪に薄いブルーの瞳を持つ、フォッテ侯爵の一人娘――。
少なくとも、外見はそういうことになっている。
だが、その中身は違っていた。
――新島冴子、十八歳。
名前の通り『冴えない子』の、地味で平凡な女子高生――だったはずの長女。
それなのに、新島冴子を構成する要素は、もはやどこにも残っていない。
ありふれた黒目黒髪も、地味な印象を受ける顔立ちも、声も。
「私は新島冴子である」という確たる記憶さえ残っていなければ、別人になった夢を見ていたのだと勘違いしていてもおかしくないほどの変貌ぶりだった。
「え、何、どういうこと? アリサ? ……私、アリサなの?」
今日発売される予定の乙女ゲーム『アリス -暁の交響曲-』に登場するっていう、あの悪役令嬢の? ――信じられない。何かの間違いじゃないの?
そう思っても、鏡に映る美しい顔は一切変化しなかった。それどころか「そっちの記憶が間違いなのよ」と言わんばかりの美貌を湛えて冴子を見つめ返している。
「わ!」
困惑するアリサ――身体がアリサのものである以上、便宜上はアリサである――を他所に、遠く離れた位置にあるドアからノックの音が聞こえた。誰か来たようだ。
(どうしよう……!)
私はアリサであってアリサじゃない。だからアリサの知り合いと話をする展開は避けたい。
でも、このまま返事をしないでいたら怪しまれるような――。
「――アリサ様?」
「はいっ!」
ドアの向こうから困惑するような呼び声が聞こえて、つい返事をしてしまった。アリサでもないのに。
(なんで返事しちゃうの!?)
後悔先に立たずとはまさにこのことだ。
アリサは「あああ」と令嬢らしからぬ呻き声をもらしたが、返事をしてしまった以上、ひとまずアリサとして振る舞うしかない。アリサのことは殆ど知らないけれど……。
こほん、と令嬢らしく咳払いしたアリサは、ドレッサーの椅子に腰掛けると出来る限り優雅に見えるようなポーズを取りながら「どうぞ」と答えた。
「失礼いたします」
程なくして、一人の女性がアリサの部屋に入室した。歳はアリサより少し上くらいだろうか。彼女は笑みを湛えて一礼したが、緑の瞳は笑っていなかった。
「おはようございます、アリサお嬢様。本日も大変麗しゅうございます」
「…………」
そう言って、彼女――深いグリーンと白を基調としたロングのメイド服を着た彼女は、表面的な笑みを湛えたままアリサを褒め称えた。大変麗しい、と。
(……まあ、確かに麗しいかもね)
細いウエストの辺りまで伸ばした淡い金髪は毛先にかけて緩いウェーブが掛かっているし、少し大人びた顔立ちの中にあどけなさを残した顔は真実美しく、指なんて白魚のようだ。新島冴子とは比べ物にならない美貌の持ち主であることは間違いない。
だけど――。
(寝起きなんだけど)
今のアリサは、髪も整えていない寝起き状態だ。綺麗で豪華な白いネグリジェを着ているけれど、麗しいと褒め称えるような姿ではない。
だが、まあ、フォッテ家に仕える者としての定型文のようなもので、所謂お世辞なのだろう。目は笑っていないのだし。
そう考えたアリサは、乱れた髪を手で整えながら笑みを湛え、答えた。「ありがとう、サーラ。貴方も綺麗よ」と。
「…………。あれ?」
私、どうしてメイドさんの名前を知ってるんだろう。
小首を傾けながら、アリサは思惟を巡らせる。
一方、アリサに声を掛けられたメイド――サーラは、緑の瞳に隠し切れない驚愕を滲ませていた。
「――ありがとうございます。アリサお嬢様のようにお美しい御方からお褒めいただき、サーラ・エビナ、光栄の至りでございます」
それから数秒の間を置いて、深々と一礼したサーラはメイドに相応しい礼を述べた。控えめながらも整った顔には、先程までと変わらない笑みが浮かんでいる。
「朝食の準備が整っておりますので、食堂までお出でくださいませ」
「分かったわ。どうもありがとう」
「……勿体ないお言葉です。それでは、失礼いたします」
入室した際と同じように一礼し、サーラはアリサの部屋をあとにする。アリサが見た限りではアリサのことを訝しむ様子もなかったし、どうやら上手く振るまえたようだ。
「……疲れたぁ……」
心からのため息を吐きながら、アリサはドレッサーに突っ伏した。
――アリサ・レア=プルム・フォッテ、十八歳、麗しき悪役令嬢。
だが、机に突っ伏すその姿はお世辞にも令嬢とは言い難く、ましてや悪役令嬢でもなかった。
▽▲
――アリサ・レア=プルム・フォッテ。
乙女ゲーム『アリス -暁の交響曲-』に登場する令嬢で、特定のルートでヒロインの恋路を邪魔する女性キャラクター。十八歳。一人称は「私」。
毛先にかけて緩いウェーブが掛かった淡い金髪と薄いブルーの瞳を持ち、少女と大人の女性の狭間にある顔立ちは非常に整っているが、その性格は高慢かつ冷血で、身寄りもなく平民出身であるヒロイン・アリスのことも見下している。
「……バリバリの悪役令嬢じゃん……」
最悪な女じゃん……!
