『制服と太陽』
最新エピソード掲載日:2026/06/05
欅坂46の楽曲世界を思わせるような、揺れ動く感情と未完成の青春をモチーフにした物語。
タイトル──
『制服と太陽』
これは、“答えを出すこと”を急かされる世界の中で、
まだ何者にもなりきれない高校生たちが、「決めない」という選択すら抱えながら生きていく日々を描いた青春群像劇である。
進路、未来、期待、そして大人になること。
そのすべてが少しずつ迫ってくる教室の中で、主人公は「まだ決めない」という一行だけを書いた進路調査票を手にする。
それは逃げではなく、保留でもなく、ただ“途中であることを肯定する決意”だった。
同じように揺れている同級生との出会いをきっかけに、
制服という限られた時間の中でしか生まれない会話と沈黙が積み重なっていく。
やがて彼らは気づく。
太陽はいつもそこにあるのに、自分たちはずっとそれを見上げる余裕さえなかったことに。
そして物語は、「選ぶこと」ではなく「歩き続けること」に意味を見出しながら、
制服を脱ぐその日へと静かに向かっていく。
短編集『制服と太陽』
2026/06/05 21:00