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超能力学園へようこそ!  作者: ザトウクジラ
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五つ巴の大戦争

今回セリフ多いです…

 ~生徒会室~

 振り下ろされた鎌を超光速の剣閃が阻む。

「邪魔すんなよ。」

「生徒会は嫌いですが、無くなると治安が悪くなるので。アイホープ.私が求めるのは召使いと過ごす平穏な日々です。」

 不可視ステルスは刀を引き抜き、大鎌の刃を一本切断した。

「あなたは主に手の平と足の裏だけ透過を解いてるらしいですね。ならば透過を解いている部分を削ぎ落してあげましょう。」

「できるもんな


「アイキャン.できるのでやらせていただきます。」

 ステルスは鎌の持ち手の部分に刃を沿わせ、一気に引き抜く。

 すると透過していない部分だけがはがれる。

「かなり地味ですがこれしか効かないですからね。」

 両手の手の平をはがすと、ステルスは鎌を取り、木端微塵に切断した。

「両手からの出血は個人でできる応急処置として押さえるといった方法がありますが透過しているあなたはそれができません。なので出血を止めるには強制的にどこかの透過を解くことになります。その瞬間解かれた部分もはがしてあげますよ。」

 そしてステルスは鎌の破片をホウキで集め、ゴミ箱に捨てると停止を解除する。


 らやって…言い終わってからにしろよ!こういうの!」

「私せっかちなんで。あまり待たされると今度は足の裏もはがしますよ?嫌だったらお姉さまが何をやろうとしているのか教えてください。」

「あ~分かった分かった!教えてやるよ!」

「別に声が出るということは声帯も透過してないんですね。だったら心臓の透過を解いてください。それだけで何考えてるのか分かるので。」

「そんなの弱点を晒してるようなものだろ!」

「嫌なら声帯をミンチにしますよ?別に全身の透過を解けばいいだけですけど?」

「チッ!無制限時間停止とかチートにも程があるだろ。」

「なるほど…戦争ですか…しかも四つ巴の…」

「もうわかったのかよ⁉」

「はい。もうあなたには用はないです。ゴーアウェイ。どっかいってください。」

「何か俺小物感凄くね?一応学園の双璧なんだけど?」

「ラスト.最後に。お姉さまに『四つ巴ではなく五つ巴』と伝言してください。」

 ~東の噴水広場~

「誰か!会長を助けてくれ!治癒能力者がいるんだろ⁉」

 俺ははあれから数時間助けを求めながら歩き続けた。

 しかし振り向く人はいても助ける人はいない。

 因果応報ではあるがあまりにも残酷すぎる。

 そして何時間も会長を背負って歩いた俺にもそろそろ限界が来た。

「すいま…せん…」

 力が抜けて倒れかかった瞬間誰かに体を受け止められた。

「生徒会長さんじゃないですか!その怪我どうしたんですか⁉もしかして姉様に…」

 黒いワンピースに白いエプロン。一目でメイドと分かった。

 ホワイトブリムを付けた髪の毛はとても長く、炎の様なオレンジ色をしている。

「女子寮までざっと3kmですか…成功率は100%なので安心してください。ワームホールのスケールと比べたら大したことないですよ。」

 直後、空間が窓ガラスのように砕け、穴の向こう側に部屋の内装が見える。

 そこで俺の意識は途絶えた。

 ~中学女子寮 ステルス改め武翔ムゾウ芹音セリネの部屋~

 気が付くと俺は見慣れない部屋の中にいた。

「あ!目が覚めましたか?」

「ここは…」

「まだじっとしててください!まだ疲労がかなり残ってます!例えるなら荒川を泳いで渡ったぐらいに!」

 例えが分かりずらい。

 というか荒川を渡ったぐらいの疲労があって普通目が覚めるかよ…

「妹様にはすでに伝えてあります。話に聞いた通り正義感の強い人ですね。あ、自己紹介が遅れました。私、武翔ムゾウ家に仕えている者で、桐山キリヤマカオルといいます。」

「会長は大丈夫ですか?」

「はい。再生速度を加速させて死ぬより早く治しましたんで。」

「じゃあステルスは?」

「セリネと呼んであげてください。妹様は今理事長室にて今回の件を説明しているところです。」

 ~超能力学園 理事長室~

「武翔君。私は生徒を縛るつもりはないんだよ?それに止めようとしても返り討ちに遭うだけだし…」

