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超能力学園へようこそ!  作者: ザトウクジラ
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ブラックホールとホワイトホール

久しぶりです。お待たせしました。

サボってたわけではないです。

零乃と憐の戦いの内容を考えてました。

能力を応用して戦うようにしたかったのでかなり難しかったです。

カオルvsカルヤの時はお互いに能力自体には攻撃力がありませんでしたが、今回は一方にだけ攻撃力があったので応用させるのが難しかったです。

 ~西の噴水広場~

 カオルとカルヤの戦いの後、ここにはアウトローのメンバーが集まっていた。

「今までが3000で~ここにいる人が500ぐらいだから~合わせて3500か~まだまだ足りないな~」

 今そこに一つの人影が近付く。それに気付いた五人のメンバーが立ちはだかる。

「お前は誰だ!」

「答える必要は無いよ~」

 次の瞬間、虹色に輝く翼がまず二人を包み込み、飲み込んだ。ほんの一瞬だった。

 人間の目には映らないスピード、その光の残像のみがかろうじて見える。

「何が起こった⁉」

 驚いている間に、後ろに回り込んでいた人影が頭以外を飲み込む。

「俺⁉体が⁉体が無い⁉」

 虹色の翼は恐怖と驚愕の声ごと、残された頭も飲み込んだ。

 そして正面の人影は後ろの人影へ吸い込まれ、同化する。

「クソッ!これでも喰らえ!」

 残された二人は手に持っている鈍器を叩き込む。しかしソレが触れた瞬間、人影は微粒子レベルでバラバラになり、攻撃は空を切った。二人は背中合わせになり警戒する。

「体を変化させる能力は必ず再構成が必要だ!そこを突け!」

「って…思ってるでしょ~?」

 声のした方、後ろを向くともう一人がいるはずの場所にその人影があった。

「まさか…体内で…」

「正解~!よく分かったね~もちろん~飲み込んだよ~」

「このっ…」

 最後の一人は握りこぶしを作り殴りかかるが、その動きは突然何かに阻まれる。

「あんまり動かないでよ~『加圧(ブラックスター)』でロックしなくちゃならないじゃ~ん」

「ブラックスター?まさかお前!」

「そうだよ~今年から生徒会に入った月夜己筑紫だよ~」

「やっぱり…生徒会は平気で人殺しをする!腐ってやがる!」

「人を殺したのは私だけだよ~それに~厳密に言ったら私も殺してないよ~」

「じゃあどうしたって言うんだ?」

「そうだな~融合…一つになったかな~?私の望みは~全部一つの世界~存在が一つ以下に減れば~いがみ合いもなにも無くなると思うの~」

「くだらねぇ…」

「ん?今なんて言った…?」

「くだらねえって言ったんだよ!そんな偽りの平和!」

 その言葉を聞いたときつくしの中で何かが切れた。自分の平和を否定することは絶対に許せない。

「そんなくだらねぇ平和に何か付き合ってられるかよ!」

 平静かつ挑発的な態度をとってきたつくしの表情はもう冷静の面影も無い。

「そう…なら…崩れ去れ!」

 ブラックスターによって脆くなった肉体。咆哮にも近い怒声によってそれは崩れ落ちる。

「ハァ…ハァ…フフフ…またやっちゃったな~」

 その後、アウトローのメンバーのほとんどが姿を消したという。

 ~高校校舎 東渡り廊下~

 零乃と憐が激突してからまだ3分しか経っていないがすでに渡り廊下は原形をとどめていない。

 零乃の右手が憐の顔をかする。その腕を掴み地面へ叩きつけるが、廊下をえぐりながら姿勢を立て直す。

「能力を使わなくてもその格闘能力。ヒーローズのリーダーというだけあるわね…」

「能力を最大限に利用した徒手格闘。厄介な相手だな…だけどッ!」

 憐が左手の手の平を突き出す。

 その瞬間、巨大な衝撃波が零乃を貫いた。

 不幸中の幸い、実弾ではなく衝撃波だったため大きな外傷は無かったが、肋骨が数本折れてしまった。

「掌底?だけど触れずに威力が伝わる技なんてあるはずが…」

「もちろん徒手拳法の技じゃぁない。能力の応用だ。俺はこれを空圧砲プレッシャーキャノンと呼んでいる。」

「名前から察したわ。要するに手の中の空気を増やし、それを一気に開放することによって巨大な衝撃波を放つ。予備動作が短かったからさっきのが最高威力ってわけじゃないようね…」

