【幻想郷での日々】×【東方漆黒記】=《幻想郷での漆黒な日々》Part3
デキター!
side薫
『ふぅ・・・これであらかた倒したな・・・』
旭「あらかたと言うより全部じゃねえかよ・・・俺達にも戦わせろ。なぁ薫?」
薫「あ、いえ、僕は里の皆が守れればそれで・・・」
『・・・どうやらお前らにも戦ってもらわなくちゃいけないのが来たようだな・・・相当の妖気だ・・・注意しろ。』
旭「安心しろ、腕の傷は完璧に癒え・・・ごめん、俺パス。」
『ルシファー・・・やっぱり俺じゃないとダメか・・・』
終夜さんの銀刀砲で敵は全て消え去ったが、なんかまた現れたし・・・しかも妖気が終夜さんの通常時と互角ぐらいだし!
薫「し、終夜さん、あの人に見覚えは?」
『あぁ、俺の友人のルシファー・・・だったなにか。』
薫「なにかってなんですか!」
『あいつ、完全に感情を精神的に操られてる・・・いや、完全ではないな・・・』
旭「見た限りは・・・あ!バカ・・・それはダメだろ・・・」
突然旭さんが頭を抱えだした。わけがわからないよ。
『うん、お前の敵って、あんまおつむがよくないな。』
薫「そうですかね?」
『それはそうと薫。』
薫「はい?」
『あいつの攻撃、何分耐えられる?』
・・・は?
薫「いや、無理ですよ!あんな奴の攻撃食らったら一分も持ちませんよ!」
『じゃあ三分でいい!魔力を精製するまでの間、奴の攻撃を耐えきってくれ!旭はあいつとは相性が悪くて戦えない・・・お前だけが頼りなんだ!』
・・・終夜さんが僕を頼りにしていてくれている・・・僕はその期待に・・・答えてみせる!
薫「わかりました・・・三分耐えます!」
『頼んだ!はぁぁぁぁぁぁぁ・・・』
すると停滞を守っていた敵の目が赤く光り、信じられないスピードで襲ってきた。しかし
薫「今なら見える!」
さっきの終夜さんの戦闘で動体視力は鍛えた!後は
薫「結界!」
結界で敵の拳を弾き飛ばす・・・筈だった。
パリン!
薫「なっ!?」
結界は音をたてて砕け、拳はまっすぐ僕の腹に
ボゴッ!
薫「ガハッ!」
くっ、危うくもう意識が飛びかけた・・・そして僕が目を離した隙に気がつくと敵は僕の後ろにいた。
薫「くっ、結界!」
パリンドガッ
同じ結果、同じ結末。しかし僕は違った。そして敵が僕の懐に入ったのを確認する前、敵が消えた瞬間
魔法結界『リフレクトバリア』
薫「自分の火力を思い知れ!」
バゴォッ!
敵は数十メートル吹き飛ばされたが、またすぐ立ち、飛んでくる。
薫「僕は貴方なんかに負ける訳にはいかない!」
僕はとっさに思い付いた技を実行してみることにした。結構魔力使うけど・・・
薫「ヤァッ!」
僕は突っ込んでくる敵を真正面から見据え、刹那を狙って下に滑り込み、敵の腹めがけて拳・・・ではなく開いた片方の手を突きだし、レーザーを放った。そして間髪入れず反対の手を突きだしレーザー。それを交互に出しまくる!
薫「ヤァッハァッハァッハァッハァッ!」
ここまでダメージを与えれば敵も・・・
ルシファー「・・・ガァッ!しゃらくせぇっ!」
・・・え?
旭「あー・・・残り一分か・・・果たして生きてるか・・・」
ルシファー「薫とやら、今から本気でいくから覚悟しやがれ!オラァァァァァァァァ!」
とんでもない妖気が発された後、喋り始めた敵が、さっきの速度はまるでお遊びかという速さで跳んできた。
薫「結界!」
ルシファー「邪魔だ。」
グシャッ
結界がまるで紙のように握りつぶされたと思ったら、敵は目の前にいた。
ルシファー「まずは一発・・・」
バゴォッ!
