唯ちゃんと、シェアハウスの住人(11)
取り急ぎ投稿しました。
短かくてスミマセン。
あれから三島君とは、挨拶はするもののそれ以上の話はしていない。いつだって余計な話題を振って来て話を長引かせるのは三島君の方だったのだ。だから彼から絡んでこなければ、俺達が世間話をする余地なんて無い。ましてや、その話題がごくごくプライベートな恋愛話に発展する訳が無い。
忙しいのは変わらないから、俺からも踏み込んで尋ねるなんてことは勿論していない。それでも時折共同スペースや廊下で、顔を合わせることがある。すると彼は気まずげにヘラリと笑い、挨拶プラスアルファ程度の当たり障りのない事しか口にしないのだ。そんな三島君に、俺はモヤつきを募らせるばかりだ。
一体、三島君と本田さんは、どういう知合いなんだ……?
こうなったら、本田さんに直接聞くか?
……いや、そもそも何て尋ねるんだ?『三島君と付き合ってたんですか?』って? 本田さんとは、そんな突っ込んだことを聞ける間柄じゃない。それにノリの軽い三島君ならともかく、俺のような地味な男にそんなことを聞かれたら、彼女に気味悪く思われないだろうか。それで嫌われてしまったら、元も子もない。
それに何故そんなことを気にするのか、と問われたら?『貴女の事が気になっているからです』なんて、正直に答えるのか? まさか! そんなことは無理に決まってる。
しかし、そもそも本田さんは俺をどう思っているのだろう。男としてどうこう、なんて考えている筈はないだろうが―――良い印象を持っているのかどうかぐらい、聞いてみたい。それとも仕事でも無けりゃ話す相手とは考えられない、なんてと考えているのか……ああ、もし彼女に嫌悪感を露わにしそんな事を言われでもしたら、きっと暫く立ち直れそうもない。
そこまで考えて、ハタと気付く。
そうじゃない、そんなことよりこの間のお礼を伝えることが大切だろう! 余計なことは考えたらダメだ。そして、自分のことに集中するべきだ。
それは十分に分かっているのに……気を抜くと、思考がいつの間にかそちらに流れてしまう。本田さんと出会ってから、いや、それより三島君の挙動不審な行動を目の当たりにしてから妙に落ち着かないのだ。
いっそもう告白した方が良いのだろうか?
いや、まさか―――そんなこと、出来るワケない!
そんな風に悶々と、堂々巡りに悩む日々が続いたある日のことだった。大学から帰宅する途中、シェアハウスの菜園を眺めて人影を探すという行為が日課となっていた俺の目に、しゃがんで作業をしている小さな背中が飛び込んで来た。
胸がギュッと、締め付けられるような感覚を覚える。
紺色のつなぎに、つばの広い帽子。黒字に白い小花柄が散った庇が、初夏のますます強まる日差しからその白く、柔らかい肌を守っているのだろう。
俺は思わず小走りで、その背に駆け寄っていた。
「あの、本田さん……!」
先ずはお礼を。
そう頭で考えていたのに、体は言う事を聞かなかった。
「俺、貴女が好きです」
俺は今、何を……口走った?!




