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文芸部の日常  作者: 太一
はじめまして、そして、よろしく。
4/8

要、火星と通信する

遅くなりました!!


申し訳ないです。

テスト期間だったもので。


今回新キャラ出てます (#^.^#)

稚拙な文章ですが、どうぞ。

 先日の部室騒動が一通りの解決をみて、三階第五講義室は俺にとっての暇つぶしの環境になりつつあった。あれからまだ一週間も経っていないというのに、この状況では今後の活動に本当に不安しか残らない。しかし、それにしてもあの騒動は本当に大変だった。我ながらよく頑張った、是非俺自身にささやかな賛辞を贈りたい。もっとも、俺は一般から見て頑張らない、それは俺が中庸でありやらないというわけでは無いが別段頑張るわけでもないということに由来するのだが、今回だけは掛け値なしにそれ相応の働きをしたと客観的に見て言うことができるだろう。が、渡る世間は鬼ばかりとはよく言ったものだ。という今の話を親友である南雲涼太に話すと、

「要、それはちょっと自分を過大評価しすぎじゃないか?長い付き合いだけど、その話に心から賛辞を送るのはちょっと無理だね。なにせパートナーが夜守さんだもん、要が自分から仕事をやり始めるわけがない。百歩譲って頑張ったとしても・・・・・・まあ、普段の教室掃除に毛が生えたようなものだろう?」

これだ。全く人の話を聞いちゃいない。確かに、俺は普段の教室掃除をサボっている、いや厳密に言うとサボっているわけではないのだが・・・・・・俺の性格だ、何を言っても頭ごなしに否定されることは間違いない。ただ、せめてあの騒動の働きだけは認めてもらいたいと心から願う。

 鞄に教科書を詰め、今日もなんやかんやで第五講義室、すなわち文芸部部室へ足を運ぶ。涼太はバスケ部の練習があるようなので、途中で別れた。ふと立ち止まる、そうだ、部室に入るには鍵がいる。おそらく、教室に夜守の姿が無かったからあいつが持って行っている、そう思ったのだがもしそうでなかったとしたら面倒くさい。階段を往復する趣味は俺には無いのだ。そうとも、俺は中庸だ、無駄なことはやらな過ぎずやり過ぎない。今回のこれはやり過ぎないに入れておいてほしい。

 軽く会釈をして職員室に入る。部室の鍵はそれぞれの顧問の先生の机の上に掛けておく決まりになっている。よって俺が目指すのはただ一つ、瀬野先生の机だ。む、どうやら今先生は外出中らしい、張り紙があるのが分かる。『校外に出ています、御用の方はメモを貼り付けておいてください』椅子に先生の姿は無い。机に近づき、その上を覗く。

・・・・・・鍵が無い。ということはやはり夜守が持っていったのだろう。こうなるとさっきの俺の考えは無駄になってしまう。まあ、仕方のないことだ。職員室を後にし、俺は部室へ向かった。





 第五講義室に向かういつもの階段を上りながら、俺は今日出された英語の宿題について考える。今日は金曜日だ、明日明後日と穏やかでエネルギー消費の少ない時間を過ごすためには、今日のうちにあの宿題を終わらせておく必要がある。まさか、貴重な休日を無い頭をひねりながらシャープペンシルを走らせるためには使いたくない。そこで、この目的の無い部活の登場である。活動をしているのかと言われれば間違いなく返答に詰まるが、しかしそれでも俺にとってはなかなかありがたい部活なのだ。

 そう、こういう宿題を出された日なんかは特に。

 やる気あるのかと言われるのは百も承知だ。それにそもそも、俺にやる気などあるはずもない。お決まりのセリフを呟いておこう。俺は中庸だ。

 講義室のドアに手を掛ける、予想通り鍵はかかっていないようだ。ということは夜守が中にいるのだろう。若干残念な気もした。夜守が居れば間違いなく俺のすることに興味を持つだろう。そこで俺が今日の宿題をやっているとなれば、どんな顔をするかわかったものでは無い。一度やると心に決めている以上、やらないことはないがそれでも、「なにしてんの」的な失望を含む目線で見つめられるのはこう、精神的にくるものがある。とどのつまり俺は内心夜守がいないことを期待していたのだ。肝心の部員同士の関係がこれではこれからの活動も怪しまれる。もっとも、その状況を作り出しているのは間違いなく俺なのだが。

