厄介な幼馴染
あなたにはどんな幼馴染がいますか?
おかしなところがありましたら報告お願いいたします。
私には、厄介な幼馴染がいる・・・。どんな奴かというと・・・・・・
「ツーキーシーローッ!!!!帰りますよ!!!!!!!」
「はっ?私、今から部活なんだけど。」
「何を言っているんですか!!!部活なんかより僕の願いでしょう!!!!!」
「よーし、部活行くか!!!!!!!!!!!!」
「まっ、待ちなさい!!!三万円!!!そうです三万円!!!!それでどうですっ!!!!!」
「なんでも金で解決できると思うなよ?」
「なっ!?金で解決できないこと・・・・が・・・?」
・・・・・・・・・・・・こういう奴である。
金があるばっかりになんでも金で解決しようとする、駄目な金持ち代表みたいな奴がコイツだ。コイツの名前は櫻芭 麗・・・さくらば うらら、お綺麗な名前をしているが心は全く綺麗ではない。強欲で傲慢・・・・・要は嫌な性格二大Gを兼ね備えた、歩くトラブル発生機である。顔だけはお綺麗なのでそれだけが救いと言え・・・る・・・の・・・か・・・?あの派手顔も傲慢さを引き立てているような・・・・。
「十万だったら考えないこともない。」
「そうですか・・・・。十万か・・・。」
「冗談に決まってるじゃん。十万はいいから、そのかわりに図書室貸してよ。」
「図書室ですね!!貸しますよ!!!!!!!!!!あんなのだったらいくらでも!!!」
あんなのって・・・・・・・。お前の天国の母さんと父さんが泣いてるぞ・・・・。
あまり感じさせないのだが、コイツは小さい頃に御両親を亡くしているのだ。御両親ともに高名な学者さんで、人格的にも学者的にも素晴らしい人達だったらしい。らしい、というのは麗の御両親が亡くなったのは本当に私達が小さい時だったので、私も麗の御両親のことは見たことがないので麗からの又聞きなのだ・・・・・そんな素晴らしい御両親から、どうしてこんな奴が生まれたんだろうね。・・・いけないいけない。麗をディスる方向になってしまった。あ、麗の財源は御両親の遺産ではないらしい。・・・いや、勿論それもあるけれど主に櫻芭家の御先祖さまの金らしい。要は坊ちゃんだ。・・・・・なんか無性にムカついてきた・・・・・・・・・・・・。
「さぁ、帰りますよ!!図書室を貸りたいということは僕の家に寄る、ということでよろしいですね!!」
「へいへい・・・・・・・。あ、小雪ー!!!!私、今日部活休むからー!!!!先生によろしくー!!」
「ええー!!!っていつも通りか・・・・・・。あんた帰宅部になったほうが・・・・・・。いや、なんでもないや。バイバーイ!!!!!」
「頼むよー!!!!!バイバーイ!!!!!!!!!」
ああ、愛しの小雪よ・・・・・。あとは任せた・・・・・。
* * * * * *
私たちは今、迷子になっている。どこでかって?櫻芭邸の門から玄関の間でだよ!!!!!
ここは広すぎるんだよ!!!学校から門より、門から玄関の間の方が長いって可笑しいだろっ!!!
「はぁ、はぁ・・・・・・オボロー!!!!!!!どこですー!!!!!!さっさと来ないと給料八割減ですよー!!!!」
オボロ、とは麗の執事の朧さんのことである。簡単に言うと麗の被害者第一号である。二号は私ね。
「このクズが!!」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・どこがです?早く来ても遅く来ても僕が得をする、素晴らしい選択肢ではないですか!!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
・・・・そこがクズだって言ってるんだよ・・・・・。朧さん・・・・・・・ご愁傷さまです。
「つーかさ、お前の家だろ?なんで迷うんだよ?」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・・貴方だって何回も何回も僕の家に来ているでしょう?いい加減、覚えたらどうです?」
ぐっ・・・・・・!!