「それでも男ですか?キャロード.それだから臆病者って言われるんですよ。理事長なら理事長らしくしてください。」

「ならば君が解決しなさい。君の能力なら造作もないだろう?」

「いえ。勢力の内一つはお姉さまがいます。」

「そうか…じゃあ早急に手を打っておこう。」

 ~生徒会室~

「勢力が五つに分かれたね~ヒーローズと~アウトローと~ノワールホールと~何だったけ~?」

「生徒会+ステルスと黒幕。何でこのぐらいも覚えられないの?」

「別にい~じゃ~ん?それに~最終的には~一つになるんだから~」

「強者だけだ生き残る…か…」

「最終的には力が強い人よりも賢い人の方が勝つんだから~ね~?ソソギちゃ~ん?」

「分かってるわよ。つくし。」

 ~高等部 地下室~

「いや~真木ちゃんの妹ホントやばいね~見てよこの両手。」

「だから言ったじゃない。私よりも強いって。いや、強かったの方が合ってるわね。」

「で、反逆組織の奴らは釣れたか?」

「フフフ…完璧よ。」

 ~アウトロー本部~

「お前ら!武器は持ったか⁉」

「はい!持ちました!」

「なら歯食いしばれよ!俺達はこれからヒーローズとノワールホールをぶっ潰す!いいな!」

「はい!」

 ~ヒーローズ本部~

「我らヒーローズは誇りのために戦う!支配からの脱出のために!つまり必要なのは生徒会とそれに加担するアウトローとノワールホールを破ることだ!」

「はい!了解しました!」

 ~ノワールホール本部~

「はぁ…こうなることは予想できてましたけどまさかこんなに早いとは…」

「まぁあんな貧弱な組織に負けることはないでしょう。めんどくさいだけです。」

「心配してるのはそれだけじゃない。生徒会室であったバイオプラズマ質の小爆発。アレは恐らく」

「武翔真木の仕業と言いたいんですよね?」

「ああ。だとしたらこの戦争自体仕組まれたものということになる。」

「そうすると最終的には生徒会と反逆組織が団結してあいつに挑むことになるな。勝てると思うか?」

「いえ。前会長の能力も持っているとしたら無理でしょう。」

 ~セリネの部屋~

 会長も目を覚まし、右崎先輩も呼んだところで今回の戦争に関する会議が始まった。

 そういえば何でつくつくがいないんだろう?

「亡谷さん。お姉さまが迷惑をおかけました。誠に申し訳ありません。」

「いいのよ。じゃぁまずあの能力の基本スペックを説明するわ。バイオプラズマに干渉する能力。肉体と切り離すにはある程度以上ダメージを与えてないとできないけど気絶程度で水準は越えるわ。しかも彼女に向かって害意をもって能力を使うと…」

「パーフェクト.完全に無効化されます。なので勝つにはあの徒手拳法にバイオプラズマ干渉能力が加わった要塞を能力なしで突破する他ないです。弱点と言ったらほんの一瞬の差で能力の方が作用するという点でしょうか?しかし最初の不意打ちのみオート発動でその後は常時発動になるので、一撃目で能力を封じなければなりません。」

「しかし妹様。そもそも無力化できるんですか?」

 よく考えたらカオルさんって武翔家に仕えてるんだから真木と戦っちゃ駄目でしょ?

「武翔家に仕えていると言ってもカオルは私のみに仕えているので問題ないです。あと無力化のカギですが、お姉さまは能力発動の際気温がガクッと下がります。つまり能力の発動には熱エネルギーが欠かせないのです。」

「さらっと心読むのやめてくれないか?で、無力化の件なんだが今まで低温の能力者なんて一人もいなかったぞ?高温の能力者ならパイロキネシスや俺みたいなのがいたけど。」

「やれやれです。気付いてないのかもしれませんが、あなたの能力『灼熱ヴァーニング』は高温の能力ではありません。熱エネルギーを操る能力。鉄を溶断し大気を凍結する。熱エネルギーを上下させる能力です。」

「つまり気温をギリギリまで下げて能力が使えない状況にしろと?」

「はい。」

「だけどまだ水を凍らすことさえできない。それは無理だ。」

「では、プラクティス.修行などどうでしょうか?」

「修行?」

「ええ。あなたが仮に能力を封じることができたとしても勝率はかなり低いです。なので、修行をお勧めします。」

「どうやってやれば…」

挿絵(By みてみん)

「疑似娯楽施設の南西。立入禁止区域の中心に地下空間への入り口があります。中々いいところですよ。」


              「地獄の様な場所ですが」

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