表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/8

2:なんか、目的を語られました。

この作品はフィクションです。


「いいか下僕。我が貴様と契約した理由、そして、我が目的。もう一度だけ説明してやる。心して聞くがよい。」


そう言って、ゼルフはなにやら偉そうに喋りはじめた。


正直聞く気なんてないんだけど…。…聞かなきゃダメなのかなぁ。はぁ、下僕ってめんどい。


とりあえず、存在意義だの主従関係だのあーだのこーだのという不要だと思う部分はさっくり聞き流した。で、要約すると、


人間の負の感情を大量に集めろ。


ということらしい。


「わかったか?」

「うん、まぁだいたい。でもさぁ、負の感情を集めろ〜なんて言われてもさ。感情なんてどうすれば集められるの?。」

「案ずるな。これを使うがよい。」


ゼルフが小箱のような物を取り出して、私の目の前に置いた。


なんだこりゃ?ただの真っ黒な箱にしか見えないけど。


「なにこれ?」

「吸引棺だ。怒りや悲しみなど、人間が感情を放出した際にその箱を開けば、その感情の力を吸引し、貯蔵することができる。」

「ふ〜ん。全自動の掃除機みたいなもん?」

「…そういう例えは安っぽくなるからやめろ。」

「似たようなもんじゃん。…ん?…、あれ?」

「なんだ。」

「今、人間が感情を放出した際、って言ったでしょ?それなら箱開けてテキトーに街中歩き回ってるだけでも貯まるんじゃない?だとしたら、わざわざ私にやらせる必要なくない?」

「何を言っている。理屈的にはそうかもしれんが、集めたいのは怒りや悲しみ、恨みつらみといった負の感情だ。むやみやたらと街中を歩き回ったところで、吸収できるのは微々たるものだろう。確実に負の感情が沸き立っている場所へ行かねばならん。」

「じゃあ例えば…、悪事を企んだり犯罪をしようとしている人間を探して、負の感情を吸引する、的な?」

「そうだ。」

「………めんどい。」

「…は?」

「めんどくさい。」

「めんどくさい?」

「うん。」

「…お前は、下僕だ。めんどくさいことをやるのが下僕の仕事だ。」

「え〜?そんなの聞いてないし〜。なんかないの?悪人探知レーダー的ななんか。」

「そんなものはない。下僕は下僕らしく主の言に従っておれ。」

「なぁによ偉そうに〜。そんなめんどくさいこと自分でやればいいじゃん〜。」

「…貴様、自分の立場が全く理解できていないらしいな。あの甘ったるいチョコレートを再び食すことが出来るようになったのは、誰のおかげだと思っているのだ!」

「…う〜ん、それを言われちゃうとねぇ…。…仕方ない。ちゃっちゃと済ませますかね。」

「…価値観は本当に人それぞれなのだな。」

「それじゃあ、テキトーにその辺で喧嘩してる子供からでも」

「待て待て待て待て!」

「何?」

「テキトーにターゲットを選ぶな。だいたい、子供が発する負の感情など、たかが知れているだろう?」

「そう?子供の方が爆発的に感情剥き出しにするじゃない。それに最近は犯罪も低年齢化してるし。子供は大人以上に残酷だったりするし?」

「いや、子供は純粋なものだと、我は信じている。」

「…あなた、本当に悪魔?」

こんなめんどくさがりな下僕、欲しくない…(^.^;)。ゼルフが彼女を転生させ、下僕にした理由は次回。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