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超能力学園へようこそ!  作者: ザトウクジラ
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戦いの火蓋が切られた

番外編を挟むと言ったな…アレは嘘だ。本当はネタが思いついたが投稿直前「これはかなり重要な伏線じゃないか?」と思い全部消して一から書き直した。

遅れてすいません。

 シンヤが地下に潜ったころ、地上は今すぐに戦争が始まってもおかしくない状況だった。

 ~西の噴水広場~

 まるで不良のような見た目をした生徒たちの前に一人のメイドが立ちはだかる。

「メイドさんが俺たちに何の用だァ?」

「この戦争は仕組まれたものです。と言っても信じないでしょうからこの拳で教えに来ました。アウトローの皆さん。」

 アウトロー。反逆組織の一つで、自由のための組織。

 生徒会の支配に不満と疑問を抱いた生徒たちが集まって出来た組織である。

 組織はかなり巨大な方で、殆どの不良グループはここの傘下か派生のどちらかである。

 ただどちらかと言うと少数精鋭な面もあり、常人よりずば抜けて戦闘向きの能力を持っているのはリーダーの入矢イリヤ軽也カルヤぐらいだ。

「へぇ~そんな感じのセリフを言って一番最後に見かけたのが病院だったってやつをたくさん見てきたぜ?」

「私はそうやって大口たたいて最後に見たのが火葬場だった人を沢山見てきましたよ?」

「てめぇ………ケンカ売ってんのか?」

「ご想像にお任せします。」

 カオルの挑発的なセリフに下っ端がシビレを切らし、武器を振りかぶって飛びかかった。

 それも数十人規模なので威圧が単独の時のそれとは桁違いだ。

「血祭りにあげてやる!」

 カオルに向かって走りだす不良たち。

 カオルは大量のナイフを地面に落とす。

 次の瞬間地面が砕けた。

 いや、厳密に言うと地面がある空間が割れたのだ。

 それによってできた穴の向こう側には不良たちが映る。

「なんだ⁉空気が割れた⁉」

 自由落下で加速したナイフは不良たちの目の前に現れ、その速度のまま一直線に突き進む。

 不良たちがガードするが、武器ごと空間が砕け、ナイフは心臓に突き刺さった。

「私はリーダーの入矢さんに用があってきました。ほかの人は黙っててください。」

「確かに…俺以外には手に負えないな…空間をぶち抜く能力…お前はステルスの世話係か?」

「イグザクトリィ.その通りでございます。」

「そうか…骨が折れそうだな!」

「全部へし折ってあげますよ。」

 ~高校校舎 東渡り廊下~

 赤い制服を着た一人の青年が生徒会長の行く手を阻む。

「これはこれは。生徒会長さんではないですか。」

「そういうあなたはヒーローズのリーダーさん。邪魔です。どいてください。」

 ヒーローズ。誇りのための組織。

 アウトローと同じく生徒会の支配に対し疑問を抱く生徒たちで構成された団体だが、決定的に違う点がある。

 それは、アウトローが自分たちのために戦うのに対して、ヒーローズは他人のために戦う組織だということだ。

 そのためか人数は極端に少なく、10人ほどしかいない。

 だからといって戦闘力が低いわけではなく、全員がかなり強力な能力を持っている。

 特にリーダーの飛鳥アスカレンの能力『複製ドッペル』は学園内でベストテンに入るほどの能力だ。

「この先に君が行ってもやるのは君臨支配だ。ヒーローとして、一人の人間としてそれを許すわけにはいかない。」

「それには私なりの信念があるの。それを邪魔する敵は例え生徒だとしても排除させてもらうわ。」

「悪の信念など盲信に過ぎない!」

「ッ……あなたにあの人の何が分かる!」

「あの人?ああ、前会長のことか。悪の根源など理解できてたまるか!お前も天国へ送ってやる!」

 レンは全力で回し蹴りを叩き込む。容赦はしなかった。

 抵抗はあったがヒーローとしての誇りが体を突き動かしたのだ。

 会長はそれを理解して、あえて避けなかった。

 こめかみに直撃しても全く痛がる素振りを見せない。

「残念だけど…私には地獄がお似合いよ。」

 ~生徒会室~

 調和と平静の象徴生徒会室。

 今ここで二人の生徒が対峙している。

 机側には真木が、入り口側には黒髪の男子生徒が立っていた。

「『世界ループ』…全く正体不明の能力…実際に体験して謎は更に深まるってところね…」

「それは何よりです。では、第二ラウンドといきましょう。」

