それぞれの思い-2
美玖の思い-2
……そろそろ下校の時間だ。いつもなら優夢たちと一緒に早く家に帰りたくなる頃だが、今日はどうしても一緒に帰る気になれない。とりあえず適当に理由つけて優夢たちには先に帰っててもらおう。……とは言ってもなんて伝えよう?
寄る所があるってことにする? ――いや、そこまで一緒に帰ろうって言われるかもしれない。
先生と話すことがあるってことにする? ――それも待ってるって言われるかもしれない。っていうか話すこともないからこれはムリか……
いろんな理由を考えるが、どれもパッと来ない。しかし時間は刻一刻と迫ってきている。……仕方ない。今日は正直に話して1人で帰ろう。
・ ・ ・
――とりあえず1人で帰りたいということを優夢に正直に伝えた。優夢は「大丈夫、気にしないで!」と言ってくれているけど本当はどう思っているのだろう。
良くないことと分かってはいるが、念の為にいつもとは逆方面に帰る。家から学校まで、ほぼ同じ距離のルートが2つある。今は通学路では無い方を通っているが、家に着く時間はあまり変わらないだろうから怪しまれることも無いだろう。
・ ・ ・
とりあえず、(多分)誰にも怪しまれずに家に到着した。やはり時間はほぼいつも通り。強いて言えばいつもより数分遅れているが親は特に気に留めてなさそうだ。
「あら、楽器持って帰ってきたの?」
「うん、ちょっと練習したいから」
「あまり大きい音出さないでよ?」
「運指の練習したいだけだから大丈夫!」
そんなことを言って自分の部屋に入った。




