暇の逆襲
前半と後半のギャップが酷い・・・
幽々子「へー、案外執事も暇なのね。」
『家事は全て咲夜がやっちゃうんだよ、手伝わせてくれなくてさ。』
幽々子「なら、妖夢でもからかってくれば?あの子可愛いわよ〜♪」
『寝顔の写真撮ったけど、見る?』
幽々子「見る見るっ♪」
妖夢「ちょっ、二人とも何してるんですか!」
『可愛い妖夢の可愛い寝顔を見て可愛い妖夢の反応を伺ってる。』
妖夢「可愛いなんて・・・そんな・・・」
幽々子「可愛いわよ妖夢♪」
妖夢「〜〜〜っ!」
妖夢は暫く床をゴロゴロしていた。
『おい、妖夢。』
妖夢「・・・はい?」
『半霊貸して♪』
妖夢「嫌です♪」
これも想定内。むしろ想像通り。
『そうか・・・これでもか?』
俺は妖夢に近づくと、耳元にそっと息をかけた。
妖夢「ちょっ・・・終夜さん?」
『俺だってこんな事したくないんだよ・・・でもお前が悪い子だから・・・』
妖夢「ひゃっ・・・くわえないでくだしゃい・・・」
そっと甘噛みすると妖夢が可愛いらしい声をあげてくれた。
幽々子「絶景・・・ねぇ、紫?」
紫「えぇ・・・やっぱり終夜は面白いわ・・・」
なんか後ろでニヤニヤしてるお二方がウザいが、気にせず妖夢の耳元で囁く。
『妖夢・・・貸して?』
妖夢「わ・・・かりま・・・した。」
実は俺は声のエネルギーを少し歪ませて催眠効果を付けていたのだ。
『幽々子、はい半霊。』
幽々子「相変わらずオトすのが上手いわよね〜。」
紫「果たして何人オトせるかしらね・・・」
『この二人は・・・まったく・・・俺はそろそろ帰るぞ。』
そして俺は紅魔館・・・だった場所に帰ってきた。
『・・・これは夢か?』
紅魔館があった場所には、巨大な要石が落ちていた。
『咲夜・・・レミリア・・・美鈴、パチュリー、小悪魔、フラン!』
俺が叫んでも返事がない。
紫「安心して、彼女等は私がスキマで永遠亭に送ったわ。」
『そうか・・・犯人は?』
紫「・・・生意気な天人よ。」
『そうか・・・』
瞬間、紫が気絶した。俺の出した殺気は、周りの草葉を枯らし、地面に亀裂を与え、雲を割った。
旭「ちっ、間に合わなかったか。霊夢、なんとしてもあいつを止めろ!」
霊夢「御免終夜!」
霊符『夢想封印』
俺は弾幕を指一振りで消し去ると、霊夢に殺気を浴びせた。霊夢は気絶した。
旭「ダメだ・・・気をしっかり保て終夜!」
『俺ハ・・・スベテヲハカイスル!』
すると、俺の目が碧に染まり、背中から漆黒の球体が七つ出てきた。
旭「マズイ・・・止めるんだアスタロト!」
『オレハアスタロトジャナイ・・・【破壊の悪魔】、ベリアルダ!』
そう言うと俺は飛び上がった。雲を突き抜け、大気圏まで昇ると、見事な邸が見えた。俺は手を振る。それだけで邸は瓦礫と化した。
???「まったく・・・お嬢様はなんて奴の怒りを買ったんですか・・・久しぶり・・・ですか?」
『・・・【永江衣久】。アスタロトノトモニシテ、【排除対象】!』
衣久「仕方ない・・・私が止めます!」
魚符『龍魚ドリル』
【私】はそれを片手で受け止めると、それと同じものを【彼】の憎しみのエネルギーで返した。
衣久「くっ・・・強い!」
『オソイ・・・ッ!』
私は光速で衣久に近づくと、拳を衣久の顔面に叩き込もうとした。
衣久「キャァッ!」
しかし・・・拳は衣久の眼前で止まった。【彼】が【私】の邪魔をしたのだ。
『ジャマヲ・・・スルナッ!・・・それはこっちの台詞だ!衣久先輩、速く逃げて!』
衣久「一体何が・・・」
『いいから速くゴホッ!・・・チッ、デシャバリヤガッテ・・・』
私が振り向くと衣久の姿は無かった。
『・・・ニガシタカ・・・ダガヤツダケハシトメル・・・』
