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第一話「夜のカバディは次の日がつらい・・前篇

注意、この物語はフィクションです。

20XX年日本、世は青春戦国時代・・・

 深まる男女交際の制限、何事にも無関心な若者の増加によって青春と呼べるものが希少となってしまった。街中には、なんのおもしろみもない男子校、女子高が並び立ち・・。冷めた生徒たちが何の変化もない日常を送り希少な高校生でいられる時間を浪費していった。

この物語は・・・・

そんな時代に立ち向かった一人の男子高校生の物語で

ある。




ピキョーピキョー

雀がないている。清々しい春の朝だ。


「おくれる、おくれる~」


 そんな朝から一人の高校生がすさまじいスピードで通りをゆく。


やぁみんな、僕の名前は八野 パちえ。髪の色オレンジ、瞳の色グレー。私立サボタージュポメラニアン学園に通う普通の高校生さ!!

昨日の夜に遅くまでカバディの自主練をしていたら、まぁ疲れが抜けなかったんだろうね・・・この通り寝坊して遅刻寸前さぁ。


そんな自己紹介兼、状況説明をしながら愛車の超高速型リバースディメンション式三輪車を爆漕ぎする。

登校完了時刻は刻一刻と迫っていた。

急ぐパちえは、さらに速度を上げコーナーへ突っ込む。

ギャリギャリギャリィっ 軋む

車体を滑らせながらコーナーを曲がる・・・

完璧なドリフトだ、これでタイムは0.5秒は縮まった。


「いける・・・」


いけなかった。

ドスンメリメリィ、ボキョっ

嫌な音がした。そう、何かとぶつかったのだ。

よくない予感がする。

恐る恐る後ろを振り返ると・・・人だ。人が倒れている。

黒髪ロングさんが倒れてる。

僕は三輪車で人を轢いてしまったのだ・・・

ああああああああああああああああああああああああああぁぁぁっ

ボクハサンリンシャデ、ヒトヲヒイテシマッタ・・・

しかも、よくみると自分と同じ校章をつけている・・・おわった、僕の学園生活はこれで終わりだ、あんなことや、こんなこともしたっかたのに何もできないままオワオワリ。

轢いてしまった黒髪ロングさんの様子をうかがうしかない。

しかし、轢いた時の効果音的に重傷なのは間違いなさそうだ。だって、ドスンメリメリィ、ボキョっだもん。もうだめやん、確実に骨おれとるやん。


「いたた・・・」

被害者が起き上がる。意外と軽傷なのか?

ン・・・?

頭に・・何か刺さっている。

発見と同時に思わず叫びが漏れた。


「うわわわわわっわぁ、頭にぃ人参が刺さってるぅぅぅぅ」


やっちまった、これはもうだめだ。学園生活どころの話ではない。きっと僕はこれからずっと償いをしていくんだ。三輪車で人の頭に人参を刺してしまった償いをしていくんだ。

雨の日も晴れの日も、雪の日だって人参の世話をしてくらしていくんだ。


「君大丈夫か?その・・・なんというか頭・・・」恐る恐る声をかけてみる。


「頭が大丈夫か?とな?つっこんできておいて謝罪の言葉もなしに喧嘩をうっとるのか?貴様は?」


そうじゃない・・・そうじゃないんだ・・・


「違うんだ・・・どうか驚かないで聞いてくれ、君の頭には人参が刺さってしまっている」

きょとんとした顔でこちらを見てくる・・・当然か。

「こんなことになってとてもびっくr・」

言葉を遮るように相手が口を開いた。


「いや、これは刺さってしまったのではなくて、刺しているのじゃが・・」


「えええええぇぇぇぇぇ???」


「って貴様っ、わしの人参に傷がついておるではないか。どうしてくれるのだっ」


「えっ、人参?なにこれ、パちえよくわかんない・・・」


「であろうな・・・庶民にはわかるまいこの高貴なるセンスはなぁ!!」とドヤ顔をする。


「ふぇ~~~、最近の金持ちは頭に人参をさすのかぁ・・・・ふぇぇぇ~・・・・・・・・・・・・・・ってなわけあるかぁぁっ。そんなわけないよっ、だってみたことないもん、パちえ見たことないもん。うそじゃないもんっ。ほんとだもん。」


