オーディション-6
その日の帰り道。
「オーディションか〜。緊張してきた……」
そう美玖ちゃんが言うと、「まだまだ先だよ?」って結衣ちゃんにツッコまれる。
「あ、そういえば先輩が『先生も意地悪だね〜』って言ってたんだけどどういう意味なんだろう?」
再び美玖ちゃんが話を始めた。その言葉に私も反応した。
「あ、それ私も言われた。『テンポの速さとか音符の細かさがどうのこうの』って言ってた」
これはやはり先生が狙っていることなのだろうか……?
「でもほら、パーカッションは全員行けるんじゃない?」
そう結衣ちゃんは言うけれど……
「そうかな……大島先生のあの感じ、多分だけど本気だよ? 演奏技術が悪いと本当にダメかも」
「っていうかそもそも優夢ってどこの範囲のオーディションやるの?」
「えっと、38小節目からの主旋律の部分。クラリネットと同じ……」
「なるほど、私もそこなんですけど、先輩が『いやらしい』って言ってましたね……」
同じ範囲のオーディションを受ける愛依ちゃんもそう言った。やっぱり大島先生がいやらしいのは共通認識なのかな?
・ ・ ・
次の部活の日。私は譜面とにらめっこしながらマリンバの前に立ちオーディションの範囲を入念に練習する。すると、
「オーディション範囲練習するのも大事だけど、それ以外の部分の練習も怠らないようにね」
私の横から陸斗先輩に声をかけられる。
「は、はい……」
一瞬ドキッとしちゃって返事が尻すぼみになっちゃった……これってまさか、『恋』……!?
……いやいや、そんなわけない。私は一旦水を飲んで休憩して、心を落ち着かせた。1,2分休憩して、落ち着いてきた後、再び練習に取り掛かった。