まるでゲームの説明書を読んでいるかのように脳に直接与えられた情報に、冴子・イン・アリサは悲痛に満ちた呻き声を上げながら、ベッドに横たわった。
朝目が覚めたら、今日発売予定の乙女ゲーム『アリス -暁の交響曲-』に登場するアリサ・レア=プルム・フォッテとして架空の世界に存在していた――。
悲惨かつ突拍子のない現実に放り出されてから約二十分。新島冴子ことアリサは、突如与えられた自分の情報に大いに嘆いていた。
もしこれが夢でなければ、今後、新島冴子は乙女ゲーの悪役令嬢として生きていくことになる――。
そう悟った途端、頭の中に直接情報が流れ込んできたのだ。
そのうちの一つこそが、フォッテ家の令嬢――アリサ・レア=プルム・フォッテについてだった。
今、冴子の頭の中にはアリサとしての情報があった。ただしそれはゲームの説明書に書かれてあるような簡略情報で、詳細ではない。
だが、冴子にとってはそれで十分だった。――アリサという同い年の女の子が、今をときめく『悪役令嬢』キャラクターであることが確定した為だ。
そして、冴子が嘆いているのも、アリサが『悪役令嬢』である為だった。
恋愛系作品における悪役令嬢というのは『ヒロインを敵対視し邪魔をする敵役』だ。とどのつまり、嫌われ者だ。「こんな奴消えればいいのに」と思われる嫌われ者。だからこそ、悪役令嬢は必ずと言って良いほど破滅する。
そして、アリサ・レア=プルム・フォッテは、悪役令嬢と公式に定義されたキャラクターだ。
――それはつまり、アリサ・レア=プルム・フォッテとして生きることになってしまった冴子も、巻き込まれる形で破滅するということに他ならない。
(絶対破滅する…………)
事情は分からないにしろ、悪役令嬢として生まれたアリサになってしまったのだ。そう遠くない未来、破滅することは避けられない。破滅不可避だ。
しかし、一体どういう破滅の仕方をするのだろう。ヒロインの邪魔をした罪で警察か何かに捕まるのだろうか。それとも病にでも罹るのだろうか。乙女ゲームの世界だから、まさか処刑されることはないだろうが……。
(……破滅するのは嫌)
現実世界に生きる新島冴子は、容姿端麗でも成績優秀でもなかったけれど、地味系女子高生としてそれなりに真面目に生きてきた。疎まれたり浮いたりしないように、学校では毎日人の顔色を窺い、一般ウケしなさそうな趣味もひた隠して、静かに生きてきた。それなのに、どうして。
「…………決めた」
もう怯えるのは嫌だ。
誰かの顔色を窺い続けて生きるのは嫌だ。
「私、決めたわ」
いつか破滅するかもしれない。
最悪のラストが待ち受けているかもしれない。
それでも、いつか訪れる破滅に怯え、指折り数えながら生きていくのは御免だ。
どうせ破滅するのなら、笑って最期を迎えられるような悔いのない生き方を――。
だから、私は――新島冴子は、この世界で自分がしたいことをして生きていく。
悪役令嬢のアリサ・レア=プルム・フォッテとして。
▽▲
「おはようございます、お父様」
フォッテ邸一階・食堂。
整った顔立ちに満面の笑みを浮かべたアリサは、長テーブルの正面右側に腰掛けるナイスミドルなお父様――アードルフ・オッツォ・フォッテに向かって、にこりと微笑みかけながら朝の挨拶を交わした。
いつか悪役令嬢として破滅するなら、せめて悔いのない生き方を――。
そう決意した冴子ことアリサは、元・女子高校生なりに身だしなみを整え、自室クローゼットに入っていた青いドレス風ワンピースとパンプスを身に着けて、一階に降りてきた。朝食を取る為ではなく、アリサの父親であるアードルフに「生き方を変えたい」と告げる為に。
