悪運の来襲〜戦闘の絆〜
そろそろこの異変も御仕舞いかな・・・
side咲夜
咲夜「ルシフェル!?何故貴方が!」
ルシフェル「っるせぇ!いいからさっさと戦いやがれ!お前らも来い!」
レオーネ「了解です。」
マルバス「まさかまだまだ出番があるとは。」
エリゴル「作者も粋な事をするものだ。」
次々と悪魔が現れ、瞬く間に辺りは血と肉が飛び交う殺戮の場となった。
咲夜「強い・・・これが十三使徒の実力・・・」
鳩「えぇ、元々十三使徒は組織的な活動が主でしたので、チームを組んでの戦闘では、右に出るものはいないとされていました。」
咲夜「じゃあ私達が勝てたのは、タイマンだったからなのね・・・」
そして数分もたたずに敵は消え去った。そう、塵一つ残らなかったのだ。
ルシフェル「ふん、屑め・・・」
咲夜「あの!」
ルシフェル「・・・なんだ、まだいたのか。」
咲夜「なんで」
ルシフェル「なんで助けたのか?それはな・・・腐ってもダチだからだよ。」
咲夜「・・・・・」
ルシフェル「お互いに殺しあったとしても、お互いの信念は否定しない。もしもどちらかに危険が迫ったら守り抜く。俺達は一応ダチだからな。」
咲夜「例え道を違えてぶつかることがあろうとも・・・」
ルシフェル「そういうことだ。後な、あの閻魔が死んじまったらつまんねえンだよ。」
レオーネ「ルシフェルさんが言葉の裏をかいて閻魔を追い詰めて、怒った閻魔がしまいには泣き始める・・・そんな楽しい日常、あんな雑魚に壊されるわけにはいかないでしょう?」
ルシフェル「だから地獄はもう俺らのテリトリーだ。安心しときな。さ、さっさと因果を持って帰りな。」
咲夜「・・・あり」
ルシフェル「礼はいうな、約束が廃れる・・・」
私達はお辞儀をすると、紅魔館まで急いで戻った。かなり時間はヤバイ。
咲夜「鳩さん、後何時間!?」
鳩「二時間です!」
そして私達は紅魔館に戻った。そしてドアを開けると
咲夜「なに・・・これ・・・」
紅魔館の中には一人の悪魔と、五つの石像があった。
???「おや、やっとのお帰りでしたか、待ちましたよ?お陰でこの石像が壊れる寸前です。」
咲夜「貴様・・・お嬢様達に何をした!」
???「おやおや、まだわからないのですか?それとも・・・認めたくない、真実を知りたくない、そんな気持ちのせいですかね?」
咲夜「くっ・・・」
???「おやおや、図星ですか?」
そう、私は知っていた。お嬢様達に何があったかを。レミリアお嬢様、パチュリー様、美鈴、小悪魔、妹様は、石像にされた。知ってはいた。ただ、認めたくなかった。
鳩「咲夜さん、敗北を認めてはいけません!絶対に諦めてはいけません!」
咲夜「けど・・・だけど・・・」
鳩「石像に変えられたくらいでは、命は失いません!咲夜さん!」
???「ちょっと・・・邪魔しないでくれますか、アザゼル君。」
瞬間、鳩の体が震えた。
鳩「その名前で俺を呼ぶな!この下践がぁ!」
???「ふふっ、だから邪魔しないでって言ってるでしょ!」
鳩「ぐぼぉっ!」
鳩が紅魔館の壁に叩きつけられる。
???「さてと、自己紹介が遅れたね、僕は禍神。能力は【悪を操る程度の能力】だよ。他に質問は?」
咲夜「何故お嬢様達を石にした!」
禍神「・・・僕は五月蝿いのが嫌いだからさ。だから音を発しない自然の方が愛しやすい・・・ほら、石なら何をしたって構わない・・・」
そう言いながら禍神は石像に触れ始めた。
咲夜「お嬢様に・・・触るなっ!」
禍神「ふふっ、まったく人間って・・・」
ガシッ
禍神「バカだよねぇ!」
ブンッ・・・ドガッ!
