6:悪魔の悪夢はやばいです。
この作品はフィクションです。また、このパートには残酷な描写が含まれています。予めご了承ください。
夢。
人が見る夢は、基本的に、自由な世界。
でも、
時折、人は不自由な夢を見る。
それが、悪夢。
その中でも、
悪魔が見せる悪夢の恐ろしさは、
想像を絶するという噂。
というわけで、それじゃあまずは。
「!!?」
お〜。見事に首が宙を舞ったわね。そして、地面に落ちたら軽くバウンドして回転して転がって、体の方を向いて静止………、と。よし、我ながらナイスコントロール。ちょうど、体を失った首と、首を失った体が、向かい合っているような形に出来たわね。
血は溢れるほど出てるけど、身体に痛みは一切ない。何故なら、これは夢だから。
でも、恐怖という心の痛みは、なくなる事はない。ほら、そいつの表情が全てを物語ってる。
「!!ひぃっ」
うるさい。
「!………!!…!…!」
悲鳴なんてあげさせないわよ。人間は悲鳴を上げることで恐怖心を和らげようとするけど、そんなことはさせない。
最高の痛みを感じてもらわなきゃね、心に。
…しゃきん
…しゃきん
しゃきん
しゃきん
「…!?」
…ふふ、どう?
目には見えないけど音だけ聞こえるって、何気に怖いでしょ?。しかも、それが刃物の音だったりすると、尚更、ね。
普通なら振り向いたりするところだけど、生憎と首だけじゃあ振り向こうにも振り向けないものね。あはは、体の方だけわたわたしてる。コメディーホラーみたい〜。
…でも、この悪夢に、コメディー要素はいらないわ。
しゃきんしゃきんしゃきんしゃきんしゃきん
「!?!?!?」
この位置まで来れば、あなたからも見えるでしょ?この、宙に浮かぶ巨大なハサミが。…それにしても、ホントに巨大ねぇ。人間の胴体くらい、簡単に真っ二つに出来ちゃいそう。
で、も。
それじゃあつまらないわ。…まずは、この辺から、ね。
じゃきん!
「!!!!!」
…手首の断面って、地味にグロいわね。う〜わ〜、血とかどばどばじゃん。
こらこら、暴れるな。どの道逃げ道ないんだから。も〜、めんどくさいなぁ。
どすっっっっ!!
「!!!??」
我ながら、こんなに巨大な釘を一瞬でイメージ出来たのは見事だと思うわ。腹と壁を串刺しに出来たし、これで動き回ることはなくなるわね。じゃあ、もう片方の手首も、と。
「!!!!???」
あら?間違えて二の腕切っちゃった。バランス悪いなぁ…じゃあ、こっちの二の腕を…あれ?肩ごといっちゃった。じゃあもうめんどいから、こっちも肩ごといっちゃうか。………うん。これでよし。両腕なくなってバランスよくなった。
あ、こら。目を閉じるな。しっかり目を見開いて見届けなさい。自分の身体がバラバラになっていく様を…ふふふ。
…どう?
これが、恐怖よ。
あなたが普段、周りの人間に与え続けていたもの。
周りの人間は、いつも、心を切り刻まれるような気持ちでいたのよ。あなたによって、ね。
…でも、まだまだ。こんなもんじゃないわ。
周りの人間と、私自身の怨みもこめて、
臓器の一つ一つにいたるまで切断してあげるから、覚悟なさい。
大丈夫、痛くもないし、死にもしないわ。だって、これは、夢、なんだから。……ふふふ………あははははははははっ!
なるべくグロくはならないようにしてみましたが、いかがでしたでしょうか(^_^;)