目の前が白と黒で点滅し、顔に激痛が走る。たちまち体は重力から解放され、慣性にしたがい飛んでいく。速い話、顔面を思いっきり殴られた。
薫「グハッ!」
旭「薫!」
近づこうとする旭さんを手で止める。旭さんと敵は相性が悪いなら、僕が踏ん張らなくては。
ルシファー「・・・流石、と言ったところか・・・」
薫「来い・・・残り三十秒・・・どんな攻撃も耐えきってみせる!」
ルシファー「いい目だ・・・俺や終夜に劣らない目・・・その目を絶対に曇らせるなよ・・・俺の魔装武器!」
旭「おい、新スペルは不味い!コラボ作品だぞこれ!」
ルシファー「知ったことかぁぁぁぁ!どうせもう俺が戦うことも暫くあるまい!ならば今暴れるべき!来い、アダマスの鎌!」
すると空が割れ、空間が裂けた後、その割れ目から禍々しいオーラを放つ鎌が下りてきた。
ルシファー「薫とやら・・・これを防げたらお前はもう弱くなどない!今こそ全力を見してみろ!」
薫「はい!僕の・・・スペルカードォォォォォ!」
大結界『四神結界』
ルシファー「残り十秒、耐えきってミセロォァァァァァァァァァァ!」
カンッカンカンカンカカカカガガガガギャギャギャギャリギャリギャリギャリギャリ!
鎌から放たれる斬撃とその威力は、さながら鉄を切断するチェーンソーのごとく、結界を傷つけていく。
薫「だけど、その程度なら耐えきれる!」
ルシファー「確かに、その程度ならなっ!」
薫「何!」
敵の斬撃はちょうど×印を刻んでいた。そして敵はその印の中心に
ルシファー「オラァァァァ!」
ビキッ!
パンチを繰り出した。つまり、鎌でつけた傷は、ヒビを入れやすくするためのものだったのか!
薫「だけど、まだ耐えられる!」
ルシファー「もう武器は要らねえ!男なら!拳だぁぁぁぁぁ!」
ドドドドドッ!
凄まじい拳の嵐が結界を襲う。瞬く間に結界にはヒビが至るところに入る。しかし割れないのは、僕の思いがまだ諦めてないから。
ルシファー「絶対に砕く!アァァァァァァ!」
ドガガガガガガガ!
敵は拳の他にも、蹴りや頭突きなど、ありとあらゆる格闘技で結界を砕こうとする。ガガガガという音の中に微かにバキバキという音がした。恐らく相手の腕や足の骨にヒビが入ったのだろう・・・もしかしたら既に折れているかもしれない・・・僕は無意識に呟いていた。
薫「なんでそこまで・・・」
ルシファー「男だからだ!男なら一度決めたらやり通せ!お前も男なら覚悟決めやがれ!」
薫「上等だ!僕は負けない!」
結界の硬度がさらに増したように感じた。しかし敵の攻撃も激しさを増してくる。それはまさに、どんな物も貫く矛と、どんな物でも貫けない盾が、一点でせめぎあっている様だった。
ルシファー「まだまだぁ!ぐぁぁぁぁぁぁ!」
薫「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!負けてたまるかぁぁぁぁ!」
お互い霊力や妖力、魔力の類いはもう残っていなかった。強靭的なスピードも、異常な硬度の結界も、どちらも精神の力によって作られていた。そして残り一秒、均衡が破れる。
バキバキバキッ
結界が遂に割れた。迫りくる拳・・・だけど!
薫「負けるものかぁぁぁぁ!」
ルシファー「はぁぁぁぁぁぁぁ!」
僕は反射的に拳を出していた。本来なら無謀な行為。しかし僕の精神力は、僕の知らぬ間に拳に結界を張っていた。
ドゴォォォォォッ!
