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それぞれの思い-13

優夢の思い-3

「やっぱ陸斗はめちゃくちゃ上手だね〜何もアドバイス無いわ〜」

 そう言って笑う穂香先輩。するとその隣にいた由利先輩が話し始める。

「あの、先輩にアドバイスっていうのも気が引けるんですけど、今のハイハットの部分ってフォルテになってるので、もうちょっと強めでも良いんじゃないかなって思いました。周りのパートもフォルテだから、今のだと本番で音が埋もれちゃいそうな気が……」

「あ〜、確かに言われてみればフォルテにしては弱めだったような?」

「確かにそうかもしれないな。意識してみるよ」

 この後は由利先輩が演奏をする。先輩は2年生だけどかなり上手だ。演奏が終わると、穂香先輩がアドバイスをする。

「由利ちゃん、基本的な部分はしっかりできてて上手なんだけど、シンバルの強さが一定じゃないのが気になった。強さ的には同じフォルテだから、できるだけ同じくらいの強さでできるように練習してみて」

「わかりました!」

「さ、最後優夢ちゃんだね!」

 そう穂香先輩が言う。自分なら大丈夫と言い聞かせマリンバの前に立った。

 オーディション本番というわけでもないのに緊張する。1度深呼吸をしてから演奏を始めた。

 頑張って演奏をするけれど、緊張も相まって、音が間に合わなかったり、ズレたりして焦ってしまう。

 演奏を終えると、穂香先輩が「なるほど~」と言いながら何度か頷いている。その後、

「このテンポなら同じ音の部分はダブルストロークで叩いたほうが楽だと思うんだけどどうだろう?」

「言われてみれば今はシングルで叩いてたよな」

「確かに、シングルで叩こうとしてるから次の音に間に合ってないイメージ。多分間に合ってなかったところ、ダブルで行けば間に合う気がする」

「ダブルストロークですね、わかりました!」

「ま、オーディション明日だからシングルで叩きがちっていうクセを直すのは難しいと思うけど、一応ダブルストロークってワザがあることくらいは覚えておいてね!」

「ワザってなんですか……」

 そう穂香先輩にツッコミ、今言われたことを頭にインプットした。

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