「仕方ないじゃん。方向音痴なんだから。つーか自分の家で迷う方が問題だし、この程度歩いたぐらいで息が切れる麗さんは可笑しいと思いまーす!!」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・・僕も方向音痴だってことぐらい貴方も知っているでしょう!それに僕は体力がないんですよ!!!あなた、知っててわざと言っているでしょう!!はぁ、はぁ、はぁ・・・。」
「皮肉以外なにがあり得るんだよ?って、日が暮れてきてるんだけど?ヤバくない?」
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・だからオボロを呼んでいるのでしょう!!!オボロー!!!!!」
あ、ただひたすらに喚いているだけじゃなかったんだ。ちゃんと考えてたんだね。若干見直したわ。
「つーかさ、麗の声量如きで室内にいる朧さんに声が届くとは思えないんだけど。」
「ふんっ、僕の声を舐めてもらっちゃあ困りますよ!!」
はぁ・・・・・・・・・。
「きっと、今にむかいに来るに違いありm
「麗さまー!!!月代さまー!!どこにいらっしゃるのですかー!!」
「オボロ!!僕の言葉に言葉を被せないで下さいっ!!!って、オボロ?!」
マジか・・・・。まぁ、マグレだろ・・・・・。
驚いたことに朧さんの声がすぐ近くから聞こえてきたのである。
「オボロー!!!ここですっ!!!」
「朧さーんっ!!!」
「ああっ!!!麗さまに月代さま!!ここにいらしたのですね!!麗さまから月代さまと御帰宅するとの連絡を頂いてから、いつまでたっても御帰宅されたとの報告がなく、一体どうしたものかと・・・・・。」
「遅いんですよ!!!オボロはっ!!次からはもっと早く来なさい!!いいですね!!」
門から玄関の間で自分の主人とその友人が迷子になってるとか、普通誰も思わないだろ・・・・・。だから朧さんは何も悪くない・・・・・・・・。主に麗と私が悪い・・・・。
「申し訳ありません。これからは精進して参りたいと思いm
「いや!謝っちゃだめですよ!朧さん!!こちらの方が悪いんですから!!そうやって甘やかすから、麗はこんな奴に!!」
「はっ!そうなのですか!!これは甘やかしだったのですね!!それさえやめれば麗さまは変な歌を歌ったり、変なダンスを踊るのをやめて下さるのですか?!」
「あっ・・・・えっ・・・それは・・・・・諦めて下さい・・・。」
あれはもう生まれ持った性分だよ・・・・。本当にお疲れさまです、朧さん・・・。
「シャーラップ!!何故僕が一方的な批判を受けなくてはいけないのです!?」
「お前の言動が可笑しいからだよ。」
あと行動もな。
「僕はいつでも正しいのです!!・・・・・そうです!!思いつきました!!ツキシロ!!貴方、ここに泊まっていきなさい!!久しぶりにパジャマパーティーといきましょう!!」
「はっ?」
ごめん。なんでいきなりそんな話になった?それに麗、お前、いつから女になったの?パジャマパーティーって女子が集まって寝間着でパーティーすることなんだよ?確かに麗は名前も見た目も女っぽいけどさ?
「いいですね。もう暗くなってきました。麗さまもご希望されているようですので、今宵はお泊りになってはいかがでしょうか?」
「同意しないでくださいよ!!朧さんは味方だと思ってたのに!!それに!!ホラ!!うちのお父さんに連絡とかしてないじゃないですか!!」
「しーんぱーいないさー!!オボロ、ツキシロのお父さまに連絡を。」
「かしこまりました!!」
そうだった!!麗と朧さんはうちのお父さんに妙に好かれてるんだった!!ああ・・・・・絶対に許可がおりる・・・・・・。今日は麗の図書室でしこたま本を読んだあと、家に帰ってゲームするはずだったのに・・・・・。
それなのに・・・それなのに・・・図書室は母屋から遠いから、もう遅くて行けないだろうし、無理を通して行っても麗に邪魔されるだろうし、ゲームだって麗は下手だから一緒にやってもつまらない・・・。一人でやっても麗にじゃまされる・・・・。あれ・・・?目から汗が・・・・?
「むふふっ!!パジャマパーティー、楽しみですねっ!!!ツキシロ!!」
「はぁ・・・・・・・。」
だから、お前は女なのかって!!
* * * * * *
食事を食べ、お風呂にも入ったから・・・・・。うーん、何しよ・・・・・。櫻芭家に来ることなんてしょっちゅうだから、探検とかも飽きたし・・・・・・・・・。
バタバタバタバタバタッ
んん?なんだか外が騒がしいような・・・・?
