東方神話伝〜伊弉冉の怒り〜
バトルシーンってこんな感じ?
ある日、幻想郷の夜空に大量の流れ星が現れた。
ある者は不思議に思い、ある者は綺麗だといい、ある者はそれを肴に酒盛りを始めた。
そしてある者は
時が来たことを理解した。
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『咲夜。』
咲夜「何?」
『これから少し紅魔館を離れる。どうやら俺でしか解決できない異変が起きたようだ。』
咲夜「・・・それは昨日の流星群に関係があるの?」
『そうだ。そしてこの異変は・・・俺が原因で起こってしまった異変なんだ。』
咲夜「貴方には無駄かもしれないけれど・・・一人で行くなんて無茶よ!それに・・・」
『それに?』
咲夜「恐らく戦うのはイザナミ・・・違う?」
『!!・・・そうだ。イザナミが幻想郷に現れようとしてる。止めれるのは俺だけなんだ。』
咲夜「前回の異変を忘れたの?」
前回、神の世界にて俺はゼウスにこの世界から消されてしまい、咲夜達によって助けられた。
『確かに俺一人で行ったら負ける・・・だから頼みがあるんだ。』
咲夜「頼み・・・」
『1時間経って俺が戻らなければ、旭とーーーを連れて来てくれ。』
咲夜「ーーー!?なんであの子を?」
『咲夜ならわかってくれる筈、頼んだぞ。』
咲夜「・・・頑張ってね。」
咲夜の言葉は様々な事があり、それを乗り越えてきたからこその思いが詰まっている「頑張って」だった。まるでその「頑張って」に自分の半身を預けた様な重さがあった、
『・・・行ってくる。』
ならば俺も君に半身を送ろう。これで君の半分は俺、俺の半分は君。一人で二人。
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イザナミ「・・・!」
『やはり来ていたか・・・イザナミ・・・』
イザナミ「久しいな、黒崎終夜・・・アスタロト・・・そして・・・【イザナギ】!」
『まったく・・・この因縁は切れそうにないな・・・』
イザナミ「この世界で伴侶を選んだということは・・・この世界で死ぬという事だな?」
『違うな・・・この世界ならお前を倒せると、いう事だ。』
イザナミ「面白い・・・理由を聞こうか。」
『ここは・・・【標準世界】だ。
イザナミ「・・・フッ・・・フハハハハハハハ!それが私を倒せる理由か?それが?」
『これを見て言おうぜ。』
そして俺はこいつを取り出した。
『これはお前の世界にあったもんだ。』
俺が取り出したのは、火。しかし一般的な火と言うと、プロメテウスが人間に与えた火。しかし俺が持っているのは・・・
イザナミ「火之迦具土神の炎か・・・それでまた私を焼くと言うのか?」
『違うな・・・こうするんだよ!』
俺は、自らの体にその火を放った。
イザナミ「火中の策と言うやつか、面白い・・・やってみろ!」
身体は熱くはない。むしろドンドン冷えていくような感覚に陥る。ヒノカグツチの炎は、燃えるために魂を必要とする。その為、戦える時間はもって1時間。
『ダーインスレイブ!』
すかさず俺は剣を呼び、構えを取った。しかしイザナミは・・・
イザナミ「これが低俗な者の考えよ・・・何かを味方につけんと勝てない・・・実にくだらん。」
『なるほど・・・貴様が魔力を使って手に入れた力、見せて貰おう!』
剣技その死『次元斬』
俺が放った斬撃は本来なら避けられずに当たるはずだった。
そう、《はずだった》んだ。
イザナミ「なるほど、剣技にも磨きをかけたようだな・・・」
結果と結論が一致しない。《次元斬が当たった》という結果は出たのに、結論としては《イザナミには当たらなかった》となってしまった。このような経験は流石にない為、俺は生まれて初めてと言っていいほど、狼狽えた。
【狼狽える】
それは本来誰もがする事でそれはある一つの感情からなるものだ。
【恐怖】
敵を見て怯えるのも逃げ出すのも足がすくむのも驚くのも諦めるのも、全て恐怖という感情の元に起こす感情である。
黒崎終夜は、今まで恐怖することが無かったからだ。それは、圧倒的自身、「俺はこいつより強い」と、確固たるものがあったからである。
しかし現在、終夜は、自分と同じ力を持つ者だと思っていた奴が、自らの予想を遙かに上回る力を備えていたのことに、【恐怖】を覚えたのだ。
そして、【恐怖】は隙を生む。強者には充分勝てる時間の隙を。
結果から言おう、《黒崎終夜は負けた》
結論としては《黒崎終夜は一切攻撃を受けずに負けた》
これにより、黒崎終夜の上にイザナミが立った。神話が遂に変わろうとしている・・・【神産みの儀式】から全てが今、変化しようとしている。
しかし一つだけ救いがあるのなら、終夜は
まだ生きている。
違うねどうみても。
終夜「そもそもバトルしてないじゃねえか!」
ま、お決まりの展開ですよ皆さん!
とりあえず次回もお楽しみに!