そして私はこの異変の元凶、そして新たな出発点を見つけた。
???「あら、もう来たのね。」
『【比那名居天子】。【第一級復讐対象】ニシテ【今回の異変の首謀者】。種族ハ【天人】・・・フジミカ。』
天子「退屈してたのよ、だから貴方も暇潰しに倒してあげる!」
『フザッけるなよ餓鬼がァ!』
俺は弾幕を展開する天子の顔面に拳を確実に叩き込んだ。
天子「ゴフッ・・・へ、へぇ、やるじゃない。」
『キサマだけは殺さナイと気がスマン!』
天子「出でよ、緋想の剣!」
そう言うと天子の手には剣が握られていた。
『・・・しゃーない、今回だけだぞ。・・・サンキュー♪』
分身『魔王ベリアル』
俺の体から奴が出ていく。そう、俺の憎しみのエネルギーを利用しようとしたのがこいつだ。危うく体を乗っ取られるところだった。
ベリアル「覚悟しな天人。」
『今から俺達が・・・』
「『本当の地獄を見せてやるからな!』」
永淋「旭、霊夢と紫の具合は?」
旭「後、数十分で目が覚める。」
永淋「そう・・・それで、一体あの子の中には何がいるの?」
旭「それは・・・紫と霊夢が目覚めてからだ。」
永淋「・・・・・」
咲夜「お嬢様方、これを・・・」
レミリア「これは・・・終夜が残したメモ?」
咲夜「意識を取り戻して紅魔館に行くと壊れた入口にこの封筒が。そして中には私達宛の手紙らしき物が・・・」
パチュリー「これは紅魔館組の私達が全員揃わないと読めない魔術ね・・・開けましょう。」
咲夜「いきます・・・っ!」
咲夜が封を解くと、中から手紙が現れた。
咲夜「・・・・・嘘だ・・・嘘だっ!」
レミリア「咲夜、何が書いてあったの!?」
咲夜「そんな筈はない・・・終夜が・・・終夜が作り物の人格だなんて、私は信じられない!」
レミリア「終夜が・・・作り物?」
手紙の内容はこうだった。
《紅魔館に住む俺の家族よ、今暫し俺は別れを告げなくてはならないかもしれない。俺の過去を再び話そう・・・俺は悪魔アスタロトと契約した後、様々な敵と戦い、仲間と出会い、アスタロトの仲間とも出会ったりした。しかし・・・その時から俺の体に異変が起き始めた。俺の人格が・・・二つに増えた。始めは寝ている時に水を飲む程度だったが、仕舞いには意識があるのに体を乗っ取られる時もあった。俺はその人格の名を【ベリアル】と名付け、封印しようとした。しかし、その封印をするには、その悪魔アスタロトと人間黒崎終夜の融合体という自覚を持つ人格を消さなくてはならなかった。その為、私は黒崎終夜と言う名だが、空っぽの人格を作り出し、それに体の制御を任せた。そしてルシフェルとの戦いでアスタロトの人格が旭となった。その結果・・・ベリアルの封印が解け始めた。春の花粉が影響ではない、封印のせいなのだ。そしてベリアルは危険だ。奴と会話してわかったが、奴は狂気に満ちている・・・俺がもしこの異変を解決したら、ベリアルの封印は解け、奴は自分の思うままに暴れるだろう。だから俺は奴を止める。それが作り物の俺の最後な気がする。最後になったが・・・俺が消えたら旭を執事にしろ。あいつは俺より働いてくれる。それじゃあな、またいつか、来世で会おう。【黒崎終夜】》
・・・手紙には少し水滴で滲んだ場所もあった。
えー皆様どうも西園寺です。今回はかなり重々しい内容になってしまいましたね・・・しかしこっからは更に重々しくなります・・・ご了承ください。更に、更新スピードも下がります。すみません。ちなみに作者はこの異変を書くに当たって役作りをするためスーパーブルーになっております・・・だから会話させる気力もない・・・
次回はベリアルと終夜と咲夜の回です。乞うご期待ください。