なんだ、なんだ?あれ・・・?煩いものがこちらに向かって来てる・・・?どうしてだろう・・・・・・・思いなしか嫌な予感が・・・。
バタッ
「ツキシロッ!!一緒に寝ましょう!!」
あ、嫌な予感当たった。
「Oh!!TOUTOTU!!なんで一緒に寝なきゃいけないのか、三文字以内で説明してくれないか!」
「定め!!」
「おお!!確かに三文字以内だ!!・・・・・・三文字以内といった私も悪かったけど、分かりやすく説明しようか?うん。」
「パジャマパーティーとはそういうものでしょう!!!」
「パーティーしてないじゃん!!!それにさ!!パジャマパーティーで『一緒に寝よー!!』ってなっても許されるのは女の子同士だから!!お前はなんかもう、見た目とか完璧に女子だけども!!!つーかその金髪オカッパ頭なんなの?!なんでそんなにサラサラなの?!」
あれ・・・・・?何を言いたいのか、自分でも良くわからなくなってきたぞ・・・・・・・?
「・・・・よくわかりませんが、一緒に寝ても構わないということですね!!髪が金髪なのはハーフだから!!オカッパなのは僕の趣味!!貴方が一番知っているでしょう!!」
「いやいやいや!お前は女の子みたいだけど、生物学上一応男だから!!一緒のベッドに寝るというのは色々まずいから!!」
「なーにを言うのです!!幼馴染なのですよ!?どこに遠慮が必要でしょうか!!」
「必要だわ、この野郎!!親しき中にも礼儀あり、って言葉があるだろ!!」
「幼馴染の僕が言っているのです!!素直に聞きなさい!!」
「幼馴染ってそんな凄いものだったの!?」
「僕たちは幼馴染でもありますが、親友といっても差し支えないほどには仲が良いでしょう!!」
ええー!!!そうだったの!!いつの間に!?
「あ、そうか。麗って私以外に友達と言えそうな人いないもんね。」
それで唯一友達と言えそうな私が親友に・・・・・・。
「なっ!!貴方こそ、友達居ないじゃないで
「普通にいるわ!失礼な!!」
小雪とか、小雪とか、小雪とか、小雪とか!!!
「うっ・・・・・・・貴方の方が可笑しいんですよ!!僕というものがありながら、あっちへフラフラこっちへフラフラと!!!この浮気者!!」
「そりゃ、麗とずっと一緒に居れるわけないだろ!!」
そりゃあクラスも離れたこともなければ、席も隣から動いたことはないよ!?それでもさぁっ!!
「な、なぜです?ツキシロは僕とずっと一緒に居てくれると・・・。だって・・・だって・・・これからも未来永劫一緒に・・・。」
「は・・・?いや、今はまだある程度だったら一緒に居られるけどさ・・・?いつかは・・・ね・・・?」
「貴方は僕を捨てるというのですか・・・・・?」
ちょ、どうしたんだよ、いきなり・・・・・。
「いや、捨てるとかじゃなくてね・・・・?いつかは絶対に離れるでしょ・・・・・?」
幼馴染ってそういうもんでしょ・・・?つーか高校生になってまで一緒にいる私達のほうが可笑しいと思うんだけど・・・・。
「捨てるのではないですか!!ツキシロ!!貴方、あの日の誓いを破るのですね!!」
「えっ?ええっ?!なに!?誓いって!?」
「忘れているのですね・・・・・・・。」
「いや、本当になに!?」
わかんないんだけど!?
「貴方、僕と初めて会ったときに言ったじゃないですか!!!カレーを一生分くれるんだったらずっと一緒に居るって!!」
「くだらなっ!!」
なんだそれ!我ながら謎すぎる!!麗の家に来るたびにカレーが出るのはどうしてだろう、って思ってたけどそういうことだったのか!!いや、好きだよ!!カレー!!
