8:二日目突入です。
この作品はフィクションです。
坂見 最緩。25歳。女。無職。
悪魔になって二日目。
「おはよ〜。」
「……おい。」
「何?」
「下僕の分際で我より遅く起きて来るとはどういうつもりだ?」
「え?遅い?」
時計を見ると、朝の8時。全然遅くなんてない。むしろ早い。健康的。
「どこが遅いってのよ。」
「我より遅いのが問題だと言っている。」
「へ、なんで。」
「…貴様…。下僕の意味をわかっているのか?」
「わかってるるわよ。要は、めんどいことする人でしょ?」
「……………。」
ゼルフは、ぷい、とそっぽを向いてしまった。なんか呆れられたらしい。そんなに変なこと言ったかな?
…まぁ、いいや。さて、朝ごはんの準備でもしますかね〜。
「……………今朝もか。」
「へ?」
「今朝もそれか。」
「そうよ?チョコフォンデュは最強なんだもん。だから、私の一日のスタートはチョコフォンデュなの。」
「貴様にとってはそうかもしれんが、一緒にいる相手の事も少しは考えんか!」
「?何が不満?」
「…何が?…。…なら、昨日のお前の食事を、順番に言ってみろ。」
「昨日?昨日は…。朝が、おにぎりチョコフォンデュでしょ?。んで、昼にチョコフォンデュつけ麺を食べて、おやつにチョコフォンデュドーナツ。んで、夕食に天ぷらチョコフォンデュで、夜食にチョコフォンデュ茶漬け。」
「…………………………。」
「何が不満なの?」
「逆に不満しか沸いて来ぬわ!なんなのだその甘ったるい一日は!」
「別に無理矢理食べさせたわけじゃないでしょ?」
「匂いだけで胸やけがする。」
「じゃあ、この家にいなきゃいいのに。」
「そうはいかん。我は下僕である貴様を監視する義務があるからな。」
「はぁ…。」
めんどくさい奴…。
「ごちそうさまでした。」
「…改めて聞くが。」
「ん?」
「うまいのか?その組み合わせ。」
「チョコと焼き鮭?」
「我には生命の冒涜にしか見えん。」
「どこがよ〜。美味しくいただいてるんだからいいじゃないの。」
「鮭にしてみれば、まさかそんな甘い仕上がりにさせられるとは思っていなかったはずだぞ。…哀れだ。鮭が実に哀れだ。」
「…あなた本当に悪魔?」
「下僕の分際で疑うな!我こそは高位悪魔である魔界の」
「あ〜はいはいはいはいわかったわかった。じゃあ、今日もさっさと負の感情を集めに行きますか〜。」
「話を聞かぬかっ!」
やれやれ…。朝から騒がしいわね、ホント。
しかし、この数分後。
この場がさらに騒がしくなってしまうことなど、
その時の私には、知る由もなかったのだった。
「今日こそ覚悟するのです悪魔っ!!」
ベタに新たなキャラの投入予告などしてみました(^_^;)