「必殺技は出し惜しむのが定石だからな。」

 憐は次々と空圧砲を放ち、零乃はそれを回避する。

 しかし渡り廊下という限られた空間、しかも原形をとどめていない。

 こんな不安定な場所で全ての攻撃を避けることは不可能に近い。

 着地の時にバランスを崩してしまう。その瞬間を憐は見逃さなかった。

空圧砲プレッシャーキャノンッ!」

 その衝撃波は零乃の肩を貫き、渡り廊下を粉砕した。

 衝撃波で吹き飛ばされた零乃は、地面に倒れ込む。

「うっ…左腕が…」

(あの衝撃波…いったいどうやって防げば…空気弾なら能力で消滅できるのに…消滅…無…もしかして…)

 倒れた零乃に憐が近づく。

「これで…終わりだ!」

 憐は胸の前で拳を近づけ、その間に大量の空気を圧縮する。

「圧縮する空気は100kgだ。この大量の空気が生み出す破壊力。防げるか?」

 拳の間の空間が歪んで見えるほどに空気が圧縮される。

 そして…

「メガ・プレッシャーキャノンッ!」

 八勁(はっけい)を思わせる動きによって空気の弾は押し出され、その力を開放する。

 目視できるほどの大気のうねり、逆にそれが零乃にチャンスを呼んだ。

破壊(デリート)!」

 零乃は手を一瞬で振りぬき、空気を能力で消滅させる。

 それによって軌道上に真空空間が発生し、衝撃波は消滅した。

「何ッ⁉」

「あなたの能力は増やす、要するに生成する能力。そして私の能力は破壊する能力。私たちの能力は対になっていたわけね。いえ。0から1を作れない分あなたの方が劣ってると考えるべきかしら?」

「馬鹿に…するなッ!」

 憐はすぐに空圧砲の第二波を放とうとする。

 その瞬間、憐の背中を大きな力が押した。いや、厳密に言うと零乃の方向に引き付けられたのだ。

「これは…一体何が起こってるんだ?」

 その力は凄まじく、人間の力では全く抵抗できない。

「大気圧っていうのは内部が真空であれば鋼鉄のタンクだって押し潰すのよ?私は手の中の空気を断続的に消している。要するに真空空間を作り出しているの。もう分かったかしら?」

「宇宙空間で船体に穴が開くと外に吸い出されるのと同じ原理か…正にブラックホールだ…」

 負けを確信した憐は足の力を抜き、引力に逆らうことをやめた。

「正義は強き者にあり…か…」

「シュヴァルツ・ゼルストルン!」

 引き寄せられる憐の体を零乃の拳が貫く。

 飛び散る血飛沫、赤い雨の中零乃が憐に言葉をかける。

「強さは優しき者にあり…真頭(マトウ)晴乃(ハルノ)…あなたが悪と呼んだ前会長の口癖よ…」

 ~生徒会室~

「フフフ…どうしました?あなたの言う最強の能力とはその程度の物ですか?」

「馬鹿にして…調子に乗るな…」

 今、真木は生まれて初めて屈辱的な体験をしている。

 自分が強く有れる理由、今まで誰にも負けたことの無い最強の能力『英霊(スピリッツ)』。

 誇りであるこの能力が全く通用しない。それが何よりも屈辱だった。

「さぁ!本当の戦いはこれからですよ?」

「『閃光(グローリー)』ッ!」

 青白い熱線が校舎を両断する。

 しかし禅は熱線が放たれる前からその攻撃を回避していた。

「無駄なんですよ…あなたが時間軸の上に立っている以上、私には勝てませんよ。」

 真木は声のする方に振り向いたが、振り向き終わる前に突き飛ばされてしまう。いや、突き飛ばされてから声がした。

「『世界(ループ)』…時間…まさか…」

「そろそろ分かったのではないでしょうか?そうです。私の能力『世界(ループ)』の正体は時間を逆行する能力。」

考えてみたら本編での時間軸としてはまだ二日目なんですよね…

夏休み編とかやるのは一体どの位先になるんだろう…

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