「くだらないとは何です!!僕はこれからも一生カレーを貴方に食べさせますよ!!それなのにそばを離れるとは立派な契約違反です!!」
「いや、幼少期のころの口約束を持ち出されても・・・・。」
良く覚えてたね・・・・・・・。
「それでも約束は約束です!!」
「つーか、麗と私っていつ出会ったんだっけ・・・・・?まったく覚えてないんだけど・・・・・・?」
「なっ!!なっ!!こ、この裏切り者!!!」
「そうは言っても・・・・・いや、ごめん。思い出すからさ、泣かないでよ。」
「泣いてなどいません!!さぁ!!早く!!思い出しなさい!!」
いや、完全に・・・・・・・。ごめんなさい。思い出します・・・・・・・・。
* * * * * *
「そこの、どうしてこんなところで泣いてんの?」
領地の探検に出かけていると、黒い洋服を着て泣いている可愛らしい少女を発見した。
「うっ、うぐっ、ぐずっ、泣いてなど、ぐすっ、いません!!うっ、ぐす・・・・・・・・。」
「え?完璧に泣いてんじゃん。」
「ううっ、ぐすっ、僕が泣いてないと、ぐすっ、言ったら、ぐずっ、泣いてないのです!!」
「はぁ・・・・・・・・。」
「わかりましたかっ!!ううっ・・・・・。」
「まぁいいや。それはいいとして、どうしてこんな所にいるの?」
「どうしてと言われても、ぐすっ、ここが、ひっ、僕の家の庭だからです。お前こそ、ぐすっ、どうしてここに、いるのですっ!!」
「え?ここが?お前の庭?私の領地なんだけど。」
大将連合で確か、そういうことになったと思ったんだけど・・・・・。
「はぁっ!?ここは僕の家の庭ですよ!ほら!!あそこに家が見えるでしょう!?あそこが僕の家!!そしてここは僕の庭なんです!!門から入ったらわかるでしょう!?あの門からこっち側の塀の中は全部僕の家の物です!!」
「えっ?そうだったの?家って、あのでっかい?」
「そうです!!素晴らしいでしょう!!」
「え・・・・あ・・・・うん・・・・・・・。」
言えない・・・・・・。あの家を魔王の館と呼んでたなんて・・・・・・・。いや、デザインが極悪とかなわけじゃなくて、ただひたすらに古くて不気味だったから・・・・・・・・。
そういえばコイツ、泣き止んだな・・・・・。なんで泣いてたのか大変気になるけど、また泣き出しそうだからやめておこう。
「えっと、お前、名前は・・・・・?」
「お前とは失礼ですね!!!!普通はお前が先に名乗るものですよ!まぁ、いいでしょう!僕の名前は櫻芭 麗!!美しい名前でしょう!!お母さまとお父さまが一生懸命・・・お母さま・・・お父さま・・・ううっ・・・ぐすっ・・・。」
「ええっ!!どうしたの?!いきなり泣くなよ!!良い名前じゃん!!」
お前って、お前も言ってるじゃん、とかツッコむ前にまた泣き始めた。
「それは!!・・・ううっ・・・・・そうですよ・・・っ!!だって・・・お母さまと・・・・・お父さまが・・・・・うわあああああん!!!!!」
やばい!!本格的に泣き出した!!こういう時はどうすればいいんだ!!私は人を泣かせることは出来ても泣き止ませることはできない!!
「え、えっと何かあったの?!」
「お母さまと・・・・お父さまが・・・・お空に還ってしまったんです・・・・。」
んん?えっと・・・・・・確か・・・・死んじゃったって意味だったっけ・・・・?パパが言ってたような・・・・・・・?
「そうなんだ・・・・・・・。それは・・・・・辛いね・・・・・・・・。」
「ぐずっ・・・・・・お前に・・・・・・お前なんかに!!何がわかるというのです!!!」
「わかるよ。」
「どうして!?」
だって・・・・だって・・・・・・・・・・
「私のお母さんも、死んじゃったもの。」
「っ!?」
「少し前ね、私をかばって死んじゃった。私の場合パパは生きてるから、お前と比べたら半分くらい悲しみは少ないかもしれないけど。」
「そんなことはありません。大切な人が死んでしまったときは一人だろうと、二人だろうと悲しみは変わらないのです。どっちも悲しみの深さは底なし沼よりも深いのだとオボロが言っていました。」
オボロ・・・・?オボロってコンブの・・・?
「でも・・・・・お前は僕と比べて、あまり悲しそうではありません。」
「うん。寂しくてときどき泣きそうになるけど、でも、もう私は悲しくない。いや、死んじゃってすぐの時と比べてだけどね?」
「なぜです・・・・・・?悲しみがなくなるなんてことはありえるのですか・・・・?」
「うーん?ありえる・・・・?なくなるというわけではないけど・・・・・・・。」
「和らぐということですか・・・・・?」
やわらぐ・・・?どういう意味だ・・・・?