「アードルフは食堂にいる」と、道中すれ違ったメイド・ヘッラから情報を得たアリサは、何度も練習した『令嬢らしい微笑』を美しい顔に湛え、食堂へと赴いた。そして今、冴子にとっては初めて会う〝お父様〟との対面を果たしている。
「ああ。おはよう、アリサ」
食事の手を止め、アードルフは青い目を細める。愛する一人娘の心が別人と入れ替わっていようとは微塵も思っていないようだった。
(なんか悪いことしてるみたいで申し訳ないけど……でも、侯爵令嬢ごっこは上手くいってるみたい)
安堵の息が出そうになるのを何とか堪えて、アリサは微笑み続ける。
いつか破滅するのなら『悔いのない生き方をする令嬢』になりたいと異様な現状を受け入れた冴子だったが、一般市民であり高校生の新島冴子が侯爵家の令嬢として振る舞えるかどうかは不安だった。
しかし、アードルフの受け答えを見ている限り、冴子が想像する『侯爵令嬢』と、彼が知る『アリサ』のイメージは、そこまでかけ離れていないようだった。それもこれもすべて冴子の愛読書『お嬢様探偵・芥子菜玲子シリーズ』のおかげだ。もしも元の世界に戻れるようなことがあったら、これまで出しそびれていたファンレターを送らなければならない。「先生のおかげで救われた命があります」と――。
内心そんなことを考えながら、アリサは仮の〝お父様〟の情報を頭の中に思い浮かべた。
――アードルフ・オッツォ・フォッテ。
乙女ゲーム『アリス -暁の交響曲-』に登場するアリサの父親。侯爵位を持つ四十五歳。アリサには「お父様」と呼ばれている。一人称は「私」。
アリサよりも僅かに色の濃い金髪と薄いブルーの瞳を持つ、容姿端麗のナイスミドル。比較的穏やかな性格ながら、やり遂げると決めたことはやり通す意思と力の持ち主。一人娘であるアリサを溺愛している。また、最近老眼が始まったこともあり、密かに老いを気にしている――。
『アリス -暁の交響曲-』について何も知らないはずの冴子がアリサの情報やメイドの名前を知ることが出来たように、アードルフの情報も脳内参照可能となっていた。どういう仕組みかは分からないが、この世界に迷い込んでしまったアリサをサポートする気持ちはあるようだ。――それなら何故悪役令嬢になどしたのか、という疑問はあるけれど。
「――頭の具合はもう良いのかい」
「え?」
アードルフの情報を確認している最中、何の前触れもなく尋ねられ、アリサは首を傾げた。――待って、そんな話聞いてない!
「ほら、昨日階段から落ちてぶつけただろう。医者は何ともないと言っていたけれど、やっぱり心配だったんだよ」
「あ、ああ……昨日のあれね!」今思い出した、と言いたげに答えたアリサは申し訳なさそうに目を伏せた。「ちょっと痛かったけど――けれど、すぐに治ったのよ。それですっかり忘れてたの。ごめんなさい、心配掛けて」
「そうか。それならいいんだ」
歳を重ねても尚端正な顔立ちに安堵を浮かべたアードルフは、グラスに入っていた水らしきものを口にすると青い目を細めた。一人娘が愛しくて堪らないと言わんばかりに。
(……ごめんなさい)
こんなに優しい父親を騙していると思うと心が痛んだが、いくら心を痛めたところで元に戻れるわけでもない。せめて本当の父親のように接しよう――。人知れず決意を固めたアリサに、アードルフは優しく声を掛けた。
「さあ、アリサも食べなさい。今朝はアリサが好きなクロワッサンとフランもあるからね」
「まあ、それは嬉しいわ」
悪役令嬢の父親とは思えぬほど素晴らしい父親に、令嬢らしく相槌を打ちながら、アリサは考える。――フランって何だろう?
