吹奏楽部からのお願い-4
しばらく話を続けていると、家が近くにあるようで、途中まで帰り道が一緒! つまり一緒に帰りながらお話できる!
そして帰り道は、色々雑談して笑いながら帰る。跳ねるような気持ちで帰っていると、あっという間にお別れの場所。名残惜しいけれど仕方がない。私たちはお互いに手を振って別れた。
家に帰ってから、私は早速私と美玖ちゃんと結衣ちゃんのグループのメッセージアプリで今日のことをお話した。すると、数分後には既読がついて返信が来る。
『おお、すごいじゃん! ついにウチ無しで友達作れるようになったってことじゃん! 成長したね〜』
『美玖、それじゃあなんか優夢の親みたいになっちゃってるよ? まあ成長したのは間違ってないけど。私も頑張らないと……』
『大丈夫だって! 結衣ちゃんも友達できるようになるよ! 私も応援するから、一緒に頑張ろ?』
そんなメッセージを送り合って、その後は宿題をして、夕ご飯を食べて……気付いたら寝る時間になっていた。今日は新しい友達ができたその嬉しさで時間の流れが早く感じてしまう。そんなことを考えていたら、気付いたら眠りについていた。
・ ・ ・
翌日、私はいつも通り吹奏楽部の見学へ。音楽室へ向かって階段を上っているとき、後ろからポンポンと方を叩かれる。後ろを振り返ると、そこには部長の菊地咲夢さんがいた。
「松島さんだよね?」
「は、はい……」
「やっぱり。ほら、初日から今日入れて3日連続で見学来てくれてるでしょ? もう既に部員みたいになってるねって友達が話してたんだけど、吹奏楽に興味あったりするの?」
既に部員みたいって……そう思われてたの!? まあ毎日見学に行っているから無理もないか。
「はい、実際入学する前から部活は吹奏楽部が良いなって思ってて……」
「それ、すごく嬉しい! 良いんじゃないかな、『青春は吹奏楽部で過ごす』って。ぜひ吹奏楽部に入ってくれないかな?」
「はい!」
「ふふっ、ありがとう。それでも自分の気持も大切にしてね。別に強制で入ってもらうわけでもないしね。それじゃ、音楽室行こっか」
そう言われ、私たちは音楽室へ向かって行く。