「うん。多分そうだと思うよ・・・・・?」
「どうしたら!!この嘆きは!!悲しみは!!和らぐのですか!?」
「うわっ、ちょっ、詰め寄るなっ!!」
なげきってなに!?
「ああ、すみません・・・・・・。どうしたら、お前のように悲しみを和らげることができるのですか?」
落ち着いてもらえてなによりだよ・・・・・・。
「えっとね、それはね・・・・・。時の流れっていうのもあるけどね・・・・・・・・。」
「あるけど!?」
「そうせかすなよ!!・・・・・・友達がいたから・・・・・・・・・・・・・。」
まぁ、正確に言えば子分だけど。
「友達?なんです?それ?」
「えっ!?」
もしかしてコイツ、友達が・・・・・。
「いや・・・・・・なんというか・・・・・・・。」
「あ、もしかしてあの面倒臭い関係のことですか?」
「・・・・・・・・・・・・。」
・・・・・・・・・・・・・・。
「わからないけど・・・・・・・。友達っていうのは悲しみを半分に、喜びを二倍にしてくれる存在なんだよ。」
「なるほど!!!友達とやらにはそんな効能があったのですね!!だから皆、友達を作れと言ってくるのですね!!」
効能って・・・・・・・・。温泉じゃないんだから・・・・・・。
「でも、友達ってどうやったらつくれるのでしょう?」
「自然にできると思うよ。」
「自然に?」
「うん。『この人と一緒に居ると楽しい。この人とずっと一緒に居たい。この人が大好きだ。』って思ったらその人が友達なんだよ!!」
「はぁ・・・・・・・・。」
「そうだ!!親戚に年の近い人はいない?そういう人だったら友達になりやすいよ!!」
私の場合、従妹のアキホちゃんとか!!従妹は友達じゃないって昔言われたけど!!
「年の近い人・・・・・・。いますが、僕の金目当てでしか近寄ってきません。というか、親戚自体そういう人しかいません。」
・・・・・・・・・・・・・・・・。コイツ、結構大変な生活してんだな・・・・・・。というかさっきから思ってたけどコイツ、金持ちだよね?
「そうです!!」
「ん?」
誰か良さげな人でも思いついた?
「お前が僕の友達とやらになりなさい!!」
・・・・・・・・・・・。
「って、ええええええええええっ?!!!!!」
ええええええええええええええっ!!?
「何を驚いているんです?僕が友達になって不都合なことでも?」
「えっ、いやっ、そうではないけど・・・・・・・・・。」
なんというか・・・。多分だけどコイツ、面倒臭い性格してる・・・。主にトラブルを振りまく・・・。コイツとは友達にはならないほうが良いと私の野生の勘が言っている。これまでのコイツのデッカい態度も友達になっちゃだめなタイプな奴なことを物語っている。知り合い程度だったら良さそうだけど・・・・。
「それではお前は今日から友達ですっ!!」
「は、はぁ・・・・・・・・・・。」
「なんです?お前?なにやら不満そうですね?」
どうにかして断る方法を・・・・・・。そうだ!!無理難題をふっかけよう!!かぐや姫戦法だ!!私あんなにモテモテじゃなけど!!!
「じゃあ!!私の友達になりたくば私にカレーを一生食べさせると誓え!!!誓えるのだったら一生一緒にいてやる!!」
これでどうだっ!!
「そんなことでいいのですか?勿論誓います!!」
「え?」
「どうしたのですか?まだ注文があるのですか?大丈夫です!!僕と友達になれば何でも叶えてやりますよ!!!」
そうだった・・・。コイツは金持ち(仮)なのだった・・・・・。
「それでは、今日からよろしくお願いいたします!!!それではまず、貴方の名前を教えなさい!!!!」
はぁ・・・・・・・・・・・。
「私の名前は・・・・・・・・・・・・・・・
* * * * * *
「あー、思い出した・・・・・・・。」
麗と出会った時のこと。あんとき私はガキ大将だったんだっけ・・・・。それに麗を初めて見た時、女の子だと勘違いしてたわ。まぁ、フリッフリのドレスだったからしかたないよね!!つーかアレ、一応喪服だったんだよね!?フリッフリだったけど!!!
