それぞれの思い-9
結衣の思い-2
確かにそうかもしれない。自分が審査員になって演奏を聞くとしたら、積極的で時々ミスする人と消極的な演奏をする人だったら、自分でも消極的な演奏をしている方が気になってしまうかもしれない。
「わかりました。頑張ってみます!」
「そう。演奏する時は自信持って。最後に1つ、私が1年生の頃にやってた裏ワザを教えてあげよう」
「え、なんですか!?」
「私は1年からコンクールに出てるから言えるけど、舞台に立つのはやっぱり緊張する。ミスしそうになるかもしれない。だからね、大きなミスしそうでやばい! ってなったら一瞬だけ演奏やめて、次の小節からまた入るっていうのをやってた。小さいミスだったら気にしないけど、大きなミスはこの後の演奏に影響しそうって思ってたからね。それでも金賞取れたんだから、大丈夫だよ」
確かにこれは効果的……なのかもしれない。これは使えるかも。
「ありがとうございます!」
「ま、これはあくまで最終奥義ね。それからこれやるにはある程度譜面は暗記しておかないとだからね」
そういって咲夢先輩は笑った。
オーディションまではもう時間がない。なら少しでもできることをするしかない。
それまでに積極的に演奏ができるようになりたい。
・ ・ ・
家に帰ってからも、運指の練習を続ける。オーディションまで学校の部活で練習できる時間はもう2時間ほどしか無い。
私は家でもできる運指の練習や、譜読みを行う。少しでもオーディションで受かる確率を上げるためにできることはしておかないと。