 横開きのドアに力を込め開ける。瞬間、ふわっと風が俺の顔を撫でた。窓が開いているのだ。視線を教室の中央に向ける。そして、一瞬、硬直してしまった。

 予想が外れた。俺の視線の先にいるのは夜守では無い。もっと言ってしまえば俺に心当たりのない知らない男子だった。しっかり椅子に座り、机の上に文庫本を広げ、若干うつ向き気味になって読んでいるその男子は微動だにしない。俺が入ってきたことに気づいていないのだろうか。それとも気付いた上で?後者だとすれば・・・・・・今までの愛想の悪さを改める必要があるだろう。しかし元来俺はそこまで人見知りする体質ではない、人づきあいもそれなりだと自負しているし、まあ友人はそこまで多い方では無いだろうが少ない方では無いとも思っている。全部俺の主観だが。

 とりあえず話しかけてみよう。いずれにしろこのままでは困る。宿題が出来ない。俺の崇高なる目的を達成するためにはどうしても事情を把握する必要がある。気になって問題すら読めないだろう?それにしても、どうしてこんなところにいるのか。

 「えーと、君何してんの?ここ、文芸部の部室だから、勝手に使われると困るんだけど・・・・・・」

 言い終わった後、気付いた。そうだ、ここは文芸部の部室なのだ。放課後に部室に来ているのだから当然やりたいことは決まっているだろう。

 「・・・・・・勝手じゃない」

 やはり。そうなら今の俺の発言はまずかった。悪手だ。

 「もしかして、文芸部に入ったのか?」

 首肯。よかったな夜守、増えたぞ、部員。これで廃部寸前だった文芸部の部員は三人。部活の体をなせるようになるかもしれない。

 「そうか。なら好きにしててくれ。具体的な活動は何も決まってないんだ。そのうち部長がくるだろうから、話はその時にしよう」

 またもや首肯。俺は悟った。こいつ、一番人づきあいしづらい奴だ!くそ、こうなったら意地でもなんかしゃべらせてやる。

 「・・・・・・そういえば、名前、聞いてなかったな。俺は一年B組の日ノ紅要。お前は・・・・・・」

 ・・・・・・え?それも黙秘!?まさか名前も話してくれないとは。想像以上にさっきの俺の悪手が聞いているらしい。と、俺が次に何を話題のネタに持ってこようか考えているところで返事が返ってきた。

 「・・・・・・一橋、翔一郎」

 遅!!どうやら俺は今火星と通信しているらしい。会話のレスポンスが異常に悪い。まあ、名前が分かっただけでもよしとしよう。

 「よろしくな」

再び首肯。どんだけしゃべりたくないんだ。突っ込みたくなる自分にブレーキ、ブレーキ。それきり、会話は切れた。話すことも特に無かったし、向こうも当然話しかけてはこなかった。その間代わりに俺は宿題をかなり効率よく終わらせることができたが。と、宿題が終わり手持ち無沙汰になると、一つの問題にぶち当たる。

 ・・・・・・重い!!何なんだこの空気。破ってはいけない何らかのプレッシャーさえ感じる気がする。俺は無駄なエネルギー消費を良しとはしないが、はたまた積極的に退屈を好むというわけではない。そうなるとこの沈黙はかなり耐えがたい。そういえばあいつは何をしているのだろう?夜守が遅れることなどほとんど無いように思えるのだが、百歩譲って何か用事があったとしても、俺は今こう叫びたい。

 助けてください、夜守さん。

 




 救いとは真に求めるものだけが受け取ることのできるものだ。以前読んだ小説の中にそんな感じの文が書いてあった気がする。救いなんて、とこのときはたいして共感もしなかったが、人間時と場合による。この瞬間現れたものは俺にとって救い以外の何物でもなかった。

 「あら、日ノ紅さんそちらの方は?」

 横開きのドアが開く乾いた音と共に聞こえたのは、我らが部長、夜守結希の声だ。今は神の一声に聞こえる。

 「ああ、夜守。遅かったな、こっちは新入部員の・・・・・・一橋翔一郎だ。」

 途端、夜守の表情が晴れやかなものになった。それはそうだろう。廃部寸前だった文芸部にとって部員が増えるのは何より好ましいことだ。夜守はもちろんのこと、俺でさえも多少の感動は覚える。当然、拒む理由もなく夜守は満面の笑みで、