「約束しました、よね?!よね!?」
涙は一瞬で乾いたのか、輝かしい笑顔で詰め寄ってくる。あ、泣いてなかったんだっけ?
「うん・・・・・・。したけどさ・・・。あれ、大人になっても有効?」
「当然ですっ!!貴方は確かに言いました!!『一生』一緒にいると!!」
やったね!!私はいつになってもこの厄介な幼馴染に絡まれることが確定したよ!!オワタ!!!
「え?じゃあお前、私に彼氏とか彼女ができても一緒に居る訳?」
「は?何いってるんですか?当然でしょう!!貴方は彼女が出来ようが、彼氏が出来ようが、結婚したいと思う人間を見つけようが、貴方は僕を優先しなくてはなりません!!!」
えっ?なんじゃそりゃ?
「というか、貴方と僕は結ばれるべきなのですっ!!!」
はっ?
「マジで?何それ?本気で言ってる?」
「まじですし、本気でいってますよ!!!!」
本格的に大丈夫かな・・・・。コイツ・・・・。
「貴方、僕と夫婦になったらこの家の本が読み放題ですよ!!!それに貴方が憧れているバリバリと働くキャリアーウーマンとやらにも櫻芭家の財力をもってすれば容易きことこの上なし!!!!それに貴方が大っ嫌いな家事も僕が全て請け負いましょう!!!それに、貴方は子供が苦手でしょう?ですから、子が出来たとしても子育ては僕にお任せあれ!!!!」
え?マジ・・・・・?それは結構・・・・・・。
「いいでしょう!!ツキシロにとって僕ほどの優良物件はありませんよ!!!」
いやいやいやいや、騙されちゃだめだ。コイツと夫婦になっても今以上に振り回されるだけだ。良い事なんてナイナイ。
「まぁ、家事と子供は僕もダメですから全部オボロや使用人に任せますがね!!!!」
デスヨネー。知ってた。
「よーし、眠るか!!じゃあ、おやすみなさーい!!!!!」
「いつか、絶対に決めてもらいますよ。無論、答えはハイかイエスしかあり得ませんが。」
「超絶我儘なセリフを吐きつつどうしてお前、私のベッドに入ってくるわけ?」
「それがなにか?」
「いや、それはさっき・・・・・って私を抱き枕にすんな!!」
「僕は抱き枕がないと眠れないのです!」
「じゃあ、部屋に帰れよ!!!」
「帰りません!決して貴方を逃がしたりはしませんからね!!それではおやすみなさい。」
はぁ・・・・・・・。
「くーくー・・・・・・・・・・・・・。」
可愛い寝息だな!!!
「って寝んなよ!!!帰れ!!!!」
* * * * * *
ドンッ!!!
「ごふっ!!!!!!いった!!!!!」
なんだよ・・・・・・・・・。なんか細っちいものが私の腹部に攻撃を加えて来たような気がすんだけど・・・・・・・。
って、あれ?麗が消えた?部屋に帰ってくれた・・・・・わけないか。じゃあ、ベッドの下に・・・・・落ちてないな・・・・・・・。まあ、キングサイズのベッドから落ちてたら凄いけど・・・・・・・・・・。あれ・・・・・?じゃあ、どこに・・・・・・・・・・・・・?
「あっ・・・・・・・・・・・・・。」
見つけたよ、麗。あと、私の腹部に攻撃を加えてきたものの正体、わかったよ。それは・・・・・・・・
「うーらーらっ!!!!!貴様の足かぁああああ!!!!」
「くーくーくー・・・・・・・・・・・・。」
「なんでいつの間にか逆向きに寝てんだよおおおお!!!!」
「くーくーくーくー・・・・・・・。」
「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ・・・・・。」
・・・・・こうして私の日常は過ぎていくのである・・・・。
実は、この作品の登場人物には元になった人がいたりしますwwww
主人公(月代)
(私の)幼馴染+親友+従弟÷3
朧さん
(私の)とある友人A
小雪
とある友人B
櫻芭 麗
私・・・・・・・・・・・・・。
お金持ちでも美人でもありませんが・・・・。まぁ、大体あんな感じです・・・・・・。友人たちには常々申し訳ないことをしています・・・・・。