戦争、好きですか?
今回は皆さんお待ちかね『 』が登場します!
能力の内容結構悩んだんですよ!
「幽霊?」
「そう~だけど~直接会った方が分かるよ~」
そんな話をしながら生徒会室に戻っていった。
「あら、遅かったじゃない。何かあったの?」
「それが…」
会長にステルスとのことをすべて話す。
「初日で反逆勢力のヤバい奴らに会いすぎじゃないかしら?この流れだと『 』にも合うかもね。」
『 』。能力名の漢字の部分が無い能力。
つくつくは『幽霊』と言い表していたが一体どんな能力なのか全く見当がつかない。
「まあとにかく、あなた達は帰りなさい。もう6時よ。」
「会長は残るんですか?」
「ええ。何か胸騒ぎがするの。」
胸騒ぎがするって…
ヤな予感しかしないけど…
「じゃあお先に失礼します。」
生徒会室を出て、それぞれの寮に向かう。
~高校校舎 南部~
この学校は中高共同の校舎の南北に高校校舎と中学校舎がある。
高校校舎の南でちょうど俺達は別れた。
「じゃあね~明日から本格的に授業だよ~」
「分かった!確か同じクラスだっけ?」
「そうだよ~」
「また明日!」
「うん~またね~」
つくつくと別れた後は右崎先輩と話をしながら帰った。
そういえば右崎烈だからつくつく流のあだ名のつけ方だと『うざれつ』になるのか………
言ったら怒りそうだから黙っておこう。
「シンヤ。会長のことどう思ってる?」
「え?」
「生徒に人権はないとか言ってるんだぞ。何か裏があるんだろうけど俺にはそれが分からない。」
「過去に何かがあったんでしょうね。あそこまでの過激な言葉は必ず過去のトラウマなどが関わってますから。」
「トラウマか…そういえばちょっと前に第二校舎内であった戦争で先代の会長が亡くなったんだっけな…」
「戦争?」
「ああ。会長がまだ第二校舎にいた時期に生徒会長の座を誰かが奪い取って生徒同士の殺し合いが起こるように工作したんだ。その時にある程度固まったグループが今の反逆組織。生徒会長の座は奪われたものの校内ではまだ生徒会長は変わってないと思われていたから『生徒会長がこの戦いを仕組んだ』という情報が流されて、今の会長が尊敬していた先代生徒会長は正義の名のもとに殺されたんだ。その時に何かがあったのかもしれない。」
人の死…普通のことではあるが一度も死ぬ瞬間を見たことが無い。
自分の大切な人が死んだら一体どんな気持ちなんだろう。
「先輩…その…」
言葉が出る寸前で巨大な爆発音に阻まれた。
「シンヤ!生徒会室の方からだ!急ぐぞ!」
~生徒会室~
「亡谷ちゃ~んけっこう久しぶりな感じじゃね~?」
「相手は生徒会長よ?少しは敬意を払ったら?なんせ私の右目を潰した張本人だからね。」
「真木… …何であなた達がここにいるの?」
到着した時にはもう遅かった。
既に衝突寸前だ。
会長と二人の生徒。片方は四つ刃が付いている大鎌を持った男子生徒。もう片方は真っ赤な制服を着た女子生徒だ。
「あら?この子が新入り君?芹音から聞いてたけど大したことなさそうね。」
「んだと⁉セリネって誰だ⁉」
「ああ。あの子本名を隠してるんだった。ステルスと言えばわかるかしら?私の妹なの。あの子ったら姉である私よりも強いだなんてね。とても誇らしいわ。」
ステルスの姉。一体どんな能力なのか。
さっきの爆発も恐らく真木だろう。
「そうそう。今あなたが疑問に思った私の能力ね。バイオプラズマに干渉する能力『英魂』。バイオプラズマについては中学で習ったでしょ?」
バイオプラズマ。古代の宗教では『魂』と呼ばれていたものだ。
生物の精神の大元となるエネルギーで、その量は生命力に比例する。
しかもその比率もすさまじく、人間一人のバイオプラズマでも核爆弾ほどのエネルギー量に相当する。
さっきの爆発はバイオプラズマの一部をスパークさせたものだろう。
さらにバイオプラズマは超能力の源だ。それに干渉できるということは能力の発動を押さえつけ、究極的にはバイオプラズマを奪い去り新たな能力を獲得できるのと同義だ。