「とりみだすでない、パちえとやら。どれ。貴様にもひとつつけてやろう」

というと、自分のバッグをあさりはじめた。


「君大丈夫か?その・・・なんというか頭・・・」 今度は頭がおかしいんじゃないかという意味で言ってみる。しかし、僕のことを無視してこの頭のおかしい、人参野郎はバッグをあさりつづける。


「うーむ、これなんてどうかのう?」 そういうと、何やら赤い短い人参を取り出した。


ちがう・・・

あれは人参じゃない。

ラディッシュだ・・・


「根菜ならなんでもいいのかよぉぉぉぉ」

鋭い視線で睨まれる

「なんでもいいわけあるかぁ阿呆、大根なんて刺したらしんでしまうじゃろう。」


「ラディッシュでも僕は死にますぅぅ。」


「よいからつけてみろ。わしを轢いたことをだまっておいてやるから。のぅ?」


「う、うぐっ、ヤメロゥゥぁぁ」 


「ホレ、ホレぇ」ずいっとせまってくる。


必死に抵抗するが思いのほか相手の力が強い。

頭にじわじわとと迫るラディッシュ、やばい・・・もうダメか、と思ったその時だった。


ボキャっ

ラディッシュが砕けてしまった。

「「あああぁぁぁぁぁぁっ」」


「どうしてくれるのじゃ、パちえとやら。ワシのラディッシュが砕けてしまったではないか。」


「た、助かったぁ」


「くっ、かくなる上は・・・」


また、バッグを漁り始める。

そして、大根を取り出した。


「コレを刺すのじゃあ」


???

「さっき大根は刺したら死ぬっていってませんでしたかァァァァァ?」


「いったかの?」


「言いましたぁぁ、パちえ聞いたもん、嘘じゃないもん、ホントだもん」


「まぁ、ワシのような小顔でキュートな者なら死んでしまうかも知れんが、貴様のようなデカ顔、爆笑ヘンテコフェイスなら大丈夫じゃろ」


「なわけあるかぁぁ、ラディッシュでも死ぬって言ったよね?聞いてなかったんでちゅか?頭ん中に脳みその代わりに泥でも入ってるんでちゅか?あぁ、わかったぁ、人参に頭がやられてのかぁ。」


デカ顔爆笑ヘンテコフェイスと言われ、頭にきた僕は思わず煽り返す。


「あぁん?なんじゃと?人参のことを悪く言ったな、貴様」


「人参のことは悪く言ってませんー。キミの頭のことを悪くいったんですぅ」


「うるさい、うざい、うざいのじゃぁぁぁ、貴様だって髪の色、人参食ったカタツムリのうんこ色じゃろう。ばーか、ばーか」


「なにぃ?わざわざ人参色といわずに人参食ったカタツムリのうんこ色だと?じゃあお前の黒髪は炭水化物食ったおっさんのうんこ色だ、ばーか」


「ぐぬぬ、むきぃぃぃぃ」

頭に血が上ったのか、大根片手に飛びかかってくる。完璧無敵超人のパちえでも、この至近距離ではよけられそうにはない。


ドゴォっ

いやああああああああああああぁぁぁぁ



朝の街に断末魔が響きわたる。

今日は散々な1日になりそうだ。




これが、町で一二を争う変わり者。人参殿こと 八城 たけとの・・・

僕の高校生活における一番の親友との最初の出会いだった。



ちなみに、学校にはもちろん遅刻した。



第一話「夜のカバディは次の日がつらい・・前篇」完





初めての投稿なのでいろいろといたらぬところはありますが、大目に見てほしい・・・

きつい批評まってます。

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