拳のぶつかり合いとは思えぬ音、気迫。そして・・・一分が経過した。
ドサッ
僕と敵は同時に地面に倒れた。あぁ・・・終夜さん達の心配する声が・・・
???「薫!しっかりしなさい!薫・・・」
あれ?この声は・・・霊夢?・・・僕を心配して来たのか・・・まだ・・・僕を心配してくれるのか・・・
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side終夜
倒れた薫とルシファーはお互いボロボロだった。ルシファーは悪魔だからなんとかなるが、薫が心配だ・・・すると
霊夢「っ!?薫!しっかりしなさい!薫!」
この世界の霊夢が現れた。
『霊夢か、事情は後で説明する。とりあえず今は永遠亭に!』
霊夢「わ、わかったわ!薫、死んじゃダメよ・・・」
そしてなんとか薫は永遠亭で処置をしてもらい、一命をとりとめた。
霊夢「・・・で、一体薫に何があったの?」
俺は全てを霊夢に伝えた。
霊夢「そう・・・それじゃあ私はもう行くわね・・・」
『おい、薫と話さなくて良いのか?』
霊夢「薫とは・・・今は話せない・・・なんて言っていいかわからないから・・・」
『そうか・・・わかった。』
そして霊夢は去っていった。
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side薫
目が覚めると、永遠亭のベッドで寝ていた。近くには終夜さんと旭さんがいた。
薫「あ、終夜さん、人間の里の皆は無事でしたか!」
『あぁ。まさか本気のルシファーと相討ちとは・・・さんはもういらないな。』
旭「あぁ、同感だ。」
薫「え?それはどういう・・・」
『お前はもう俺達と互角って事だ。それにルシファーは、途中から操りを解除したんだ。恐らく黒幕が操った感情が戦意だったんだろう・・・』
薫「そうだったんですか・・・でも、僕は終夜さん達に比べて霊力も魔力も全然足りてないのに・・・」
『霊力や魔力は確かに必要だ・・・だが、それよりももっと必要なもの・・・気持ちの強さだ。ルシファーと気持ちで張り合えたお前は俺等にも劣らない・・・いや、俺等を越えた精神力の持ち主だ。』
薫「!・・・終夜さん・・・いや、終夜。本当にありがとう!」
『ふっ、やっぱりこっちの方が薫らしいな。』
旭「うんうん・・・さて、俺等はもう行く時間だ。」
薫「そうですか・・・じゃあ、終夜。記憶消去をお願いするよ。」
『・・・てっきり俺はまた嫌がるかと思ったが。』
薫「終夜ならいつでもこっちに来れるだろ?それに・・・いつもこっちに来られたら紫さんが可哀想だろ?次は僕が終夜より強くなってそっちに行く。」
『ほぅ・・・俺より強くなるか・・・』
旭「俺は無視か・・・いい度胸してるな・・・」
薫「あっ!ごめんなさい!」
旭「別に謝らなくていいよ。目標はより強い方がいい。頑張れよ!」
薫「はい!」
そして俺は記憶を消去した薫を紫に預け、自分達の世界に帰っていった・・・
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side薫
また気を失ってたようだ・・・ん?ポケットに・・・なんだこれ・・・
薫「鉄砲の・・・弾?しかも火薬詰まってる・・・形からして・・・スナイパーライフル?」
何故ポケットにスナイパーライフルの弾が入っていたかわからないが・・・これを捨てる気にはならなかった。何故なら、これを握ると、知らず知らずに自信が満ち溢れてくるような気がするからだ。
はい、コラボお疲れ様でした!薫君のキャラが情緒不安定(笑)と結構難しく、とてもやりがいのあるコラボでした!
いやー、楽しいねコラボ!
さて、そんな東方漆黒記も三万PVを突破したので、のんびり記念で色々やります!それでは次回もお楽しみにー!