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今が大切です  作者: 紅葉
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此からが大変です(凌駕詩織)。

こんな状況を以前(前世)にも体験しましたよね。お馬鹿な婚約者が真実の愛に目覚めたとかなんとか…。何気に落ち込みますよ?、相手が誰(婚約者)とか関係なく、婚約破棄ですか?、学園の正門の近くで、登校ラッシュ時に人目に晒されながら、どんな羞恥プレイですか?、しかも原因(女)連れで?。立場理解しているのかと怒鳴りたくなりました、私。


驚愕ものです、あの方々の御子息がこんなお馬鹿さんなんて、呪われてるとしか思えません。


以前(前世)の様にはならないと思いますが下手をすれば世羅家はこれで終わる可能性があります。あ、凌駕家うちではありませんよ。婚約者の世羅家がです。分家組(お目付け役)は顔真っ青です。 涙目です。

今にも土下座しそうです。


仕方ありません、私は知っていますから。世羅家の先代と当代がどれだけの努力をしてきたのか、私達は知っています。


だからこそ、誰が、予想できたでしょう。自爆テロ犯(?)がこんな所にいるなんて。



この後、婚約者様は分家の方々に取り押さえられ恋人さんと共に世羅家に強制送還されました。この場を治める為に仕方が無いので私は皆様に頭を下げました。体調不良で錯乱していた様ですと…。



私が直接頭を下げた事で学園内で軽い噂話位にはなるでしょうが外部に広がる事は無いでしょう。進んで凌駕の敵には回らないでしょうから。


しかし、流石に血縁ですね。する事が一緒です。残念な遺伝子が蔓延しているのでしょうか。


此処三代程は聡明な方々が御当主になられて失墜した世羅家の信頼回復に尽力され周囲の評価も高かったのですが…。


だからこそ、凌駕が一歩引いたのです。因縁ある両家が和解をすれば世羅家への嘲笑も批判も少なくなるでしょう、と。


因縁…そう私が原因です。あの時は、世羅家の力が強く凌駕家は泣き寝入り状態でした。その結果が今です。世羅はその後も傲慢な態度を繰り返し周囲の反感を買い、時代と共に弱体化しました。それに対し凌駕家は着実に力を付け今の立場を手に入れたのです。それ故、世羅が苦境に立たされる様にりました。

これこそが、凌駕の復讐だったのでしょう。


その為、世羅家の悪評が徐々に高まり、取引先からは切られ、政略の為の他家からは嫁ぎ手が無くなり一時期は本当に危なかったらしいです。裏から手を回していたのは凌駕家とレオンハルト家です。


みんな私を愛してくれていましたから。悔しかったのでしょう。


三代程前の当主鷹久様が凌駕家に初めて正式に謝罪なされました。元々鷹久さまは分家からの婿養子で、世羅家の中で唯一誠実な家柄として有名でした。彼の家が存在していたからこそ世羅が持ち堪える事が出来たと謂えます。


それからは分家から迎え入れた奥方を大切にされています。




、もう良いのです。私(伊織)は確かに幸せでしたから。これからは私(詩織)が生きていくのですから。


過去は過去として、此からはお互いに良い関係を築ければとの両家の思い込められた縁組みでした



なのに、なのにです、あの婚約者様はその地の滲む努力を一瞬で無にしようとしたのです。



こんな所で一方的に婚約が破棄なされたとしたら世羅家の信用は地に堕ち今度こそ凌駕家は世羅家に対し留目を刺すでしょう。


婚約者様には何の思い入れは有りませんが私は世羅家先代当主鷹直様、現当主鷹臣様をこの目で見て参りました。


だから次期当主鷹斗様の愚かな考え無しの行動で台無しにされるわけにはいかないのです。





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