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4:やっぱりこれは掃除機です。

この作品はフィクションです。

人がたくさん集まる場所。


そこは、たくさんの意思が集まる場所。


通じ合う意思もあれば、反発する意思もある。


それは当然の事。




が、




私がいた会社は、異常だった。


意思を持つことを許されていたのは、一部の腐れエリートどもだけ。


他の人間は、道具のようにこき使われるか、ストレスのはけ口にされるかの、二つに一つ。


…実に、腐りきった場所だった。




そんな場所に、私は今一度降り立つ。


人としてではなく、悪魔として。
















さっさとやれよ愚図!お前が仕事やらねぇと俺が怒られるだろ?




あ、やば…ミスったな…。…ま、いいや。あいつのせいにしとけば。




ちょっとあなた、さっき私の事睨んでたわよね?どういうつもりなの?言いたい事があるならはっきり言ったら?











「あらあらまあまあ…。」

今、私は、天井から社内の様子を見下ろしている。


会社は相変わらずだった。相変わらずの独裁会社。まぁ、私が自殺をしてから全然時間経ってないし、変わるわけがないけど。




「にしても…。なんでハエなんだろ。」


当然、元の姿のままで会社に入るわけにはいかないので、私は与えられた能力の一つで、ハエに姿を変えていた。


『悪魔が小型の生き物に変身するといえば、ハエかネズミかコウモリと、相場が決まっている。』


…って、ゼルフは言ってたけど…。そういうもんなのかな?


まぁ、空を飛べるの何気に楽しいからいいんだけどさ。


で、そのゼルフはというと、用事があるとかなんとかで、今ここにはいない。…悪魔になりたての私を、いきなり一人で行動させるかね?普通。サボり放題じゃん、こんなの。


………いや、サボりはしないけどね。負の感情貯まってなかったら、どうせすぐにバレるだろうし。


面倒なことは嫌いだけど、怒られたりするのはもっとめんどくさい。






「…さて、」


そんなことを考えつつ現状を確認したところで、私は行動に移った。なにはともあれ、まずは、負の感情の吸引を、と。


ハエのサイズに合わせて小さくなった吸引棺を取り出す。便利なもんだ。






「………ぉおぅ。」


思わず声が漏れた。蓋を開けると同時に、物凄い勢いで、黒やら紫やら灰色やらの煙のようなものが、次々棺に吸い込まれていく。これが、感情、なのかな?


それにしても、すごい勢いで吸い込まれていく。蓋開けるだけでいいなんて、楽でいいわ。やっぱり掃除機だわね、これ。全自動感情掃除機。






しばらく感情が吸い込まれていく様を眺めていたが、やがて、棺は感情を吸い込まなくなった。これは、あれかな?掃除機で言うところの、中身が一杯になった、って、ことかな?。その証拠に吸い込みきれなかった煙っぽいものは、宙をふらふらゆらゆら漂っている。


でも、掃除機の蓋を閉じたら見えなくなった。これも、この掃除機の効果なのかな。




まぁ、吸い込めなくなったんだから、この仕事は完了、ってことで、いいわよね?






………じゃあ、






そろそろ始めましょうか。私の、本来の目的を。

次回、嫌なやつに復讐を開始します( ̄▽ ̄)

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