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東方漆黒記  作者: 西園寺 灯
第二章 煌めきの改造人間
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真紅の違和感

紅魔館に着きました。

『ここが紅魔館か・・・文字通り紅い館だね。』

コックリ「西洋の館は大きいだけであまり好かん。」


僕達はゆっくりとその館に近づいてゆく。


『!?』

コックリ「どうした煌夜?」

『いや、多分気のせい。』


気のせいだと思うけど、館の中から何かが刺さる音がしたような・・・


門をくぐり、館の中に入る。辺りは薄暗く、灯りがついていることがにわかに信じ難い明るさで、より不気味さを醸し出している。


コックリ「・・・なぁ、妙だと思わないか?」

『あぁ。かなり妙だ。』


この館に入る前から察知していたが、この館からはヤバい量の妖気と殺気が放たれている。

その殺気と妖気の持ち主が何故無断で入ってきた僕達に姿を見せようとしないのか。


階段を昇ると、その理由の一つが現れた。


???「ゲホッ、こ、こいつ・・・」

異形「キシャァァァァ・・・」


赤い髪をした中華風の女性が森で見た異形のパワーアップバージョンと戦っていた。


???「私の気功波が効かないなんて・・・それにお前ら、お嬢様を何処にやった!」

異形「コタエル・・・ヒツヨウ・・・ナイ・・・オマエ・・・シヌ・・・」

???「ほざけ!」


女性は鮮やかな足技で確実に異形のウィークポイントをついていたが、何故か異形は平気な顔をしている。


異形「オマエモ・・・スカーレットシマイノ・・・ヨウニシテヤル・・・」

???「!?・・・マズイ!」


異形が女性に向かって放った謎のエネルギー波は、コックリによって打ち消された。


???「誰だ!?」

『訳あってつい先刻この幻想郷に来たものです。スカーレット様に会いに来たのですが・・・どうやら先客がいたみたいですね。』

異形「オマエ・・・サッキナカマコロシタ!」

コックリ「先に手ェ出したのはどこのどいつだ!」


『憑依!』


憑依『変化〜孤狗狸〜』


素早く変身し、異形の腹部に素早く二連撃の打突。続けざまに蹴りを四発、間髪入れずラッシュ。


???「異形の腹にヒビが!」

『砕け散れっ!』

異形「グジャァァァァァァァ!」


どんなに硬い敵でも、同じ場所に攻撃を当て続ければいつか壊れる。


『さて・・・レミリア様の元に案内してください。』

???「はい・・・」


暫く廊下を進むと、一つの部屋の前に着いた。


???「レミリアお嬢様、お客様です。」

レミリア「入って。」


部屋に入ると、大きなシングルベッドに腰掛けている二人の少女がいた。少女らの背中には羽が生えており、牙も時折見える。そしてなにより・・・

鼻を抑えたくなるほどの血の匂い。


レミリア「貴方が来る事は来る前から知っている。それが私の能力よ。」

『でしたら異形の浸入も予知できたはず。』

レミリア「確かに、予知していたわ。だけれど・・・両足を石化されるのは予知できなかったわ。」


レミリアがロングスカートをめくると、太ももの辺りまで綺麗に石化されていた。


???「お姉様はいいじゃない足だけで。私なんて首から上半身全てよ?」


綺麗な羽をしたもう一人の少女がベッドに横になりながら喋りかける。


レミリア「フランは確かに能力が禁止されたから大変よね・・・でも安心しなさい。パチュリーが今石化解除魔法を作っているわ。」


だけれども僕はそうは思わなかった。


がちゃっ!


妖精メイド「レミリアお嬢様!紅魔館裏から異形が大発生!異形は大図書館に向かってます!」

レミリア「何っ!?」

フラン「パチュリーが危ない!」

レミリア「美鈴、至急パチュリーと小悪魔をここに連れてきて!」

『レミリア・スカーレット様、僕達が足止めをします!』

レミリア「えぇ、頼んだわ。パチュリーは大勢を相手にするタイプじゃないから、早くしな






カチッ・・・カ、チッ・・・カ・・・チッ・・・





何が起きているのか。

周りの全てが止まっている。動いているのは僕・・・だけ?


???「あら。この世界への介入者は久しぶりね。」

『誰?』

???「ここの館のメイド長を務めている、十六夜 咲夜よ。少し会議に出席していて少し遅れたけど、まぁこの程度の異形だったら大丈夫のようね。貴方は?」

『暁 煌夜です。』






咲夜「あぁ、【夜の血】ね。」





『夜の血?』

咲夜「いずれわかるわ。さて、夕飯の準備をするから手伝ってくれる?」

『あ、はい。』


そして現実世界では0秒で夕食が完成した。


咲夜「それじゃ、現実世界で会いましょう。」

『はい・・・』





・・・カ、チッ・・・カチッカチッカチッカチッ




時が動き出して驚いたのは、大量の異形の断末魔。

まるで一度にまとめて殺されたみたいに・・・


コックリ「今の奇声!奴等が外に!」

『もう死んだよ。』

咲夜「お嬢様、夕食の準備と掃除が済みました。」

コックリ「!?いつの間に!」

レミリア「・・・ご苦労様。煌夜、貴方達も召し上がっていって。美鈴を助けてくれたお礼だと思って。」


僕は少し考えた後、


煌夜「それでは、お言葉に甘えて。」


とりあえずまた異形が来る可能性も否定出来ないし、それに・・・






【夜の血】についてもっと詳しく聞かなければ・・・

咲夜「あぁっ!掃除の所為で卵がぁ・・・」

レミリア「え!?じゃあ今日のオムライスは・・・」

咲夜「チキンライスに降格ですね・・・」

レミリア「・・・卵、儚き奴め・・・お前の所為でどれくらい悲しむ者がいるというのか・・・」

煌夜「でしたら、ホワイトソースとチーズでドリアとかどうでしょう。」

咲夜「・・・それだ。」

レミリア「流石煌夜、私が一目置いているだけあるな。」

コックリ(こいつらなんでこんなに夕食に必死なんだろう・・・)

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