第4話
「どうして僕は、ここに? オークは?」
「とっても強い方が倒してくれて、気絶したエクも持ってくれて、この街へたどり着いたの
その人は急いでるって言って、お礼は言ったけど、この先へ行ってしまったみたい」
そこでステラは下を向いて、少し言葉を詰まらせた。
「私、エクがそんなにオークが駄目なんて知らなかった。前ともっと割り切れた存在だって……私たちのこと思ってた。
ごめんなさい。私のせいね」
「気にしないでいいよ。オークがあんなに駄目だなんて僕も知らなかったし、運が悪かっただけだ。
旅をするならいつかは僕も乗り越えないといけないしね」
ストラの頭をポンポンと撫でる。
涙ぐんでいて、そんなに心配をかけてしまったことに申し訳なさが募る。
「強くならないといけない。こんなので、登場人物たちをぶっ潰すなんて夢のまた夢だ」
「……そうね。でもね、たまには私も頼ってね?」
「僕は、ストラを守るためにも強くなりたいんだけど」
「守られてばっかりのお姫様なんてやーよ。どうせなら、魔法姫になりたいわ。
魔法を使って、二人で進むの。楽しそうじゃない?」
ストラは笑っていた。キラキラとした顔で語り続ける。
「エクは盾役で、私を守ってくれる。私は魔法で魔物を倒すの。そうやって二人でなら、どこまでも、魔王のところだって行けるわ。
私これでも、人一倍魔法は使えるのよ! 村でも、村でも一番だって……」
「それはいいね! 僕がストラのことを守れるし、最高の案だよ」
ストラが村のことを考えるのをやめるようにと割り込んで同意する。
確かに腕っぷしにはあんまり、というか全く自信がない。
魔物を殴りつつストラを守りつつ、ということは僕には正直言って難しいかもしれない。
ストラの魔法は昔一度見たことがある。彼女のファイアは火柱だった。
「道具とかも使ってサポートするよ」
ワイワイと、二人でどう戦っていきたいかについて話し合う。
お互いどんな風に戦いたいか、どんな風に戦えるかについて気づいていく。
可能性がどんどん広がっていって、話の内容もどんどん膨らむ。
階下からセリさんが夕食ができたと呼ぶ声が聞こえてきて、そこでやっと僕たちは話をやめて一階へと向かった。