表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブラスバンド! 〜青春は吹奏楽部で〜  作者: さとぴー
2 吹奏楽部からのお願い
7/58

吹奏楽部からのお願い-3

 そして下校のタイミング。美玖ちゃんもこの後用事があるようで、「美術部の見学行ったらキリの良いところで切り上げて帰っちゃうね」と言われているので、今日は1人で帰ることになっている。本当はみんなで一緒に帰りたいけど、用事なら仕方がないか。と思いつつ、階段を降りていく。その時だった。

「あのっ!」

 後ろから誰かに声をかけられ、私はその方へ振り向く。そこには1人の女の子がいる。黒縁メガネにストレートヘアの美少女だ。この子、私と同じクラスの子だ。

「確か……愛依(めい)ちゃんだよね?」

「はい!」

 そう、この子は同じクラスの松山愛依(まつやまめい)ちゃん。愛依ちゃんは中学入学のタイミングでお隣の県から引っ越してきた子。だから、しっかりと話したことはまだ一度もない。

 私、こういうときになんて話を続ければ良いかわかんないよ……! しかし、そのまま愛依ちゃんが話を続けてくれる。

「あの、優夢さんは吹奏楽部に入るんですか?」

「え? うん。できれば吹奏楽部に入りたいなぁとは思ってるけど。愛依ちゃんは?」

「私も、第1希望は吹奏楽部です。私、全くと言っていいほど運動が苦手で、昨日は別の文化部に見学に行ったのですが、正直言って、他の部活は私には合ってない気がして……」

「私も、運動って大の苦手で。運動会の徒競走とか、学校のマラソン大会とか、下から数えたほうが早くて……」

「あ、私もそうでした。だから運動会とかそういう系のイベントとかは苦手で……」

「共感。あれの何が良いのか……」

 そんなことを言うと、愛依ちゃんはクスっと笑ってくれる。

 というか私、初めて話す人に対してスラスラと話を続けられてる! 中学に入って初めて新しい友達ができたんだと思うと、心の底から嬉しいと思えた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