 「よろしくお願いしますね。一橋さん。あ、ちなみに部長は私夜守結希が、副部長はそちらの日ノ紅さんが勤めていますので」

 「・・・・・・わかった」

 とことん不愛想な奴だ。俺は苦笑いするしかなかった。ところが、夜守は特に気にも留めていない様子で続けてこう切り出した。

 「ところで、一橋さんは何の本を読まれてるんですか?」

 俺は半分ずっこけてしまった。このタイミングでする話だろうか、それ。いや確かに文芸部なのだから、そういう会話こそが本来のものなのだろうが、さすがにこの空気で平然とそんなことが切り出せる夜守の肝の据わり具合にはただ感服するしかない。そして肝心の一ツ橋の反応は、

 「・・・・・・推理小説」

 うん、必要最低限。会話のキャッチボールとかする気ないよな、こいつ。それでも夜守は、

 「推理!著者は誰ですか?」

 なんか目をキラキラさせている。すまん、俺にはついていけない。

 「・・・・・・アガサ=クリスティ」

 ・・・・・・誰?有名なの?俺は元来本をあまり読む性質ではない。よって、著名な作者もほとんど知らないのだ。たまたまテレビで紹介などされていれば別だが。

 「アガサ=クリスティ!好きなんですか?ちなみにタイトルは?」

 食いついた。気になるらしい。

 「推理小説はクリスティしか読まない。ちなみに今読んでるのは『そしてだれもいなくなった』。これは本当に文句なしに面白い。推理の金字塔とも言っていい。島に連れてこられた十人を残さず跡形もなく一度殺してしまうという展開は誰にも予測できないだろうね。何度読んでもその論の構成と展開には驚きを隠せないよ・・・・・・・・・・・・・・・」

 ・・・・・・長すぎるので略。後半からは聞いていない。それにしても、まさかだ。初対面の人間の本質をここまでのぞき見たのは初めてな気がする。さっきまでのレスポンスの悪さはどこへ行ったのやら、歯切れのいいこと、いいこと。っていうか食いつきすぎだろ。

 俺は一通り今日最大のため息を吐いて、心の中で白旗を上げた。




 

 帰り際、校舎の玄関を出たときにふと空を見上げた。快晴快晴。時刻は六時くらいだろうか、西日がかなりきつい。うだるほどではないが、決して涼しくはない。

 おれを取り巻く環境にまた、変化があった。一橋翔一郎。あいつは俺の日常にどんな変化を及ぼすだろう?積極的にかかわるタイプでないのは間違いではないが、あいつがあの部活に入った以上、それは免れ得ない。楽しみ、というわけではないが、気になっているのは確かだ。俺自身のモットーとして変化を及ぼす存在というのは、基本的に相いれないものだが、前述したように俺は元来人嫌いの激しい性質ではない。むしろ楽しいことは積極的に楽しみに行くくらいだ。・・・・・・ごめんなさい。今のはうそです、ちょっと盛りました。

 ここでいつもの奴がいれば、あそこで盛大に「ちょっとじゃないね、その表現は違うよ。だいぶ、の間違いだろ」と突っ込んでくるに違いない。が、今日はあいつもいないのだ、久々に一人で帰るというのも落ち着いていい。っと、話がそれた。ええと、つまり結局・・・・・・次の月曜日はどんな面倒に巻き込まれるんだろうか?早く帰ろう。月曜日に大量消費されるであろうエネルギーを蓄えなくては。今から始めないと間に合わないかもしれない。

 宿題も終わった、新入部員も入った。気分は割と爽快なのだ。鼻歌でも歌って帰ろうか。

 西日は強く照っている。制服のシャツにはうっすら汗が染みていて、少し張り付く。まあ、でも涼しくはないがうだるほどでもない。衣替えにはまだ早いのだ。

いかかだったでしょうか。


新入部員はあと二人登場します。

さあ、どんなキャラが出てくるのか。


どっちを先に出そうかな・・・・・・? (^^ゞ

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