 三つめの反逆組織『ノワールホール(黒い穴)』のリーダー、三途サンズゼンの能力『世界ループ』は謎が多く、本人以外に能力の内容を知る者はいないという。

「悪いけど、最終ラウンドとさせてもらうわ。」

「何度でも最終ラウンドはやってきますよ。」

 ~地下空間~

「で、一体何者なんだ?俺たちがこれから会いに行く奴って…」

「恐獣の中でも危険度MAXな怪物です。まぁ知能は高く、人間に近い価値観を持っていますけど。」

 俺は今地下空間の奥の方へ続く道を進んでいる。

「どんな奴なんだ?例えばこう…恐竜とか巨人とか何とか…」

「そうですね…クトゥルフ…ですかね?」

 ヤな予感しかしない。

「最初は人間とワニを足して二で割ったような見た目をしてたんですが、その次は海洋生物を混ぜたような見た目へと成長して、その後恐竜型へ変化し、最終的に今の姿へ落ち着きました。」

 芹音は分厚い鉄の扉を開けると、奥の方へと進んでいった。

「これが今の姿です。」

 闇の中に覗く禍々しい風貌。

 上下反転している三つの恐竜の首。

 甲殻類の甲羅で継ぎ接ぎされた貝殻状の胴体。

 全身から伸びるタコの足。

 そして地獄の底から響くような、重厚で壮大な咆哮は振動だけでも骨が砕けそうだ。

 その全ての要素がかつて人間だったことを忘れさせる。

「で、何の用があってこいつに会うんだ?」

「念のための最終手段を学ぶためですよ。」

「最終手段?」

「そうですね…実際に体験するとよくわかりますよ。試しに彼…主とでも呼びましょう。主を焼いてみてください。」

「軽く言うな!メチャクチャ怖ぇよ!」

「大丈夫です。同意は得ているので。」

「いいのか?手加減しないぞ?」

 俺は恐る恐る主の方を見る。

 俺の視線に気づいたのか主は目を合わせると口をニヤリと歪ませた。

 何こいつすげぇ人間臭いんだけど。

「じゃあ…いくぞ!」

 俺は能力を最大まで解放した。

 恐らく400や500じゃびくともしないだろう。

 校則違反ではあるがここなら問題ない。

 鉄の融点、1500℃まで温度を上昇させた。

 するとたちまち主の体は融け、全身が炎上する。

 はずだった。

 何と1500℃の熱に包まれながらも全くダメージも、それどころか些細な変化も見当たらない。

 いや、そもそも温度は上昇していなかった。

 能力が発動する段階から防がれていた。

 よく考えたら体も上手く動かない。

「これは…一体?」

「彼の目を見たということは術中にはまったことと同義です。彼は目を合わせることによって対象に畏怖の念を感じさせることができます。この能力には『迫力はくりょく』や『凄味すごみ』など様々な呼び方がありますが、私は『覇瞳はどう』と呼んでいます。発動条件は人それぞれで、例えば私は…」

 芹音は刀に手をかける。

 直後、鍔鳴つばなりを聞いたとたん体が硬直する。

「一度私の居合を体験した相手に対してだけ、鍔鳴つばなりのみで発動します。発動させるには努力によって得られる『風格ふうかく』が重要になってきます。その風格をわが物とし、誰にも誇らず、自分の内面の力に変えることによって覇瞳の力は目覚めます。その力に対する無意識のうちの畏怖が魂のリミッターとなり、能力の発動を食い止めます。」

 能力の封殺…今までの能力に頼りきった戦闘とは打って変わって自らの拳で戦う…

「よし!だけど本当に覇瞳を覚えなきゃいけないのか?」

「先ほど念のための最終手段と言いましたが、ハッキリ言ってこっちの方が本来の目的です。低温でバイオプラズマの操作を妨害しても、前会長の能力に加えてあの体術があります。戦闘の三要素は『(武装)』『(能力)』『(身体)』です。この三つの点を押さえられていれば最低限平面図形は描けます。しかしお姉さまの能力により『能』が消えて平面は直線に、それを補うための覇瞳はどうです。勿論、覇瞳を会得していれば今後通常の敵に対しては立体を組み立てたうえで相手の『能』を消し、完全な優位に立った状況で戦闘が進められます。あなたはお姉さまと戦う以上この力を会得する義務があります。もう一度聞きます。覚悟はできていますか?」

「ああ!やってやるよ!覇瞳だろうが労働だろうがやってやる!男に二言はねぇ!」

「フフフ…いい覚悟です。ザベスト.最高ですよ。しかしあなたは戦闘に関しては全くの素人、凡才ですね。まずは戦闘について一から教えてあげましょう。」

戦闘の三大要素…心技体だった気がする。まぁこの際いいか。

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