「あなた達は熱を操る能力とアポートだったかしら?あまり強そうじゃないわね。」
何かすっげームカつくこと言われた。
だけどバイオプラズマを操る能力だなんて勝てるはずがない。
悔しいがここは手を出さない方が賢い選択だろう。
「私のことを忘れてないかしら?」
直後。生徒会長の手刀が真木の首に直撃した。
「中々速くなったじゃない。マッハ0.9といったところかしら?」
しかし真木はダメージを受けるどころか逆に素手で会長の腹部を貫いていた。
「だけど亜音速じゃまだ遅いわね。徒手拳法で私に勝とうだなんて…せめて超音速ぐらいじゃないと割に合わないわ。」
手を引き抜くと大量の血が流れ出した。
穴は向こう側が見えるほど大きい。
「会長!」
「大丈夫ですか?」
会長に駆け寄り、意識があるかを確認する。
しかし返事をしてくれない。
呼吸も弱々しく、今にも途絶えてしまいそうだ。
「 。後始末お願いね。」
「チッ!結局俺は後始末かよ!」
真木は一瞬で姿を消し、それと同時にドアがはじけ飛ぶ。
恐らく超スピードで後ろに踏み込んだのだろう。
「ぶっ殺せばいいんだろ?はぁ…普通にぶっ殺せって言えねぇのか?」
。会長も言っていた最強級の能力者。
つくつくは幽霊と言い表していたが一体どんな能力なのか?
「じゃぁ!ぶっ殺させてもらうぜ!」
は大鎌を振りかぶり、一気に叩き落す。
しかし動作は特別速いわけでもなく、熱エネルギーで生体のスペックを上げれば簡単に見切ることができた。
振り落すたびにワンテンポだけ休符が入る。
その瞬間を狙って…
「喰らえ!」
「待て!真矢!何かある!」
渾身の拳を に叩き込んだ。
熱エネルギーによって身体能力が上がっている今なら頭蓋骨も粉砕できる自信がある。
しかし拳は頭蓋骨を砕くどころか の体を貫通した。
「え?」
「本番はこれからだぜ?」
次の瞬間俺は気付いた。
貫いたのではない。すり抜けた。
そう。 は透過する能力。
「間合いを詰めればこっちのもんなんだよ!」
そう言うと は大鎌を回転させ、自分の体ごと俺を切り裂こうとする。
俺はとっさにしゃがんで回避したが、近くにいた右崎先輩は肩を切り裂かれる。
「先輩!」
「俺に構うな!会長を連れてお前は逃げろ!」
「おぉ~カッコイイこと言うじゃないか。中等部時代のお前が嘘のようだな。」
「誇りと後輩ができたからな。カッコつけたいのは自然なことだろ。」
俺は右崎先輩の指示に従い会長を抱えて窓から飛び降り、すぐ近くに渡り廊下があったからそこの上に着地した。
早く処置をしないと死んでしまう。
確か病院に治癒能力者がいたはずだ。
俺は必死で病院へ走った。
~生徒会室~
「烈なぁ…俺はお前を手にかけたくないんだよ…お前の能力じゃ勝てないことぐらいわかるだろ?」
「ああ。勝てないことぐらいわかる。だけど勝てなくても戦う意味はある。」
「そうかい!」
大鎌が振り落とされ、烈のいた地面が真っ二つに切り裂かれる。
次は右に避けた列を追うように鎌を翻し、横向きに薙ぎ払った。
烈は地面を蹴り、鎌を飛び越える。
「もらった!」
鎌を掴み、 の攻撃を無力化した。
つもりだったが
が烈の胸に拳をたた叩き込む。
「がはっ!」
「バカが!すり抜けがオートだと思ったのか?だったら鎌も持てねぇだろ?こうやって心臓以外をすり抜けるようにすればお前の心臓にダイレクトなダメージをぶち込めるんだよ!」
心臓はとても重要な臓器であると同時に痛覚がとても敏感だ。
規格外の苦痛に烈は言葉が出なかった。
「どうだ?心臓を殴られた感想は?そうだ。いいことを教えてやろう。俺達はこれから三つの反逆組織にそれぞれ嘘の情報を流し三つ巴の戦争に発展させる。そこに俺達が入って世紀の大戦争だ。亡谷が一番嫌がることだよ!もし生きて帰れたら真っ先に伝えてやるんだな!」
は鎌を大きく振りかぶると烈へ一気に振り落とした。
バイオプラズマは直感で思いついたんですがググったらホントに魂(幽体)って意味でビビりました。