私は勢いよく壁に叩きつけられた。鋭い痛みが全身を走る。おかしい・・・さっきあいつに近づいた時、体の制御が効かなかった・・・
禍神「もうボロボロだから種明かししてあげるよ・・・君達が僕を攻撃してきたとき、殺す気できたでしょ。君達は元々、殺人に対する教育を受けてない・・・殺人は悪だという概念がまだ残っていた。つまり君達の中では殺人は悪。僕はその悪を操るだけ。悪の認識を高めれば、君達は動けなくなる。」
だからあの時罪悪感が高まったのか・・・
禍神「さて・・・君も石像にしてあげるよ・・・」
咲夜「グハッ・・・来い!返り討ちにしてやる!」
禍神「ふふっ、いいよ。」
そして私が再びナイフを持って突っ込もうとした瞬間―――
???「ダメダメ、そんな事しても無駄だよ。だって相手を傷つける事すら悪って思ってるじゃん。まったく、まだまだだね、咲夜ちゃん♪」
咲夜「・・・嘘っ!なんで貴方がここにいるのよ!」
禍神「何、お友達?」
???「うーん・・・咲夜ちゃんからしたら仇だけど、私からしたら親友ね。」
咲夜「何しに来たの!べリアル!」
べリアル「ちょっ、咲夜ちゃん怖ーい!大丈夫、今回は味方だから。」
べリアル・・・終夜の別人格が具現化された物。そして終夜を倒して神界に送り込んだ張本人。
咲夜「貴方悪の塊じゃない!」
べリアル「えへへ、じゃあとりあえず見てて!」
そう言うとべリアルはゆっくりと視線を禍神に合わせ、手を挙げて勢いよく降り下ろした。あの技だ。
べリアル「行っくよー!」
禍神「瞬間移動・・・そんな事したって・・・ゴブッ!?」
咲夜「何っ!?」
べリアル「あら?普通にパンチしただけなのに・・・」
そう、べリアルは私でも避けれるパンチをしたのだ。しかしそれは見事に禍神に当たったのだ。
禍神「こいつ・・・まさか!」
べリアル「君、能力に頼りすぎてるね、弱すぎ。」
ヒュン
禍神「ギャァァァ!ウギャァァァァ!」
禍神の足が消え去った。残るのは綺麗な切れ口だけである。
べリアル「そう言えば、なんで私が生き返ったか、教えてあげるよ。私が終夜と戦った後、能力が覚醒したんだよ。今まで物理的な物しか削れなかったのが、ありとあらゆる物が削れる様になったんだ・・・私は真っ先に自分の狂気を削り取ったよ。次に過去を消そうとした。そしたら・・・できたんだ!私が死んだという過去は削り取れたんだ!それで私は咲夜ちゃんを助ける為にここに降りてきたってとこ。」
なんとも凄い能力だ・・・まさか過去まで削れるとは・・・慧音といい勝負な気がする。
べリアル「それでね、今から実験をするの♪こいつの存在を消し去ったら記憶からも削れるかなって!」
禍神「お、おい!何をする!よせ!」
・・・私は理解した。どうしてべリアルのパンチが禍神に当たったかを。
この子には罪悪感が・・・ない。むしろ殺人を遊びとしか考えていない・・・だから彼女の中には一片たりとも悪はない・・・
べリアル「いっくよー・・・えいっ!」
フラッシュ
べリアル「あれ、私何を削ったんだっけ?」
咲夜「さぁ、でも、助けてくれてありがとう。べリアルちゃん!」
ギュー
べリアル「!?・・・キュー」
私がべリアルを抱き締めると、べリアルは顔から湯気をだして倒れてしまった。暫くするとお嬢様達の形をした石像がボロボロ崩れ、中から本物が現れた。
レミリア「うーん・・・あれ・・・私生きてる!」
小悪魔「咲夜さん!助けてくれたんですね!」
咲夜「小悪魔、頑張ったわね、御苦労様。」
小悪魔「・・・咲夜さぁぁぁん!えっぐ、ひぐっ・・・」
咲夜「ほら、泣かないの。」
泣き出した小悪魔を宥めながら、私は鳩に向かって石を投げた。
咲夜「いつまで眠ってんのよ。」
鳩「すみません、べリアルが怖かったので。」
べリアル「極悪人とされてる奴がいたら誰でもビビるよね。」
鳩「さて、それでは最後の手順です!時間がありません、早く!」
遂にラスト・・・待ってて、終夜!
べリアル「ヤッホー!全国のべリアルファンの皆、お待たせー!」
終夜「誰も待ってねえよ!むしろ皆驚いてるよ!死んですぐ戦闘復帰とか!空気読めよ!」
べリアル「だって・・・暇なんだもん。」
終夜「俺に比べればよっぽど楽しそうだね!畜生、咲夜に抱きつかれやがって・・・」
べリアル「ふふーん、羨ましいだろ!」
終夜「羨ましいに決まってンだろ!もう間接でいいから抱きつかせろ!」
べリアル「え、やだよ。」
終夜「くそぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
鳩「クルッポー、次回もお楽しみにー。」