それに、自分の席はどこだろう。食堂にある席はアードルフの分も合わせて三つで、空席はアードルフの右側にあたる一席と、手前側にある一席だ。普通に考えればアードルフの隣には妻であるヴィルヴァが座るだろうし、アリサの席は恐らくは手前側だろうが、確信が持てない。頭の中に直接与えられる情報も、さすがに食堂での席までは教えてくれないようだ。
内心困っていると、アリサを起こしにきたメイド――サーラが、手前側の椅子を引いた。成程、令嬢というものは自分で椅子を引くようなことはしないらしい。
「どうもありがとう」
笑みを湛えたまま礼を言うと、向かい側に座るアードルフが目を丸くした。何か変なことを言っただろうか。
「どうかした――なさったの?」
「いや……とても良いことだと思ってね」
うんうん、と一人頷いたアードルフはにこにこしながら食事に戻った。理由は分からないが、ご機嫌だ。
「あの……お父様。私、お父様にお話ししたいことがあるの」
「なんだい?」
席に着き、サーラにセッティングされるまま食事の提供を待っていたアリサは、意を決して切り出した。
お父様は私に甘いから大丈夫――。まるで本当の娘であるかのような自己暗示をかけて、アードルフに向き合う。
「私ね、えっと、これまでと違った生き方をしてみたいの。許していただける?」
「違った生き方? ……まさか『心に決めた人が出来た』なんて言うんじゃないだろうね?」
スープを飲む為、スプーンに手を伸ばしかけていたアードルフは、形の良い眉を顰めて尋ねた。アリサと同じ色の瞳には不安が滲み出ている。
「あ、ううん……いえ、違うのよ。そういうことじゃないの」目に見えて安堵したお父様に、小さく手を振ったアリサは言葉を続ける。「実は私、物語を書くことに興味があって……真面目に取り組んでみたいの。それでね、少し自由な時間が欲しいと思っているのだけれど……」
「物語を? それは……驚いたな。どういう気持ちの変化なのか、お父様に教えておくれ」
「えっと……」
気持ちの変化も何も、ただの趣味だ。――ただしアリサのではなく、新島冴子の。
新島冴子の趣味は、物語を書くこと。格好良く言えば、執筆作業だ。幼い頃から頭の中で物語を作るのが大好きで、中学校に上がった頃には、オリジナルの物語をお気に入りのノートにしたためるようになっていた。
だが、元居た世界では、その趣味をひた隠しにしていた。「暗い」「オタクっぽい」と言われることを恐れてのことだ。
だからこそ、この世界では人目を気にせず堂々と活動したい――。そう考えての申し出だった。
しかし、それはあくまで『新島冴子』の心の変化であって『アリサ・レア=プルム・フォッテ』の心の変化ではない。アードルフに対する説明としては不十分だから、それらしい理由を考えなければならないだろう。しかも大至急で。
アリサらしい理由。意地悪な悪役令嬢が執筆活動を始める理由。そんなものはあるのだろうか。
(……大丈夫、私が新しい『アリサ』を作ればいいんだから)
黙り込んだアリサは言葉を選んでいるような仕草をして見せ、やがて、口を開いた。
「昨日、階段から落ちて休んでいたでしょう。その時に考えていたのよ。――昨日は大怪我せずに済んだけれど、人生何が起こるか分からない。重大な何かが起こったあとに後悔したくないから、今まで挑戦しようと思いながらしなかったことに向き合ってみたいって、そう思うようになったの」
「……そうか……」
アリサの説明を聞き、アードルフはしみじみとした様子で頷いた。どうやら納得してもらえるような説明が出来たらしい。
(良かった……)
咄嗟のことで他に適切な〝設定〟が思い浮かばず、やむなく自分の身に起こった出来事を織り交ぜたが、それがかえって功を奏したようだ。今後もこの調子で『アリサ』というキャラクターを作っていけば良いのなら、侯爵令嬢として振る舞うのも案外上手くやれるかもしれない――。
「読書もあまり好まなかったアリサが、物語を……」
「…………。えっ」
待って、アリサって読書嫌いなの!?
感極まったのか涙ぐんでいるお父様を前に、アリサは唖然とした。勝手な想像で〝設定〟を作ってしまったのは確かだが、まさか悪役令嬢が読書嫌いだなんて想像もしなかった。冴子の中の悪役令嬢は、たとえ意地悪であっても勉強が出来て読書も好きな文系女子だったからだ。
そんな子が急に執筆活動なんておかしいじゃない。それなら初めから脳内注入説明書に書いておいてよ――! 誰とも知れない相手に内心烈火の如く怒っていたアリサだったが、アードルフはアリサが怒っていることにも気付かない様子で「素晴らしいじゃないか」と言葉を続けた。
「何かに挑戦する姿勢はとても大事なことだからね。私も出来る限りのサポートをするから、頑張ってみなさい」
「…………ありがとう?」
まさか、こんな穴だらけの設定でも応援してもらえるなんて……。
〝お父様〟が娘に甘いのか、それとも〝お父様〟の知るアリサが余程の読書嫌いなのか。事実の程は分からないが、応援してもらえるだけ良しとすべきだろう。――オリジナルのアリサがどれほど酷い令嬢だったかについては、あまり考えたくないのだし。
「ありがとうございます、お父様。きっと素晴らしい物語を書いてみせますわ」
満面の笑みを浮かべた冴子・イン・アリサは、アードルフに向き合うと改めて礼を述べた。嬉しそうな娘の姿に、鷹揚に頷いたアードルフも満足げな笑みを浮かべる。
こうしてアリサの生き方改革は瞬く間に成功し、晴れやかな気分で朝食を取ることになったのだ。
「アリサお嬢様、お待たせいたしました。フランです」
「わーっ、凄くおいしそう! …………あ」
お読みくださりありがとうございます。続きを読んでみたいと思われましたら、評価やブクマ・感想などいただけると嬉しいです。(攻略対象に一切興味のない元・悪役令嬢ヒロインものになります)