表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方漆黒記  作者: 西園寺 灯
第一章 漆黒の悪魔
91/106

東方神話伝〜やっぱり彼は逃げない〜

遅くなってごめんなさい。

咲夜「はぁ・・・はぁ・・・」


おかしい・・・さっきから幾度となく有効打を当てているはずなのに・・・まるでそんなことがなかったかのように奴はピンピンしている・・・


イザナミ「どうした?その程度の攻撃では、私には傷一つ付かない。さっきから言っているというのに・・・これだから諦めを知らない人間は嫌いだ。」

咲夜「まだま・・・グハッ!」


ついにきてしまった・・・魔力資源の枯渇(タイムリミット)。これ以上動けば、今度は自らの魂を魔力に変換する事になる。


咲夜「はぁ・・・はぁ・・・グッ!ゴハッ!」

イザナミ「もう体は限界だ。それ以上苦しんでも仕方あるまい。楽にしてやろう・・・」

咲夜「最後に聞きたい・・・貴様の目的はなんだ!」

イザナミ「黒崎終夜・・・正確に言えば、イザナギの遺伝子を持つ悪魔の全滅。」

咲夜「神の・・・遺伝子を持つ悪魔?」

イザナギ「おっと、聞いていないのか。」

咲夜「何をだ!」

イザナミ「悪魔の成り立ちだよ。悪魔は無から生まれるわけじゃない。それに悪魔は悪魔だが、皆それぞれ元の種族は別々だ。」

咲夜「悪魔は種族として存在する筈だ!」

イザナミ「それは結果だ。悪魔になる前に神だった者もいるだろう。」

咲夜「じゃあ悪魔とは・・・」

イザナミ「そう、悪魔とは、一部の生命体が脅威的な進化を遂げただけなのだよ。実際貴様も、人間から悪魔になった身だろうに。」


悪魔は本来、元から力を持つ種族かと思われていたが、実際はそれぞれ異なる種の中で、力を持ちすぎた者や、禁忌とされた力を手に入れた者が、なってしまう姿だったのだ!


イザナミ「黒崎終夜はイザナミの子孫でありながら悪魔になった。それだけの事よ・・・話は終りだ、死ね。」


イザナミの剣が私を貫くーーーーーーー







キンッ





事はなく剣は刃を真っ二つにして、地に落ちた。


イザナミ「邪魔が入ったか・・・誰だ!何処にいる!」


声は返ってこない。


イザナミ「気配がないだと・・・」

咲夜「・・・ふふふ・・・ハハハハハ!」

イザナミ「何が可笑しい!」

咲夜「何が可笑しいって・・・あんたの間抜けさだよ!」





タンッ



小気味好く音を立てて、一発の銃弾がイザナミの頭を撃ち抜いた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『・・・マーベラス・・・』


今この手で奴を撃ち抜いた感覚を覚えた俺は、そこから奴の魔力を採取する作業に入る。銃弾を転送、細胞から魔力を採取、解析・・・


『これでよし、そんじゃあ・・・』





二度目の反撃だ。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


イザナミは、死んでない。しかし、終夜の銃弾は確実にイザナミの頭部を貫いた。有効打にはなっているはず・・・


イザナミ「・・・今、何があった」

咲夜「まだわからないの?神のくせにこんな事も理解できないの?」

イザナミ「今、何があった」

咲夜「貴方は何処までバカなの?そんなの見れば理解でき」

イザナミ「今、今、今、今、い、い、い、イマァァァァァァァ!」

咲夜「っ!?」


突如、イザナミから強烈な殺気が溢れ出した。急いで距離を取ろうとするが、足がまるで固まったかのように動かない。


咲夜「くっ、動け!」

イザナミ「俺がァァァ!俺の頭にィィィ!」

咲夜「うるさい!いい加減死ね!」


私が投げたナイフはイザナミの身体に吸い込まれていった。


イザナミ「俺は終わることは無い!終わることは無いんだぁぁぁぁぁ!」


刹那、周りの生命が突然怯え出した。草木は弱り、動物は一切姿を見せない。イザナミの殺気は、キレた終夜並みだった。


イザナミ「私は完成してなくてはいけない・・・この戦いに勝つには、私は完成してなくてはいけない!」

咲夜「どうゆう事?」

イザナミ「本当はお前を傷つける事も嫌だった。終夜も倒したく無い・・・だが、だがしかし!奴との賭けに勝つには、終夜を殺さなくてはならないのだ!消さなくてはならないのだ!」


気付いたらイザナミは泣いていた。自分から発される、この邪悪な殺気を洗い流そうとする様に。


咲夜「・・・その賭けに、貴方は何を賭けているの?」

イザナミ「・・・この世界だ。負ければこの世界は混沌に包まれる・・・奴らの世界になる・・・」

『そうゆうことか。』

咲夜「終夜!」

『イザナミ・・・俺を殺せ。』

イザナミ「・・・・・」

咲夜「終夜!?正気なの?こいつはこの世界を破壊しようとして貴方を殺そうと」

『違う。彼等はこの世界を賭けさせられているんだ。彼等が生み出したこの世界を。』


どうやらイザナミ達は、何者かにこの世界を賭けて勝負させられている。勝負の中身は、俺を殺せるかどうか。そう終夜は言った。


イザナミ「私の夫の血が流れている。そんな奴を私が殺す事が、どれ位惜しいか!どれ位悲しいか!だが、夫と作り出して育んできた世界を天秤にかけたら・・・」

『知っている。だから俺を殺せ。』


私は何も言えなかった。世界と終夜。この二つを天秤にかける事自体が想像もつかないのに、それを血の繋がった人に言われるこの辛さを私はわかってあげられなかった。イザナミは暫く黙っていたが、


イザナミ「・・・・・・終夜、話をしよう。もし同じ能力を持ち、片方は自分の能力を過信している人間で、もう片方は自分の能力を過小評価している人間の二人が、人生を賭けて勝負をしたら、どちらが勝つと思う?」

『・・・過信は油断を生み、油断は負けを生む。』

イザナミ「では、ポーカーなら?」

『・・・っ!!』

イザナミ「賭けとはそうゆうものだよ、終夜。」


終夜は目を瞑り、10秒息をはき続けると、



ズバッ



手動で笑顔のイザナミの首を斬った。

イザナミはいい奴だったよ!

予想外の展開になるこの戦い!果たして、真の黒幕は誰なのか!そして、終夜は幻想郷を救えるのか!

次回!「東方神話伝〜自分と向き合う事〜」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