詩: あなたの去った日
掲載日:2026/02/23
朝 あなたが置いていった
テーブルの上のメモ
「無理しないで」の六文字だけが
湯気の消えたマグをあたためています
昼休み ポケットの奥から出てきた
くしゃりと折れた飴玉
「甘いものでも食べなよ」と
笑った声がふっとよみがえります
夕方 帰りに寄ったスーパーで
あなたがよく買っていた牛乳を
つい手に取ってしまい
そっと棚に戻します
玄関の鍵を回すと
いつもと違う静けさ
あなたに返すべき言葉は
もうどこにも届きません
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