サンディ登場
「お、お前…… サンディ」
幼馴染みのサンディが、やけにギラついた服装で微笑みながら佇んでいた。たぶん、ドレスコートとかいうやつだな。
「相変わらず、派手な格好だな、お前」
ああ、そう言えば、昨日、一昨日と、なかなかお目にかかれない派手な自動車が、公園の南側に停まっていた。あれは……
『そう、私のよ! ノア!』
そう言うのと、同時にサンディに、ハグされた。キスされた。XOXO。
「やめろって! ここは、日本だぞ! そういうのはダメだって言ってんだろ」
『いいじゃない。あいかわらず堅いのね、ノア』
尚も、ギュウギュウに抱きつかれキスされた。
「グラハム家の紋章ね」
せつなが、サンディのパックリ開いたドレスコートから覗く背中のタトゥーを見て言った。
「ミス・マキビシ、よく知ってるわね。侮れなし。片腹痛し、だわ」
「いや、だからさ、変な日本語、無理に使うのやめなって」
サンディの日本語は、時折、というかいつも時代錯誤のものが入ってくる。まあ、元々の原因は、学生時代に俺が、時代劇にハマってサンディに観せてたのが悪いのだが。
「で、何でお前…… あ、そうか、CIAの担当って、お前、サンディか!」
『そう、表だって動けないから、私のところへ依頼がきたわけ』