東方神話伝〜悪魔の行く道〜
これにて終夜の戦いは閉幕にございます。
『どうやら・・・貴様に与えられた時間も残り少ないようだな・・・』
アスタロト「ウ、ウグゥ・・・ス、スペル・・・カー・・・ド」
禁断『邪神の心臓』
『何っ!あの状態でスペルカードを出せるのか!』
アスタロトのスペルカードが捻じ曲がり、空間をも巻き込みながら一つの果実を生み出した。
真っ赤でいてどこか光り輝いている。
しかし、それが見かけ騙しであることがすぐわかる。否、わかってしまう。華やかな外見を包み込む程の闇・・・光り輝いている筈なのにその果実には一片の光も感じられない。
アスタロト「アアアアアア!」
ガブリ・・・
アスタロト「・・・ァ・・・ァァ・・・」
『・・・・・・・・・』
ーーーーーーーーーー断末魔ーーーーーーーーーー
アスタロト「・・・もう・・・貴様には頼らん。俺が貴様を倒し、魔王として魔界に君臨する。神など知ったことか。」
『くっ、加速!』
アスタロト「遅い。」
ザクッ!
時を止める前に肩に斬撃が走る。これは・・・
アスタロト「過去への加速。中々使える。」
『バカな・・・』
アスタロト「貴様を魔王に仕立て上げ、裏で政権を握る予定だったが・・・予定変更だ。俺が神界を作り直す。1から俺の手下の悪魔で埋め尽くし、神は皆殺しだ。」
『・・・させるかよ。』
アスタロト「ん?」
『貴様になんかさせるかよ。神様なめてんじゃねーぞ!』
アスタロト「ほざけっ!」
ズバシュッ!ザクザクッ!ドガッガガガガガガガガガガガ!
『ゲホッ・・・貴様程度に神様は負けねえ。だから神様なんだ。たかが力を手に入れた程度の奴に負けるなら神様やってねえよ。』
アスタロト「・・・少し喋り過ぎたようだな。トドメをさしてやる。」
『こんな力だけの奴に神様は負ける筈ねえよ!なぁ!そうだろ!』
アスタロト「死ねっ!」
ズドン!
『ふん、ここまで煽らないと出てこないのかよ。』
???「神の有り難みがわかるだろ。」
『んなもん十分染み付いてますよ。』
俺の周りには真っ青な長い胴が巻き付き、ドーム状になった奴の体があった。
アスタロト「なんだ!まさか・・・」
『この地の神様も、俺と同じこと言ってるぞ?』
龍神「貴様等に神は負けん。」
アスタロト「バカな、龍神が現れるだと!?」
『貴様には絶対に負けない。父さんが守ってきた神界も、俺たちが守ってきた幻想郷も、両方壊させない!それが俺の、【黒崎終夜】の役目だから!」
アスタロト「俺が神に負けるなど、断じてない!」
『その言葉、そっくりそのまま返すぜ・・・神がお前に負けるなど、断じてない!』
龍神「言符」
『スペルカード!!』
神衣『鎧』
変化『龍神』
龍神『龍気解放』
俺の龍気と、龍神の龍気が混ざり、俺の体に纏わりつく。幻想郷の歴史が流れ込んでくる・・・皆の思いが俺の全身を流れてくる!
『・・・皆、俺に力を貸してくれ!どんなに辛い状況でも、俺がこの幻想郷の光になってやる!そして闇にもなってやる!どんなところにいても、俺が皆を支える!だから、力を!』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ふと気づくと、自分の部屋にいた。机の上にはイヤホンのついた音楽プレーヤー。俺はイヤホンに手を伸ばし、耳につけて音楽プレーヤーの再生ボタンを押す。
「・・・れ・・・ばれ・・・んばれ!・・・頑張れ!」
頑張れ、頑張れ、頑張れ。
耳に流れてくるのは幻想郷のいる全ての生物の応援。人間妖怪神星人動物植物・・・ありとあらゆる物からの声援。
『みんな・・・ありがとう。』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『行くぞ、俺の生命力、皆の応援、全ての生命の底力、纏めてぶつけてやる!』
ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!
龍砲『ラスト・キャノン』
『当たれ当たれアタれアタれアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレアタレェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!』
当たれ!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『・・・・・・・・・・・』
アスタロトは消えた。あいつの思想ごと全て消え去って塵になった。
しかし
旭「終夜、ご苦労さん。」
肉体と、彼女の精神は残った。こんなことできるのは・・・
龍神「最後の情けだ。神を信じるあの言葉、少しうれしかったぞ。」
そう、全てが終わった。元に戻ったのだ。
俺以外は。
俺が人間に戻ることはなかった。エネルギーの生産力が狂ってしまい、龍神曰く、能力を使っても1時間人間でいられるか。だそうだ。
職も変わった。
紅魔館の執事から、魔界の王に。
その為、幻想郷に2年ほど帰ってこれなくなってしまった。
そして魔界に旅立つ日の二日前
神父「黒崎終夜。あなたは妻である十六夜咲夜を生涯愛し続ける事を誓いますか?」
『誓います。』
神父「十六夜・・・いや、黒崎咲夜。あなたは夫である黒崎終夜を生涯愛し続ける事を誓いますか?」
咲夜「誓います。」
神父「では、指輪の交換を。」
俺は魔力の籠った魔石の指輪を。咲夜は銀でできたナイフの紋様が彫ってある指輪を互いに渡し合う。
神父「それではもう一度問います……あなた方はお互いを尊重し、生涯愛し続け合う事を誓いますか?」
『誓います。』
咲夜「誓います。」
神父「わかりました。では、誓いのキスを。」
『咲夜、これからも俺がずっと守るから。』
咲夜「約束ですからね。私も2年間待ってます。子供はその後ですね?」
『さらっとなんちゅーことを・・・じゃあ、約束のキスを。』
咲夜「はい。」
俺は絶対に咲夜を守るとその日、幻想郷と約束した。
このまま二章突入・・・ではありません!
一旦びーんずさんとのコラボをやらせていただきます!びーんずさん待たせてごめんね!
というわけでもうちょっと終夜は暴れますのでお楽しみにー!